関東鉄道  キハ532形
 
  1981年、竜ヶ崎線用に登場したキハ532形です。
竜ヶ崎線用に車体を新しく作ったため、見た目はすごくキレイに整備されており、正直「レトロな車両」と呼びづらいように感じる部分もありますが、国鉄キハ20形の部品を多く活用している点、そしてキハ2000形が主力になっている昨今「予備車」としての位置づけになっていたことから「なかなか乗れない車両」としての位置づけは確立しているようです。
現在は土休日を中心に運用に就いており、ホームページでどの日のどの列車に充当されているかが記載されています。乗車時間やアクセス性で常総線がどうしても目立ってしまうわけですが、常総線の「レトロな車両」に廃車が出ているだけに、今後この車両の注目度は高まってくる予感がします。
(取材・撮影 関東鉄道竜ヶ崎線・佐貫〜竜ヶ崎)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの構成です。
色合いは関東鉄道のキハ0形やキハ310形と同じ濃いめの味付けで、蛍光灯の数の少なさが通勤「電車」ではなく通勤「ディーゼルカー」といった雰囲気を作っています。通勤ディーゼルカーといっても片開き扉で長さが通勤電車よりも長いので奥行きを広々と感じることができます。国鉄形通勤ディーゼルカーの代表格「キハ30形」とは雰囲気が全く異なります。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が佐貫方、右の画像が竜ヶ崎方になります。ちょっとわかり難いですが窓の奥、上の方にチラッと見える「ワンマン」の表示が運転席の目印です。で、その表示が左右対称になっていません…つまり、運転席がどちらも佐貫のホームに面するように配置されています。
なんということでしょう(^^;;
都市型ワンマン運転のためホーム側に運転台を設置したわけですが、竜ヶ崎線のホームは全て同じ向きにあるためこのような運転台配置になったとのことです。
世が世ならかつての和田岬線のように思い切ってホームが無い側のドアを一つにすることもできたわけですが…そこまでは流石にやっていません(^^;;


天井です。簡素な配置の蛍光灯、そしてスピーカーの主張。冷房化に伴いダクトがかなり幅を利かせており、さらなる賑わいを見せています。簡素な配置の蛍光灯を白い化粧板が支援していますが昼間でも仄かに暗い車内、節電ということで蛍光灯を取り除いてしまうと冷房付近はかなり暗くなってしまいそうです。
 
扇風機と冷房のコラボです。この組み合わせもかなりレアになってしまいました。特に扇風機にカバーをかける図はなかなかお目にかかれません。
冷房はかなり張り出しており、その下の網棚はありません。関東鉄道をはじめJR西日本のキハ40形などでも見る冷房で、少しくたびれた様子もうかがえます。この出っ張りが冷房なので、夏はどこに座れば冷房が思いっきり効くかがよくわかります(^^;;;


床です。グレーの床を見るとなるほど年季を感じます。


片開き扉は関東鉄道では珍しくステップつきです。常総線の車両はステップが無いので同じ感覚で乗るとつまづいてしまいそうです。片開き扉だけでも珍しいのに、隣の戸袋窓も側窓に似せようと2段窓のような造形です(^^;; かつての京王5000系のような雰囲気ですが、ドア幅はそれよりも短めです。
佐貫駅で停車時間が長いときは改札から遠い扉を2ヶ所締切ます。他の駅や到着直後、発車間際では全てのホーム側のドアが開きます。ワンマン運転…と言っても改札が駅にある都市型ワンマンなのであまり驚く人はいません。


直線がしっかり入った2段窓。心なしか大きさがちょっと小さいような気がします。今でもしっかり上下段開き、ロールカーテンも増備しています。戸袋窓は開閉できませんので、窓を開いている際指を挟まないよう注意しなくても大丈夫そうです。


ここからは怒涛の座席ヶ浦。まずはドア〜ドア間の座席からです。画像の座席は冷房用の配管が縦に通っていますが、エンジンの排気管がそばにある座席は一寸短くなっています。
蘇芳色のモケットは関東鉄道では標準で、クリームの足元がなかなかお洒落。そのヒーターの前の網が独特で、丸い穴がビッシリはみ出すかの如く取り付け枠の有無関係なく空いています。蓮アートではないので特段怖さは感じませんが(^^;;ハンドメイド感が出ていてgood job!!です。

 
袖仕切りの形状が独特な乗務員室周りの座席、微妙に仕様が違うのでおりゃっと4種類ご案内します。まずは佐貫方の座席です。左の画像が運転席側、右の画像が助手席側で乗務員室の張り出し分デットスペースが備わって座席の長さを調整しています。1時間の乗車ならちょっとしたテーブルにもなりそうですが、竜ヶ崎線の乗車時間なら…うまく野菜をぎっしり入れた買い物袋を置く姿を見て納得でした。

左の画像の座席は優先席になっていますが、常総線の新車のような塗り分けはやっていません。

 
で、竜ヶ崎方の座席です。左の画像が運転席側、右の画像が先ほどデットスペースがあった助手席側ですが…そのデットスペースがありません(^^;; 東京メトロ東西線5000系を彷彿とさせるバラバラぶりに取材班ハラハラです。
短めの奥行きにバネの効いた座面。心地良い揺れは座り心地を云々言う前に着いてしまいました。座面と背もたれの垂直っぷりが気になるような見た目でしたが、それすら感じる前に着いてしまいました…2往復ではお腹一杯味わえません。


最後にクローズアップ袖仕切り。パイプ構成は空いてさえいれば乗り降りの補助にもなります。ステップのおかげであまり立客との干渉もなさそうなので、これはこのままで十分だと思います。

…映画を撮る方、この車両は「水色に塗って京浜東北線」が無理だとしても、「水色に塗って富山港線」くらいならできますょ!
 
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