JR西日本大糸線  キハ52形100番台
 
  この色、このドア、この窓に「おおっ!」と反応される方は老いも若きも多いのではないでしょうか。そんな大糸線の非電化区間で今日も頑張るのがキハ52。今回はその中から国鉄色に塗り替えられた100番台の115にスポットライトを当ててみようと思います。
1962年から65年の間に登場したのがキハ52の100番台。当時のディーゼルカーの決定版だったキハ20の2エンジン版に当たるのがキハ52で、その後期形になります。下回りはキハ58に遜色の無いスペックになり、それが買われて山岳路線を中心に投入され、キハ20が引退した後も「後継車がいない」などの理由でJR西日本、東日本で今なお現役。ここでも過疎化の影響が出ているようで(^^;とはいえ個人的にはちょっぴり嬉しい40年投手の活躍、これからもずっと頑張って欲しいものです。
(取材・撮影 JR大糸線/糸魚川)

 

 

 


車内全景をまずはどうぞ。2ドアでセミクロスシートの車内は吊革受けや座席などにレトロさを感じさせる逸品に仕上がっています。外観もそうですが、「これぞディーゼルカー!」という意気込みで乗られる旅行客も多いのでは?!
ただ、JR西日本化後大小様々なところに手が加えられており、冷房の設置やワンマン化、そして便所の撤去などが行われています。また、他の車両ではロングシートを1ボックス分延長したり、ボックスシートにヘッドレストカバーがつけられたりする「小加工」も行われています。そんな中で今回巡り合えた国鉄色のキハ52の115は原型に限りなく近い車内として推薦してもいいのではないでしょうか・・・? あ、でもそこまで言い切るとベテランのファンの方に怒られそう(^^;;;

 
車端部の様子です。えー・・・ここがワンマン化されていなくて、座席も便所もきちんとあれば原型にもっともっともっと近づけたのに… シーンと静まり返ったモノマネ王座決定戦のような雰囲気です。ということで、ワンマン化に伴い広場のような形になってしまいました。左の画像は座席があった南小谷側車端部、右の画像は便所などがあった糸魚川側車端部になります。
運賃箱収納スペースや運賃箱、冷房機器などが追加されているだけでなく、仕切りの窓の形状や側窓などの違いも表れていて、比較しているだけで結構楽しくなってきます。

なお、運賃箱はここ数年の間に取り替えられており、最新版の物になっています。


糸魚川側の車端部から運賃箱や料金表などをピックアップ。車番はプレートではなく直接壁にレタリングされています。そして窓には乗務員の名前を差し込むプレート受けがあり、さらにその手前にはパンフレットが。無人駅の多い大糸線の非電化区間、駅を乱雑にしないで情報を伝えようという意欲が見えてきます。

しかしながら・・・箒と塵取り、すごく良い味出してます(^^;;


もう一つだけワンマン機器。ごみ箱!・・・じゃなくって、整理券発行機です。
床からにょきっと生えているだけでなく、無駄に頑丈なプロテクターがあるため、ものすごく頑丈に見えます。


天井をご覧いただきます。冷房が後付けになっている関係で広々と弧を描く天井、しかしそこにぶら下がる大きな物体、冷房装置が実に目障りです。冷房はあるに越した事はありませんが、もう少しスマートに設置できなかったのかなぁ…画像手前左側にある緑色の物体がそれで、左右2台ずつ設置されています。
そして頼りになりそうなのが扇風機、こちらは手動でスイッチのオンオフができます。そしてその周りには蛍光灯。まばらな設置感覚が通勤電車とは違って新鮮に映ります。


扇風機のスイッチ、そしてそのスイッチの文字を拡大してみました。扇風機本体への線がビローっと出ているのが何とも言えませんが(^^;少しレトロな香りのする文字には一目惚れ。作り物ではない、本物のレトロがここにはあります。


床の様子ですが・・・もうドア付近は色々な色が使われていてまるでひっちゃかめっちゃか。
とりあえず通路に該当する部分はクリームに、座席周りに該当する部分にはベージュにしたかったのかと思いますが、補修の度に別の色の床が混ざり・・・今はかれこれ4、5色ぐらいあるのではないでしょうか。100番台からは床の点検蓋がなくなったので比較的スマート…なんですけどね(^^;

 
ドア周りの様子です。もうすでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このドアがキハ52、特に115の「魅力」ではないかと勝手に思っているわけですが…ざっと見ていくとまずは鋼製塗りドア(薄緑色に塗装され、化粧板も貼られていないドア。現在JRでは115系などごくごく一部でしか見られない)、次にプレスドア(上の窓の下の部分にプレスされた後が残っているドア。JRではキハ52が最後の砦か?)そして・・・ステップ部分の明りとり窓(下の横長の窓。ステップ部分を明るく照らすための配慮として、キハ52を含むキハ20系列までのディーゼルカーで採用されました。その後埋められるなどして、JR西日本で残っているのはこの車両のみ。・・・その割には中途半端な写り具合ですが(^^;;; )といった具合です。

とりあえずこれを見てここまでガーっと興奮するのは自分くらいなものですが(^^;;

なお、右の画像の通り半自動ドアになっています。


窓は2段窓で上段、下段とも開くようになっています。そして網棚は金網が使われています。冷房装置の下の網棚は撤去されてしまっているので大荷物を持った時に勢い良く「座席確保レース」が催される際には要注意です。
(もっとも進行方向後方の車端部を活用すれば問題無いのですが・・・)

 
その窓枠、下の部分にはテーブルが備わっています。すごく幅の狭いテーブルで、飲み物が精一杯というところでしょうか。ただその傍らにはセンヌキが設けられており、ちょっと「おおっ!」と思ってしまう実用派アクセサリーになっています。
また、その下には灰皿もあったようですが今は撤去されています。
木の上から薄緑を塗ったような感覚のテーブルですが、やはり近郊型電車のテーブルと比べて幅が狭く、長いというのが気になります。これは推測ですが、クロスシートの窓側の足元が暖房配管の関係で狭く、近郊型電車のテーブルを置くと足をぶつけやすいという問題が生じる恐れがあると判断したのかもしれません。また、キハ10系列からの「標準デザイン」として何の迷いもなく採用されたのかもしれません。乗車時間が短い大糸線の非電化区間であればこれでも満足ですが、臨時列車などで長距離運用に入るとなるとちょっと使い勝手を悪く感じてしまうかもしれません。

いや、でもつべこべ言いましたが、テーブルを変えることなく「このまんま」が一番である事。うん、こうでなくっちゃ。


座席です。まずはロングシートから。2人掛けで戸袋窓の部分に4箇所設置されています。うち2箇所は茶色のモケットに白のヒーター。座面が高く、全体的にカクカクした感じ。何よりも狭そうな雰囲気が出ているのが気になります。座面の中も少しくたびれていますが時々乗る分には「あ、こんな座席もありなんだ・・・」と世界遺産に触れる気分で味わってみるのはいかがっすか?


4箇所のロングシートのうち2箇所は優先座席モケット。こげ茶ベースのモケットで、車内の雰囲気に合わせて優先席モケットを2種類用意しているJR西日本はなかなか几帳面だと思います。良い事です。
この角度からこの座席を見ると背もたれと座面の関係が気になります。ちょっと背もたれ短め・・・かな?


なお、区画よってはモロに整理券発行機が足元に来てしまうロングシートも存在しています。この設備にして「優先座席」・・・なかなかやっつけ仕事的な一面を持っているのもこれまたJR西日本。いや、やっつけ仕事では無いですよね・・・なんてったって2人掛けのロングシートを1人掛けに見せる「技」ですから・・・ちちんぷいぷい!


ということでキハ52の☆印、クロスシート部分になります。ドア〜ドア間のみの設置で、全て4人1組の固定クロスになります。
こちらがロングシートとの接点。灰皿の跡の部分からもわかりますが、塗装の厚みはこの車両の歴史、ひしひしと感じられます。また、その塗装自体も周りの色と合っているのも嬉しいです。

 
クロスシート、中に入っていきます。フレームそのものは背もたれと座面が分離しているもので、心なしか座面の位置がロングシートよりも低い気がします。こげ茶の肘掛は通路側のみの設置、そして半月状の手すりもあります。

先ほどテーブルの部分でもちらっと触れましたが、窓側の座席はすぐ下に暖房用の配管が通っています。このため、景色は良く見えたり、帽子掛けや扇風機スイッチが近くにある大きな代償として足元が狭くなっています。特にボックスが埋まってしまっている時は片足を載せないと…といった具合になってしまいます。
キハ10系列よりも足元が広いと評されていた20系列。とはいえ今の近郊型電車やディーゼルカーに乗り慣れていると、少し戸惑ってしまうかもしれません。


別角度からもどうぞー。配管とテーブル、座席の関係をもう一度チェック。


最後に乗務員室付近の画像を。デフロスターの存在も要注目。キハ52の顔によく似合うアクセサリーのひとつではないでしょうか。画像ではちょうど平岩行きの列車とのすれ違い。糸魚川まで大雨の中あともう少しです。
 
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