鹿児島市交通局  7500形
 
  鹿児島市交通局はコンスタントに超低床車を導入している感じがしますが、2017年、早くも3代目が登場しました。今回は2車体連接車で7000形よりもスッキリした見た目が特徴です(^^;; ブラックフェイスがキリッと決まった黄色い車体もどことなくサイバーな雰囲気そのものですが、従来車と並ぶと…あれれ、自然と湧いてくる傾斜からの親近感(^^;;
進行方向先頭車両、後方車両双方の左側前方に扉が配置されるような構成になり、さしずめ中乗前降といった運用です。
今回は窓が引き違い式になった2019年増備車の編成を中心にお届けしますが、この細かい仕様変更も鹿児島市交通局の特徴…かもしれません。そう、更なる仕様変更が起こるかどうかは神のみぞ…(^^;;
(取材・撮影 鹿児島市交通局2系統・鹿児島駅前 他)

 

 

 


車内全景です。7000形とはまたちょっと趣を変えて、モノトーンの中にコバルトブルーとでも呼ぶべき麗しの青色をアクセントに用いた車内に仕上げました。外観同様サイバーでキリッとした印象を抱きますが、ある意味飽きない車内かもしれません。
画像右側、入口ドアの奥にはデッドスペースが見られますが、クッションを巻いたりICカードリーダーを置いたりするなど、程良く上手く活用している印象です。それにしても…超低床車の導入を期にクロスシートを導入する路面電車事業者もありますが、鹿児島市交通局は3代続けてオールロングシートの超低床車を導入しています。初代でもある1000形の頃は立席の確保に相当悩んだような形跡もありますが、7500形では1000形よりも座席を8人分増えたとのこと。数も増えて少しずつ乗り慣れてきているのでは…と思う部分もあります。
リトルダンサータイプXを採用しています。


連接部分です。こちらもアクセントにコバルトブルーを用いています。一言でまとめるなら…超格好良い佇まいです。それだけに頭上の監視カメラの告知はもっとサイバーで格好良いものを見たかったものです。デザインがもっと理解され、工夫される世の中になったら、こういうのはお役所仕事と呼ばれるんだろうなぁ…とブーメランを投げてみます(^^;;
7000形よりも出っ張りポイントを下げたことにより、空間の広がりをより感じられる妻面に仕上がっています。ただ、座席と妻面の相性はイマイチで、橋の席に座ると7000形よりも狭く感じます。


乗務員室との仕切りです。乗務員室の後ろは車椅子スペース、左側は出口になります。
ここにはアクセントのコバルトブルーは分厚い袖仕切りで一旦登板終了、あとは白をベースに手堅くまとめた印象です。
乗務員室の配置はこれまでの超低床車とは異なる構成です。真ん中に乗務員席、その後ろに運賃箱を置いていますが、乗務員室そのものが全室構造からおおよそ半分になり、ツーステップ車の乗務員室を見ているような構成になりました。運賃箱の位置は進行方向前方の時も変わらないので、運賃収受の確認はちょっと大変そうです。
時計が省かれる中、液晶ディスプレイの下にデジタル時計があるのは嬉しい限りです。


車椅子スペースです。画像では間口が狭そうに感じますが、さほど実車ではそこまで狭く感じませんでした。
リコ式の吊革や数が多い降車ボタンについ注目してしまいそうですが、車椅子スペースそのものもクッション付きの握り棒や縦方向の握り棒、車椅子の固定器具やヒーターの吹き出し口など、小さい空間に懸命に詰め込んだ様子が伺えます。これまでの車椅子スペースほど扉と近くない分、使い勝手が気になります。


天井です。真ん中はツルンとして、両脇に冷房の吹き出し口、その外側にLEDの蛍光灯を配置しています。天井のベースは白色で、手すりは無塗装でなかなか落ち着いた天井周りになります。7000形が天井を色で塗り分け、照明を使い分けてだいぶこだわっていたのとは対照的なデザインです。そんな中リコ式の吊革は好評だったのか、この形式でも継続採用されています。この機構の吊革が未だに活躍しているところはここと京阪くらいでしょうか、珍しがって握るとその復帰力の強さに「おぉぉ〜」とつい声を上げてしまいます。


床は灰色の模様です。ドア周りは黄色いシートを貼っていますが、出口ドアが折り戸になったこともあり、黄色の面積は7000形よりも大きくなっています。

 
出口は折り戸、入口は片引き扉を採用したドア周りです。カクカクした窓が印象的で、特に片引き扉のデザインは鹿児島市交通局の超低床車ではお馴染み…否、リトルダンサーではよく見る縦長窓を基本にしたデザインに落ち着きました。入口のドア幅は7000形よりも若干狭まりましたが、それでもカードリーダーを両側に設けたのはさすがの配慮です。
ドアもそうですが、乗務員室まわりのレイアウトが大変だったのでは…というのがこの画像からもひしひしと伝わってきます。


側窓です。こちらは製造年によって窓の開閉方法が異なり、今回取材した左右の引き違い窓の他に、内側に折れるタイプの窓もあります。内側に折れるタイプの窓は若干フレームがゴツいです…(^^;
外から見ているとカーテンを引くと窓周りの帯と色が同じように見えて、一つの流れのようなデザインだなぁ…と感心するのですが、戸袋部分をご覧のとおり、単に緑の着色ガラスを用いています(^^;;


床の斜めがひしひしと伝わってくる座席、まずは4人掛けです。
デッドスペースと厚めの袖仕切りの間に2人掛けのロングシートを2席ずつ設けています。各席から何らかの形の手すりにつかまれるのは嬉しいと思う反面、見た目以上に座席が小ぶりに見えるので、果たして定員着席がうまいことできているかどうかは気になります。
座るとそんなに型にはまるような感じはしませんが、1人ずつ区分けされた座席を採用しています。1000形で採用された片持ち式の座席はどこへやら、とはいえ中に何が詰まっているかが気になる座面下です。

 
反対側は車椅子スペースがないことから、乗務員室側から2人・4人・3人で区切った9人掛けロングシートで、連接台車側の2席が優先席としてモケットの色を変えています。2両とも座席は4人掛け・9人掛けの2種類になります。
優先席は他の超低床車に合わせて2席設定したと思うのですが、仕切りの関係もあり、ちょっと中途半端な設定に見えてしまいます…(^^;; この手の車両で誰もが座りやすい席…というとなかなか難しいところですが、反対側の4人掛け、入口ドアに近い2席の方が床の斜めも含めて座りやすいと思います。
妻面には無いですが、仕切りにはモケットを貼って当たった時にヒンヤリしないような配慮もされています。なぜ斜めにカットしたか理解に苦しむデザインですが、妻面に合わせた形状のようです。きちっと水平を確保すれば肘掛けにもなったのですが…「仕切り」直しが必要との声、果たして上がりますでしょうか…?
 
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