関東鉄道  キハ2100形
 
  関東鉄道の次世代の主力として1993年から増備された2100形です。実に30年ぶりの新造車とのことですが、1次車から3次車まで2編成ずつ製造され、キハ2300形へと受け継がれることになります。今回は3次車の模様を中心にお届けします…とは言っても、2次車と3次車であまり違いありません。画像は2010年に撮影したもので、外観が旧塗装のときのものです。今の塗装も悪くはないのですが、こちらの方が見慣れているような感じで、特に窓周りのグレーがフレッシュな装いでしたが、新塗装では窓周りの塗装も白一色、少し癒し系になったような印象です。
2両固定編成ということもあり、取手〜水海道を中心に運用されています。データイムの減便、1両編成化もあって多少出番が減りましたが、それでもこの車両でなければいけない時間帯は健在です。
(取材・撮影 関東鉄道常総線・取手〜水海道)

 

 

 


3ドアロングシートの車内です。画像は下館方先頭車の全景を乗務員室側から写した格好です。キハ30形、38形と3ドアディーゼルカーを見てきた身としてはこのスッキリした車内にカルチャーショックを覚えたものです。排気管が車内に出ていないし、冷房は備わっているし…それでも両開き扉の不器用な閉まり方から始まるディーゼルエンジンの音になぜかホッとしたものです。かつては複線区間ものんびり走り、信号所で一旦止まり・・・というイメージでしたが、今はキビキビ走ります。
この画像だけ見ると同じ京成グループの京成3700形のような雰囲気を感じますが、私は窓周りや袖仕切りのパイプに違和感を覚えました。皆様は如何ですか…?

 
車端部です。妻面の壁に若干の出っ張りはありますが、基本ここまでスッキリした妻面は珍しいなぁと思うくらいあっさりです。左の画像は下館方先頭車、右の画像は取手方先頭車で、片側優先席に指定されています。
貼られているステッカーも車番、禁煙、危険物持ち込み禁止、非常通報機の位置を示す矢印くらいで、広告枠もありません。この部分に排気管を通していることは外からはわかりますが、車内からはわからないようなデザインになっています。お見事です。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は下館方先頭車で、優先席と車椅子スペースが写っています。右の画像は取手方先頭車で、両側とも立席スペースになっています。この区画、京成電鉄であれば2人掛けの座席を設けそうな気がしますが(^^;; 取手駅の配置を見る限りこの区画が改札に一番近いこともあり、あえて立席にしたのでは…と思います。ワンマンのマークが前面に出ていますが、運賃箱や整理券発行機はこの車両にはありません。

 
車椅子スペースと立席スペースを比べてみました。低い位置に手すりが備わっていますが、それ以外は立席スペースと変わりません。1993年を思い出すと確かに車椅子スペース黎明期であったとは思うのですが、後年増備された車両も基本的にはこのスタイルに非常通報機が近くに設置されたくらいの仕様で、ある意味統一されています(^^;;
ステップレスのドアですし、過剰な装備は不要とのことでしょうか。


天井です。ところどころラインフローファンが備わり、吹き出し口も含めてもはや電車のようなスタイルに驚きです。その外側に剥き出しの蛍光灯がズラッと並びます。これまで関東鉄道の車両にあった扇風機がこの形式からなくなりました。


茶色一色、1993年では大いに流行していた色になります。ここだけ見ると北関東の他2県で健気に走っていたJR107系に見えてしまうのは多分私だけだと思います。


ドア周りです。ステップレスのドアに袖仕切りの天井まで伸びる握り棒。それに加えて鴨居部から両脇にかけての出っ張りの目立つこと…!最初の2編成はさらに斜めに出っ張っていますが、全てのドアの上にLED表示器が備わっているのは立派です。
無塗装のドアはステンレス無地のもので、大きな窓ガラスに既視感を求めるとするならば…JR415系ステンレスカーあたりでしょうか。尤もあちらは裾絞りがあるため、ここまで真っ平には見えません。
半自動ドアではありませんが、乗務員室背後のドア以外を締め切ることができます。


令和3年のものとは地味にデザインが異なる常総線停車駅のご案内とともに、鴨居部のLED表示器です。ドアコックも脇にしっかり、開けやすい蓋でスタンバイしています。
行先や次駅案内を淡々とこなします。JR209系の初期の頃の表示パターンを彷彿とさせるものがあります。
程良い文字の大きさで、割と見やすいです。

 
座席下の蹴込み板がツルンとしている座席、まずはドア〜ドア間です。
右の画像は下館方に5人掛けの優先席を含んだもので、どちらも10人掛けです。
蘇芳色のモケット、縫い付けでの着席区分などは1990年代前半の車内そのものを令和にも伝えようとしているかのようです。座り心地も座面の柔らかさがまさに平成前半までごくごくありふれていた感覚そのもので、ちょっと懐かしくなってしまいます。ただ、柔らかいのが仇となり化粧板には頭をつけた跡が明確になってしまっている車両も…。日頃の清掃やアルコール消毒に事欠いていない様子は取手駅にいるとよくわかるので、化粧板そのものの交換はそろそろいかがですか?

 
車端部は6人掛けです。右の画像は取手方の車両に設置された優先席です。こちらは6人分まとめての設定になります。なんかもう車両からはかけ離れたような、何かのコント番組のセットを見ているような気分になってしまいますが、ちゃんと鉄道車両の車内なので心配ご無用です(^^;; 乗り通すと90分近い乗車時間になる関東鉄道常総線ですが、2両編成はだいたい水海道〜取手の運用になるので、現状の座席でもまずまずだと思います。
気になるのは背もたれの上、窓の下の枠がちょっと出っ張っているところでしょうか。それも座り方次第で気になる程度で、違和感はあまりありません。


クローズアップ袖仕切りです。この画像だけ見る分にはごくごく普通の、90年代前半に流行った袖仕切りをそのまま持ってきたものに見えますが、やはり天井まで握り棒が展開する様子は慣れません。
近年増備された車両は袖仕切りが大きくなっただけに、寄りかかりの干渉防止にこの形状の袖仕切りにも何か手を加えても良いように思います。
…と言いたいものの、この形状も趣味人の視点では捨てがたいもので…(^^;;
 
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