京阪電鉄  13000系
 
  京阪の通勤車として平成24年に宇治線に投入された13000系です。京阪通勤車の新たなスタンダードとして3000系で確立したデザインも取り入れて導入されました。従って通勤車としては久々に中央の貫通扉になり、テールランプは弧を描く物になりました。
宇治線の他に交野線でも活躍し、いずれもワンマン運転を行っていますが、平成26年には新たに7両編成が登場し、本線系統の普通列車や準急列車でも活躍を始めています。平成27年の京阪電鉄カレンダーでは13000系特集が組まれるなど、汎用車とは思えない主役っぷりに今後8両編成版も出るのかな…などと勝手に妄想が膨らんでしまいます。
なお、今回取り上げるのは宇治線の4両編成です。
(取材・撮影 京阪電鉄宇治線・中書島〜宇治)

 

 

 


車内全景です。3000系に続いてコントラストが激しい車内になりました(^^;; 3ドアロングシートです。
緑、黒、そして白でまとめられた車内には実は化粧板や床に細かい模様が入ったり、モケットも弧を描く独特なものになったりと見所がそれなりにあります。この系列の前に増備されていた3000系では新しい京阪のイメージリーダーとしての方向性を確立し、車内に踏み入れてこれまでの京阪とは違う雰囲気に圧倒されたものですが、この車両に関して言えば何か京阪オリジナルな部分が物足りない、そんな第一印象です。これが「脱・これまでの京阪」だとすれば上手くいっている事になりますが…?

 
車端部の様子です。各車両の中書島方が優先座席に指定されており、座席モケットやつり革に変化をつけています。また、車椅子スペースもその位置で設置されています。宇治方は通常のモケットです。
縦長に大きな窓がついた貫通扉は妻面の化粧板の濃淡でより存在感が際立っています。左の画像では小さく消火器のマークがついており、矢印の通り辿ると座席の下に蓋がありました。優先座席の方では妻面右上に成田山の御守が掲げられています。このあたりは京阪らしい一面です。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は優先座席で中書島方先頭車のもの、右の画像は通常モケットの仕様で宇治方先頭車のものです。大きく仕切り窓が確保されている部分は見ていて清々しさを感じます。こちらの扉は濃淡はつけずに仕切り壁と一体になっているかのようです。化粧板の細かい模様を見るには一番良い部分である一方、10000系まで設置されていた「一人ぼっち席」はなくなってしまいました…。これはもう、今までの配慮に感謝です。

 
車椅子スペースです。左の画像が中間車のもので、座席もチラッと見えます。右の画像は先頭車のものです。面白いのが手すりの配置で、ドア周りの縦の手すりと車椅子スペースの横の手すりが一緒になっています。緩やかな弧を描く姿は美しささえ感じます。
横方向の手すりはそれ以外にも2本あり、非常通報機も完備しています。


天井です。こちらも濃淡がはっきりしています。蛍光灯はカバーが廃止されてしまい、直接照明になってしまいました。この後の増備車ではLED照明になったそうですが、見た目でわかるコストダウンにちょっとガッカリです。
吊革の色はこの形式独特のものです。今後増備車が続々とできれば心配しなくても済むと思うのですが、壊れた時の補充に通常の白色の吊革がそのうち混ざりそうな予感がします(^^;; 関東の人間としてはつい悪ノリで「この車両は高尾山口に行きますか?」と尋ねたくなってしまいます(^^;;;


床は京都の石畳をイメージしたデザインで、さりげなく空間の広がりを示しています。どこかで見たことがあるなぁと思ったら3000系と同じデザインです。


ドア周りです。すべてのドアに液晶ディスプレイがついて実質1種類のみの展開です。
こちらもドア自体にメリハリを持たせる装飾を施しました。オレンジの警告ラインは最近多くの鉄道会社で貼っていますが、この車両ほど映えるものは無いとおもいます。
吊革がダラーンと伸びている様子は10000系と同じで、ここをスタイリッシュに見せる技を京阪は持っているんですが、なかなか…お金がねぇ…。増備車ではドアチャイムがついたそうです。

 
液晶ディスプレイです。画像では映り込みが激しいですが、実際に見ると映り込みは画像ほど酷くはありません。様々な情報が出てきますが、正直文字が小さいことが多く、画面自体もう少し大きくならないかなぁ…と思う事もしばしばあります。全てのドアの上に設置されていること自体は良いんですが…まだまだデザイン的には過渡期なのでしょうか?


窓周りです。ちょっとカーテンを引いてみましたが…3000系にあったような柄は継承されませんでした。あくまでも地味なスタイルに徹しています。


ドア〜ドア間に関しては片持ち式になった8人掛けのロングシートです。スタンディングポールも入り、2人・3人・2人に分けられています。モケットの模様の美しさは通勤車とは思えないくらいで、画像ではわかり難いですが座面にも弧の模様が入っています。派手な緑色も美しささえ感じます。バケット形状を無視したデザインですが、形状自体は軽く見ただけでわかります。
で、10000系までの京阪通勤車、或いは3000系のような独自性が全く見られないスタイルになってしまいました。袖仕切りも汎用の物になり、独自の背もたれと座面が分離した形状も採用されませんでした…。
 
この形式の面白い所が、車端部に関しては座席下のヒーターカバーがそのまま残っている点で、ドア〜ドア間も片持ち式をやめればいいのに…(^^;; 尤もカバーの中がどうなっているかは知る由もなく、消火器スペースなどの機器類を入れるためのカバーと言う説もありますが…
車端部は6人掛け、乗務員室の後ろは3人掛けがセットされていて、車端部の座席は間にポールが入ります。座り心地に底つき感は無いのですが、腰回りのホールド感はまるでなくなってしまいました…。


車端部の優先座席はモケットを黄色にしました。背もたれにも黄色が入り、非常にコントラストの激しい色の使い方になりました。黄色い座面にも模様が入ってはいますが、正直緑よりも派手さが抑えられている印象で、せっかく他の車両で使い始めたピクトグラムもどこへやら…と思ったら、背もたれの上の方に散りばめられていました。…もう少しわかりやすいピクトグラムが良いなぁ。

 
車椅子スペースの脇、そして乗務員室の後ろは3人掛けのロングシートです。車椅子スペースの脇の袖仕切りは窓の位置の関係で高さが抑えられた物になっています。ある意味こちらの方が京阪らしい袖仕切りです。

その袖仕切りです。3000系では独特の袖仕切りを用いていたのに、どこにもある汎用品を使うようになってしまいました…。オレンジのライン一本入れている点がお洒落ですが、他社との違いはそれくらい。座席自体に意匠を施しても全てを打ち消すような破壊力を持っているようにさえ感じます。また、画像では大変わかり難いですが、内側取り付け部分付近に2本ネジの頭が見えています。ちょっと緩んだ段階で髪の毛を挟みそうな予感がしてつい気になってしまいます…あ、丸刈りにすれば気にしなくてすみますね(殴


おまけ。いつの間にかバイクと同じロゴになった「川崎重工」メーカープレート。スタイリッシュです。
 
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