鹿島臨海鉄道  6000形
 
  茨城県の水戸から鹿島まで沿岸地帯を結ぶ鹿島臨海鉄道。
その旅客輸送を担っているのが6000形になります。
現在こそブラックフェイスをやめてしまった車両もいますが、昭和60年生まれにしては斬新なデザインで登場した6000形。全車両運転台つき車両で、地方ローカル線の未来の姿を見ているようなデザインにまとまっています。
現在も大洗鹿島線は臨時列車を除いてこの系列で統一されており、両運転台の強みを活かして臨機応変な編成に対応しており、近年はワンマン運転もスタートしています。片開き扉といい、両運転台といい、非電化の地方私鉄には最適なパッケージで、第3セクターの車両をより大きく感じを受けます。
(取材・撮影 鹿島臨海鉄道・鹿島神宮〜新鉾田)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。失礼ながら見た目とは裏腹に転換クロスシートを装備し、所々に木目調の化粧板を用いるなど、何かと設備のスペックの高い車両になっています。この「見た目はボチボチ普通だけど、入ってみてビックリ」体験は北近畿タンゴ鉄道でも体験しましたが、まさか鹿島臨海鉄道でも体験するとは…(^^;;; 2ドアでドア付近はロングシート、トイレも各車両についています。
車体の線路からの高さや天井あたりのフラットさはJR東日本で走っているキハ37形をしばしば連想させます。

 
カクカクした作りがたまらない乗務員室周りの様子です。
半室構造の運転台ですが、仕切り壁がわずかに上の方に残っているため、第3セクターのように「運転席の右側に気軽に立ち入ってね♪」という様子は伺えません。仕切り壁以外にも鎖で閉鎖しています。
トイレは各車両水戸方にあります。トイレの先の仕切りは両側とも同じです。

そのトイレはデッキ側から出入りするような格好になります。狭い折り戸の奥に和式のトイレがあります。
この出入り方法はキハ40形、キハ110形など多くの車両で見ることができますが、デッキがなくても人の視線を感じずに出入りできるという利点はこの車両でも活かされています。
壁にはパンフレットやポスターがたくさん。中には静電気パワーでポスターが汚れてしまっているところもありますが、圧巻は先ほどの画像ででてきた「あやめ祭り」のポスター。あのサイズの広告はなかなか見かけません。加えてデカデカとゆるきゃら参上。季節限定に違いないでしょうが、たまりません。


整理券発行機。直立不動を地で行きます。

 
天井です。扇風機もあります。鹿島臨海鉄道!などの会社名やロゴマークが入っていないので、幾分JRのものよりもおとなしく、しかしメカニックに見えてきます。
天井は冷房も備えているため、ところどころ吹き出し口があります。ラインデリアはありません。車内両端にダクトを設けてそこから吹き出しスポットを介して冷風を出すイマドキの冷房設置方法の一時代前がこのような格好で、ダクトを天井中央に設ける関係で天井高が低めに設定されているはずですが…あまり低さを感じさせません。


床は茶色とアイボリーのツートン。周りとも程よく溶け込んでいます。
この茶色はこの当時国鉄で頻繁に使っていた茶色よりも若干濃いめかつ暗めの色になります。


ドア周りです。片開き扉で大きい段差をステップで乗り切っています。
無塗装のドアは無機質そのもので、ワンマン運転の場合無人駅では前の車両しかドアが開かないため、後ろの車両のドアはかなり存在感の小さくなってしまいます(^^;;
それでもデッキに相当する部分だけで長い蛍光灯が設けられており、ワンマンディーゼルカー独特の暗さは全くありません。


側窓です。昨今の固定窓が主流の車内と比べるとどうしても小ささが目立ってしまう2段窓です。
ただ、個々にカーテンが引けるなど接客面では細かい気配りまでできているのではないでしょうか。
帽子掛けもしっかり装備し、荷棚はパイプ形状でセッティング。


ロングシート、まずは転換クロスシートとトイレの間の座席から見ていきます。
キハ40形などにもいえることですが、ここまでクロスシートを続ければわざわざ短いロングシートを設けなくてもいいと思うのですが…(^^;; 転換クロスシートの背とトイレの壁の間で、なかなか死角になりがちな部分になってしまいます。
ほどよくバウンドするロングシート、経年劣化などは全くなく、奥行きもしっかり取られています。

 
ドアから転換クロスシートまでのロングシートはどの位置も7人掛けで。
先ほどの3人掛けのロングシートもそうだったのですが、1人ずつ分かれて座れるようモケットに縫い付けが入っています。一昔前の京王7000系で見られたものと工法は同じで、確かに座って「ん?」と気がつく感じです。故にモケットの色が濃い目という影響もあってなかなか気づきにくい定員着席の提起ではないでしょうか。
袖仕切りは乗り降り時を考慮した形状に落ち着いています。これもどっかで見たような…。


転換クロスシートです。所々木目調の化粧板を用いて印象アップ、全体的に車内の色和えを「濃く」しています。
欲を言えば肘掛も木目調にして木な印象をもう少し増やしても面白かったかもしれません。登場時ではなかなか難しいテクニックだったとは思いますが、今なら十分できると思います。

 
転換クロスシートです。左の画像が端の席、右の画像がそれ以外の席になります。
ヘッドレスト部分の意匠が特徴的です。あまり座り心地には影響しませんが、見た目サポートしてくれそうな感じを醸し出しています。それよりもちょっと背もたれが寂しく、切り立った印象を受けました。もう少し腰の部分に相当する背もたれを厚めにしても良い気がします。
…打ちながら気が付いたのですが、伊豆箱根鉄道の車両にも同じ転換クロスシートがいます。つまり、汎用品です。あちらの派手さとはちょっと違う派手さ、ぜひビニールレザーでも良いのでヘッドレストカバーで味を調えたいところです。


そして肘掛ですが…ここは細かいです、内側にもしっかりモケットが貼られています。
モケットに転換機構の跡がつきそうなものですが、一切ありません。


最後に…近年あまり見ない表記だと思います。禁煙車。

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