JR西日本  キハ181系
 
  堂々とした姿が闇を切り裂き、静かな浜坂の駅に滑り込みます。ある夏の日の特急「はまかぜ5号」です。さて、1968年に勾配線区の走行にも十分耐えうる性能を誇ったディーゼルカー、キハ181系が登場します。「やくも」を初めとした山陰路のスターとして、また四国全土においてもその性能を発揮しますが、次々と登場する新性能ディーゼルカーに役目を譲り、気がつけば現在この車輌の舞台は「はまかぜ」など極僅かになっています。しかしながらJR西日本カラーに塗装を変えたものの、今なお力強いエンジン音は健在。中には山陽本線の大阪〜姫路間を爆走する姿に「燃える」方もいらっしゃるとか。わかります、その気持ちw
近年は臨時列車として新たな活躍を見せるなど、今後の展開に目が放せません。
(撮影・取材:JR山陰本線・浜坂〜鳥取駅)
*一部画像で広角レンズを使用しています。

 

 

 


普通車の様子です。なんだか連絡線のように無限に座席が広がっているように見えますが、ただただガラスに反射しているだけです(^^;; 2+2列で、JR化後座席が変わったようです、リクライニングシートが並んでいます。
外観の「西日本標準色」とでもいいましょうか、青と茶をメインに寒色系でまとめられています。


ちょっと車端部の方に迫ってみましょう。ちょっと捲れた枕カバーが走行時間の長さを物語っています。
貫通扉は大きく縦長にとられた青色の着色ガラスを使用しており、この車内の大きなインパクトになっています。
遠くから見ると非常に洒落たドアなのですが・・・実はこのドア、手動です(^^;;

手動のドアといい、機能的に必要最低限の設備でまとめられた妻面といい、この殺風景さが国鉄型の魅力でもあります。
ちなみに・・・自分、写っていますね(><)


床の方を見てみます。茶系の柄がプリントされており、フットラインなどは特にありません。
座席の肘掛けや袖仕切りともマッチしています。
視覚的には遠くへの広がりを感じますが、それと同時に長閑な風景にポツンとある食堂の床を彷彿とさせるものがあります。
・・・午後4時にして「江ノ島丼」を食べさせてくれた海の見える「食堂」、また行きたいなぁ・・・


天井を今回はちょっと変わった切り取り方でお届けしています。
カクッとしたカバーに覆われた蛍光灯やその間に並ぶ冷房機、そして清潔感バリバリの白一色の天井は国鉄特急の雰囲気そのものです。その下には荷物棚があって、こちらもパイプが通っているだけ。座席や床とは違って、天井はあまり改良が加えられていない、というよりも改良のしようが無いと言った方が良いのかもしれません。


ここで座席の登場です。手前がリクライニング全開状態です。
モケットは中央部に青、両端に濃い目の紫を使用しており、焦げ茶の肘掛け、クリームのそで体のおかげでクール・・・というよりもまったり渋めな雰囲気が漂いますね。
座り心地自体背もたれも程ほどにフィットし、疲れをあまり感じさせないものでした。ただ、窓側の席は配管の関係で足元にだいぶ制約があります。気動車ならでは・・・とその手にはまっている方は感動されますが、一般のお客さんにしてみるとただただ邪魔なだけですね。


車端部は背面のテーブルが使えない関係でこのように細長い固定テーブルが設けられています。
クリームで統一されているというのもあると思うのですが、それなりの圧迫感があるのは仕方が無いことです。
配管はここではフットレストの役割を果たし・・・ません、足を長時間置くのがしんどいくらい熱くなっている事もあるので(^^;


ただ車端部の楽しみは残っていました。JNR印の温度計です。夏場に乗ったのでちょっと温度高めですね。
化粧板のナナメ模様と併せてどうぞ。
冷水機といい、こういうアンティークな逸品に「萌へ」を感じる今日この頃です。

この種の温度計、思った以上に様々な国鉄型車輌で見かけますが、まさか渋谷の東急ハンズにて1500円で売っているのを見かけたときには「ここは本当に渋谷か?!」なんてオドロキの余りに思わず外に飛び出して渋谷の空気を吸ったりしてしまいました。勿論期間限定企画で、JRや東急の車輌部品を中心に「部屋のインテリアにいかが?」というハンズらしぃ主旨だったんですけどね・・・。

・・・思わずオハ14のJNR印温度計、1500円で買ってしまいました。お金ないのに・・・・・・(^^;;;;


ちょっとデッキに出てみましょう。
左側には洗面所が、右側には普通車の扉がどかんと鎮座しています。その右にはトイレが設けられており、トイレなどと客室の間に扉があるといった構成です。
こうやって見てみると明らかに普通車の「青いガラス」が目立っていることが伺えますが、その一方で洗面所もデッキ同様アイボリーを基本に構成していることがおわかりいただける事かと思います。

通路にちょっとした鏡があるのは下車時に重宝しそうで、親切ですね。


洗面台です。左で温度調節、右のペダルを押すとお湯なり水がどひゃっと出てくる構造です。
随分とコンパクトに、かつ直線的にまとめられています。


恐らくデッキで撮影したものだと思うのですが・・・相方と別れてやる事を失ってしまった哀愁さえ感じないくらい周りの雰囲気にしっかり溶け込んでいる紙コップホルダーです。


さて、肘掛けに白い布が掛かっている、ちょっとVIPな空間の目の前に立ってみました。

車掌さんの許可を頂いて、私みたいなビンボーな野郎が(今は「土日きっぷ」など10代の方がG席に座ることはたやすい時代になりつつありますが、10代のオタクがG車でふんぞりかえるなんて・・・自分はそんなコトとても出来ません)空いているコトをイイコトに、普段は潜入できないであろうグリーン車にもちょこっと入らせて頂く事ができました。

普通車とは明らかにオーラが違うグリーン車と書かれた折戸は、ドア開閉の際の力の軽減と共に開け閉めの際の静粛さを引き戸よりも保つ事ができます。


しばしVIPな、重々しい空間をご堪能ください・・・。1両丸ごとグリーン車です。
真紅のタイル模様の床に普通車とはまるで違う横引きのカーテン、そして一回りも二回りも大きく見え、深々とリクライニングできる座席には国鉄時代とはちょっぴり違うであろう重厚さをひしひしと感じる事ができます。
シートは国鉄時代から長らくご活躍中のシートで、国鉄時代はお約束の赤にクリームなどの縦じまが入ったものだったと思われます。設備的にも、座席的にも「くたびれ」mode.に突入してはいますが、一度大阪から鳥取までこのグリーン席で揺られたいですね。


はい、鳥取に到着しました。デッキを明るく照らす電球に思いやりを感じてしまいました。
この優しいキモチ、いつまでも元気に走って、なんとか頑張って欲しいなぁ・・・。
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