加悦鐡道保存会(加悦SL広場)  キハ101
 
  昭和11年、加悦鉄道の車両として登場しました。その後昭和43年にディーゼル車になり、昭和55年頃に休車。平成14年に加悦鐵道保存会が復元作業が実り、加悦SL広場での自走による復元運転が始まりました。
残念ながら加悦SL広場は閉園してしまいましたが、現在も加悦鐵道保存会が管理を続けているようです。
今回の取材は2016年11月、復元運転の日に行いました。短い区間をゆっくりまったり行くキハ101は寄る年波…とは逆に可愛い、ほっこりするものがありました。全長が12mだったことも、この素敵できれいな塗装も可愛く見えた理由の一つかもしれません。
片ボギー車、機械式ディーゼルカー、バケット付き車両、連結器も珍しい…など後世に語り継いでいきたい内容が満載の車両ですが、またいつか乗りたいなぁ。
(取材・撮影 加悦SL広場)

 

 

 

 
車内全景です。片開き2ドア、ロングシートの車内です。
座席に補修したところが見られますが、それ以外はかなりキレイに整った車内だった記憶があります。特に窓から天井にかけての美しさはなかなかのもので、これなら夜の車内にも出会いたかったものです。
解放感溢れる車内に見えるのは乗務員室との仕切りが袖仕切りくらいの高さに留まっていること、そして窓が多く車内に光が入るからで、実際外から撮ると乗客の楽しそうな表情がかなり伝わってきていました。


乗務員室は半室構造で、右半分は折り畳み座席(!)が2人分備わっています。車掌乗務時には折り畳めるそうです。
この仕切りの低さがポイントで、運転時は一応柵で仕切れるようにはなっていますが、運転手さんの背中が良く見える仕様になっていました(^^;; それにしても狭い上に運転席に座ると桟が直撃する仕様…今の鉄道車両の乗務員室とはちょっと違う感覚が却って新鮮でした(^^; 窓の上には似顔絵のイラストが飾られていました。


運転台です。右側のペダルがクラッチ、その奥の緑の部分がハンドルを差し込む前のブレーキ、室内灯や前照灯のスイッチは右側の壁についています。シフトやスロットルに関するレバーは真ん中の3本で、車はマニュアル車も一応運転できる(自慢にもならない…)私が運転席に座っても卒業検定までたどり着かない自信があります(^^;;
左の大きいハンドルは手ブレーキで、車のハンドルのようについている姿がなかなか新鮮です。

面白いのが窓枠。なぜか手掛けが備わっています。今は流石にワイパーを取り付けたので無理だと思いますが、夏場は窓を開け放って運転していたのでしょうか。インターネットで検索すると3枚のうち座席側の窓を開けている姿があったようで、ある意味すごい換気能力…(^^;


天井は質素に緩やかなカーブを描きながら展開しています。中央に白熱灯を配置し、周りの吊革は支持棒の素材も形状も美しいです。ちょっと画像ではわかりにくいですが、荷棚には正真正銘の網を使っています。


床です。この床がこの形式の見所の一つで、ディーゼルエンジンをぶら下げている部分の床が一寸高くなっている様子がこの画像からも伺えるかと思います。そして点検蓋も含めて木の床…この焦げ茶には幾多の歴史、物語が詰まっています。
乗車時期は11月だったのであまり感じませんでしたが、夏場この上はどのくらいの暑さだったのでしょうか。

 
手動のドアになります。こちらも内張りは板を用いています。右の画像は外から撮ったものですが、画像下、金属の部分が2つに別れています。この下の部分はステップになりますが、ステップは常に外に露出している状態で、ドアとステップの間はドアと連動する形で蓋がされるような形状になっていました。なかなか珍しい仕掛けですが、もっとわかりやすく撮影しておけば良かったです…。ステップがあるのにドアが下に伸びているように見えなかったので、乗って解決試してガッテン!です(^^;;
窓の上には恐らくこの上には滑車がついているんだろうなぁ…と思うような金属のパーツが左右に設置されています。


見難い画像ですみません。ドアノブとドアロックになります。どちらも小さいパーツですが、このドアに対してはちょうどいいサイズだったと思います。


窓周りです。ドア〜ドア間は戸袋窓を両面に挟み、1段下降窓が5枚並んでいます。カーテンはありません。
あまり速度が出ていなかったこと、距離が短かったこともあって窓のガタガタ音はあまり記憶に残っていませんが、1段下降窓です。昔の写真を見ると保護棒がついていたり、横引カーテンと思われる布が見えたりと、なかなか素敵な環境だったようです。
桟も素敵な木で組んでいます。レトロっぽい新造車両もこの細さはなかなか表現できないものです。


乗務員室隣の折り畳みの座席です。このつっかえ棒…もとい脚がちょっと心配なところもあって私は座らなかったのですが、子連れのご家族の方が普通に座っている画像を見たりすると、見た目以上に頑丈だったようです(^^;;; 折り畳み席とのことですが、保存運転中はどうも展開しっぱなしだったみたいです。脚は床にしっかりついています。
緑色のモケットはちょっと緩やかで、壁にピタッとくっついた背もたれがなかなかインパクトがあります。そして折り畳みを前提にした袖仕切り。やはりそこから覗く脚がキュートです。


ロングシートです。こちらも緑色のモケットですが、先ほどの折り畳み席との座面の厚みがだいぶ異なる様子が伺えます。復元運転前の整備中の様子がyoutubeで加悦鐵道保存会の方あげていますが、座面はドア〜ドア間で特段分割されておらず、それなりに長〜いロングシートを堪能できる仕様になっています。
どちらかというと座席そのものに小ささを感じるサイズ感でした。乗車距離が短く、速度もあまり出なかったので暴れるような乗り心地にはなりませんでしたが、それでも足元から伝わるアイドリングと程良く沈み込む座り心地がなかなか心地良い時間でした。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送