鹿島臨海鉄道  8000形
 
  鹿島臨海鉄道のニューフェイスは関東鉄道を思い起こさせる3ドアロングシート車のパッケージでデビューしました。塗装こそは重厚そうな印象ですが、高架区間を軽やかに飛ばすのは鹿島臨海鉄道8000形です。
近年全国局所的に(^^;転換クロスシート車に続いてロングシート車が増備されるケースがみられます。確かに水戸駅で発車待ちの大洗方面行き、高校生でさらっと席が埋まるのを見ると納得する反面、乗り通し…とまでは行かないまでも、そこそこの時間乗るお客さんも多く、なかなかバランスを取る難しさを感じます。せっかくの両運転台を活かして車内バリエーションを増やすのも愉しそうですが…あ、はい…愉しいのは私だけですね…(^^;;;
ワンマン運転もこなしながら水戸〜鹿島神宮で活躍しています。いつか関東鉄道と共演して欲しいものです(^^;
(取材・撮影 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線・大洗〜鹿島神宮)

 

 

 


車内全景です。見事なまでに広々とした車内は3ドアロングシート、6000形にはあったトイレはありません。乗務員室側のドアを片開き扉にして所謂「広場」を作らなかったこともあり、大変シンプルな車内です。ワンマン化とそこそこの混雑の両立に対し、かなりパーフェクトに近い回答を見ているような気がします。また、水戸方に車椅子スペース、優先席を設けていますが…何かと立席を多くしたい思惑もチラリ、動線が気になる水戸駅の階段に近い側に集約した印象を受けます。
関東鉄道や鹿島臨海鉄道の6000形とは異なり、座席モケットは青をメインに配色しています。その甲斐もあってなかなか新鮮に映りますし、どことなく軽い印象を受けます。もっと弾けて欲しい!と願うのは沿線の観光施設で散々遊んできた証拠です(^^;;

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は鹿島神宮方、右の画像は水戸方です。半室構造ながら運賃箱を出す事によって助手席側までしっかり仕切れる構成になっています。関東鉄道ではその運賃箱の上に引き違い窓を思い浮かべるサッシが設けられていますが、鹿島臨海鉄道では助手席側に整理券発行機、精算済み券発行機を載せている関係で、固定窓のみの設置になっています。関東鉄道では印象的だった横引カーテンも見られません。
6000形と比べると整理券発行機の位置が変更されていますが、ドア周りを広く確保する目的がありそうです。
吊革は片開きドアの手前で止まっていますが、車椅子スペースに合わせて吊革の位置を高くしているのはユニークです。


ただ、整理券発行機も精算済み券発行機も躯体が黒いため、あまり目立っていないように思います。精算済み券が高い位置から出るのもちょっとビックリしますが、水戸駅到着時に車内で運賃精算を行ったことを示す券、どうも某黄門ご一行の「控えよろう〜」と一連の台詞を充てたくなってしまいます(殴


車椅子スペースです。6000形ではなかったスペースになりますが、パンフレットコーナーはしっかり6000形同様に設置されています。その隣にT字形の握り棒を設けておしまい、なかなかシンプルな車椅子スペースです。
せめて窓の桟、高い位置にある非常通報機がもう少し車椅子の利用者に対して押しやすい位置にあれば良いのですが…。


天井です。ラインフローファンが備わっているあたりは6000形の扇風機の代わりでしょうか…はたまた関東鉄道の車両に機器類を合わせた結果でしょうか…スポットの吹き出し口から一歩進歩して車内が満遍なく冷えるようになりましたが、扇風機の強い風が欲しい層には物足りないのもまた事実。そして、この葛藤を平成の終わりから令和にかけて実感するところに、強い風派の私はしばし憧れてしまいます。
照明は蛍光灯が用いられていますが、今後増備が進むのであればLED照明に切り替わる可能性も十分あります。


床です。ベージュをベースにノイズ柄でシンプルにまとめています。ドア周りは配色を変えています。

 
中央の両開き扉、そして両端の片開き扉です。関東鉄道には無い(!)半自動ドアになっています。ステップレスは6000形からの大きな進化、ドア周りは確実に優しくなっています。
大きな窓が魅力的なドア、内側は段差がありません。片開き扉の方はドア周りに余裕があるのもポイントですが、片開き扉は縦方向の手すりが片側しかありません。

 
両開き扉には両側ともLED表示機、片開き扉には特段表示機はありません。この配置も地味に関東鉄道の車両とは異なります。
画像は行先が記載されている状況ですが、走行中は次駅案内を漢字、ひらがな、ローマ字で流します。そう、あのやたら長い駅もひらがなで「つぎは ちょうじゃがはましおさいはまなすこうえんまえ」…目で追いかけるのが大変です(^^;;
両開き扉のドアコックは鴨居部、片開き扉のドアコックは仕切りや座席の下に赤枠で示されています。


半自動ドアボタンのユニットです。点灯時、消灯時、車外のトリオです。
こちらは2016年の製造らしく、手動の時は枠そのものを点灯してアピールしています。


側窓です。傍から見ていると片開き扉の戸袋窓のようにも見えますが、全て開閉可能の1段窓、ロールカーテンが備わっています。大洗鹿島線、結構日中は車内に陽が入るのでロールカーテンは助かります。

 
座席です。ドア〜ドア間は12人掛けで、3人・6人・3人に分けてスタンションポールを2本入れています。
右の画像、優先席も含んだ区画は8人掛けで、3人・2人・3人に分ける格好でスタンションポールを2本入れています。2人の部分がやたら狭く見えますが(^^;;; 何も無理してスタンションポール入れなくても良いのに…。
背もたれ、座面とも縫い付けが入り、着席区分がわかりやすく示された座席は程良い沈み込みが愉しめます。背面の造作が一直線になり気味で単調な感じがしますが、極端にバケットシートになるよりも幅の融通が効く分過ごしやすいと思います。

花の模様が入ったモケットはお洒落です。画像では優先席の模様が少しくどい!と思う方もおられるかもしれませんが、実際のところそこまでくどくありませんでした。ただ、6000形の通常仕様のモケットは赤系の模様…ちょっと紛らわしい一面も。


袖仕切りです。化粧板のまま大きくした格好で、中途半端なところから生えた手すりは天井まで一直線。着席している人の視界ギリギリのところで手すりを握る他の人が入りそうですが、幸か不幸か取材中そのような状況に遭遇したことはありませんでした。
 
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