関東鉄道  キハ00形
 
  昭和59年、国鉄キハ20形の足回りを流用、車体を通勤通学に耐えられるよう3ドアのものに載せ替えたディーゼルカーが関東鉄道に登場しました。キハ00形です。
今も昔も関東鉄道で走っていますが冷房改造やエンジン換装などが行われ、前面もキハ20には無かったスカートが設けられており、まさにキハ20の面影はほぼ全くと言い切ってしまいたいほど何も残っていません。ただ、真ん中に貫通扉を持ってくる顔のスタイルは新型車両にもしっかり受け継がれており、関東鉄道の赤い帯もびしっと決まっています。
近年はワンマン化も行われましたが運賃箱や運賃表示器などは設けられていないスタイルのため、取手〜水海道の運用がメインになっています。
(取材・撮影 関東鉄道常総線・取手)

 

 

 


まずは車内全景からです。床の色に天井の冷房装置、そして濃い目の味付けで決まった化粧板の効果もあって少し重たい印象ですが、一番手前に見えるLED表示器がその重みを分解してくれているような気がします。いわば飲み会を締めくくるお茶漬けのような立場でしょうか(^^;;; 全て両開き扉、3ドアロングシートの構成で、その構成が関東鉄道のスタンダードになってしまった今、余所者の視点から見ると様々なスタイルのディーゼルカーがいた頃から活躍していた頃の面影はあまり感じられません。


先に乗務員室との仕切りです。画像は取手方の仕切りになります。下館方の仕切りでは手前下り進行方向左側の座席が優先席の指定を受けており、若干雰囲気が異なります。
大きな窓が3枚並んでおり、助手席側にはその手前にちょっとした箱を設けています。機器スペースというよりも座席の長さを左右で揃えるためのスペーサーなのでしょう。窓が多い車内だけに、そのスペーサーも含めて濃いベージュが非常に目立っています。ベージュの上には禁煙という言葉も踊っており、適度な文字のサイズにも関わらず赤色がベージュよりも目立たない事態になっています。いや、赤色ででかでかと禁煙と書かれていたらそれこそ泣く子も黙る勢いで引いてしまいますが(^^;;;、とにかく勢いのあるベージュです。

 
車端部です。こちらは優先席がある方も載せてみました。左の画像が取手方の車両の車端部、右の画像が下館方の車両の車端部になります。先ほどよりもベージュが落ち着きを取り戻し、決して1つ1つが大きいわけでは無いですが窓の多さが目立ちます。また、戸袋を兼ねていない妻窓の下にはちょっとした箱が置いてあります。今度は片方だけなのでスペーサーでは無いと思います。個人的にはこの雰囲気からどことなく東京メトロの5000系を思い浮かべてしまうわけですが、昔の営団地下鉄を題材にした映画を撮る時に一役買う日は…果たしてくるのでしょうか(^^;;;

 
左の画像は緩やかな弧を描く天井周り、右の画像は冷房装置です。冷房装置は後から設置されたため、車内何ヶ所かに渡って分散されて設置されています。それを車内全体に行き渡らせる役割を持つのが扇風機ですが、オフシーズンは画像のようにカバーがかけられています。このあたりの小さな配慮、なんとなく嬉しくなりませんか?

ちなみに冷房装置の下の網棚については「網」が貼られておらず、ステッカーで「物を載せることができません」といった主旨の案内をしています。どうか慌てて乗って重たかったワインを網棚に載せた瞬間・・・ということがありませんように(^^;;


床です。サービス向上が目に見える天井とは異なり、ここは少々齢を隠し切れていないようです。灰色一色です。

 
ドア周りです。右の画像はLED表示器のアップになります。少し文字が切れてしまいすみません。
LED表示器はワンマン化が行われた時に設けられた物で、行き先や次駅案内などが表示されます。下には路線図がついているのでシンプルな案内のみでもだいぶ便利になっていると思います。
そしてドア周りです。キハ300形などと同じくドアの前は緩やかな傾斜がつけられていますが、それ以外はごくごく普通な仕様になります。外吊り扉にはなっていないので、初めて乗る人も「おおっドアが外側に!!」とビックリ仰天することは無いと思います。で、注目はその両隣の戸袋窓。側窓にあわせるかのように、真ん中にも一本横棒を通して2段窓風のフレームになっています。外観では1枚窓なのですが、中は2段窓風で統一したかったのでしょう。改造時の洒落た心意気に乾杯。


座席です。まずはドア〜ドア間の座席から。クリーム色の穴あき鉄板とシンプルな袖仕切り、そしてその上には蘇芳色のモケットの座席がのっています。取手駅で乗り換えることができた415系の中にはこの色のモケットがあったものの、あちらよりもほんの僅か奥行き浅めにとられているのは通勤を視野に入れた作りだからでしょうか。
10人ほどが座れる座席になっています。


車端部の座席です。だいたい6人掛けになります。
座席下、真ん中に見える窪みにはヒーターが入っています。バスによく使われるもので、バス同様座席下におけるコンパクトさがウリです。取材時期が春だったために暖房は稼働していませんでしたが、果たして全ての座席に暖かさが行き渡るのでしょうか。

車端部でもう1コマ。こちらはヒーターの位置が奥にスタンバイ、さらに奥には機器スペースがあります。
見た目通り定員通りで座ると窮屈そうですし、一番手前の座席は座席の隣の白い配管がうっとうしく感じるかもしれません。でも空いていたら奥の座席は居心地良さそうですね(^^;;;


乗務員室は両側とも3人掛けです。ここも配管によって窮屈になる分を補う「ゆとり」のスペースがチラホラとあります。
直線的ながら角を斜めに切った機器スペースとは違い直線的な構成が印象に残る座席ですが、座り心地もまさに直球ストレート、中の詰め物もスカスカになっておらず「大事に使っていそう」というイメージを素直に受けました。
背もたれと座面の交じり具合が限りなく直角だったので、背もたれのボリュームがもうちょっとあって、直角を回避してもよかったかもしれませんが、それによって昔ながらの関鉄の座り心地や雰囲気が失われるのであればこのままの方がずっといいな、と思います。余所者の余計なヒトコトでした。


優先席は小さなステッカーと紫のモケットでしっかり決めています。各車両の下館寄り、下り進行方向左側の座席が該当するようにセットされており、車両によって優先席の割り当て人数が異なっています。画像は取手方の車両の優先席で、車端部いっぱい、長めに設けられています。

そしてこちらが下館方の優先席です。人数的には先ほどのだいたい半分くらいの方しか座れません。
位置を揃えるか、同じ人数を確保するかは実に悩ましく難しいところでありますが、関鉄の答えは位置へのこだわりでした。取手で接続するJRや東京メトロの車両はどちらかというと「人数」にも「位置」にもさほどこだわっていないような気がしますが(^^;; どちらかというと関鉄線とは違う答えを持っていると思います。この車両が活躍している段階で優先席の考え方が変わるか否か、その行方も気になるところです。
 
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