鹿児島市交通局  1000形[3次車]
 
  2001年に導入され、翌年から営業運転を開始した1000形ユートラム。愛称のつけ方や初期故障、果てに契約まで色々と紆余曲折あったのは砂風呂に入ってすっかり忘れたい過去の思い出。2004年に登場した2次車では座席の改良等で車両定員を3名増やし、翌2005年に登場したのがこのコンテンツの3次車です。いずれも3両ずつの増備ですが、鹿児島市交通局の超低床車導入ペースには目を見張るものがあります。
外観の特徴がこの一歩車体中央に後退した入口の側ドアです。このドアの位置をずらすことで混雑時の車内空間をより入りやすい動線にして、混雑緩和を計ろうとする作戦です。なかなか乗車位置が揃わないのは仕方が無いとして、この9両で1000形は終了、少し間を開けてユートラムU7000形に増備が移ってしまったのはちょっと気の毒かもしれません。そんなことどこ吹く風とばかりに、今日も健気に走っています。
(取材・撮影 鹿児島市交通局2系統・鹿児島駅前 他

 

 

 


車内全景です。国産超低床車のパイオニア、そしてローレル賞受賞作ということもあり、車内をこうして画像で見る限りはいたって大人しい、ちょっと天井が高いかなぁ…くらいの印象の車内かと思います。しかし、その正体は3車体の連接車。曲がるたびに運転席と客席の間のホロが顔を出す様子はなかなか新鮮で、ちょっと慣れるまでは珍しい動きをする昆虫を見ているような視線でジーっと眺めていました(^^;; 夜の取材でしたが、窓周りの黒いフレームと、それに付随した数々のステッカーがちょっとした近未来感を出しています。


運転席の車体との接合部分です。基本的には向かって左側に出口扉、右側に車椅子スペースを有しています。運転席の車体には乗客は立ち入らない作りはなかなか見事ですが、運転席の広いスペースはラッシュ時には複雑な気分で見ざるを得ません…。これ、客室から呼び止められると運転士さんは高い位置からの応対になるわけで、実際客室に下りた方が応対しやすそうに感じるのですが…どうでしょうか?
方向にや車両によってはLED表示器下の液晶ディスプレイが無い場合もあります。


車椅子スペースです。側窓にはよりかかれるようなクッションが備わっています。これは1000形ではいずれもみられる仕様ですが、1次車は登場時は折り畳みの座席でした。その下、シートベルトが2つ、降車ボタンもシートベルトの設置位置に合わせて2つ備わっています。2次車ではドア部分も含めて車椅子が最大4台止められることが売りでした。3次車でも4台…と行きたいところですが、ちょっとスペース的には厳しいものがありそうな気がします。これは柔軟にスペースが活用できますよ♪という意思表示…ということで考えたいと思います。

なお、窓に貼られたステッカーは運賃のご案内です。


天井です。フラットな天井には真ん中に握り棒を通し、左右に三角の握り手をぶら下げた吊革がスタンバイ。蛍光灯は左右に追いやっていますが、荷棚が無いことと明るめの配色で極端に暗い印象はありません。
定員があまり稼げないことが1次車の時点で議会の話題にも挙がっていましたが、立客にはできるだけ安心して過ごせるような配慮が見られるだけでなく、一部の吊革が跳ね上げ式を採用している点は特筆すべき部分かと思います。


床は明るめのグレー一色です。出入口は多少の傾斜、そして縁の部分には遠慮気味に黄色く塗って区別しています。

 
ドアです。2次車までの左右同じ位置のドアではなく、多少ずれて設置されています。故に座席と車椅子スペースの間に挟まったドアはこの3次車の大きな特徴になります。尤もドアのデザインは同時期の超低床車で見られるような縦に長い窓をカクカクさせながら片方に寄せるデザインで、このドアのデザインこそ超低床車の格好良い雰囲気づくりに一役買っているのではないでしょうか。落ち着いた木目の化粧板にこれでもか!と貼り紙が貼ってありますが、ドア窓に一切ないのは好感が持てます。


窓周りです。一部の窓は上に引き違い窓があります。降車ボタンは桟の他に引き違い窓の枠や窓の下辺に設けられたりしているなど、様々な位置に展開している印象です。うっかりよっかかって押さないように気を付けたいものです(^^;;

 
座席です。2次車に続いて背もたれはツルンとしたスタイル、座面にはバケットを意識したような縫込みが見られます。優先席は進行方向前方左側と後方右側です。
路面電車にしては厚い袖仕切りが印象的ですが、「かえるの傘」が設置されていることを考えるとこれくらいの厚みが欲しいなぁと思うところです。
片持ち式の座席は9人掛けで1次車に合わせた感じです。2人分の座面モケットを青色に変えて、優先席の扱いにしています。正直見た目ほど奥行きも深くなく、真っ平な背もたれにちょっと腰かけるくらいの座り心地ですが、乗り心地はまずまず良いと思います。台車からの直接の振動がないからでしょうか。乗った車両があまり飛ばさなかったからでしょうか。後年増備された別形式の超低床車は台車を座席に処理した区画もあるので、超低床車の乗り比べも楽しい鹿児島市電巡り、いかがですか?
 
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