JR西日本  521系[2次車]
 
  平成21年から導入が進んでいる521系。北陸本線では福井・石川・富山県内の顔としてすっかり定着しました。
特に敦賀から小松にかけてのローカル列車はこの車両に統一されており、18きっぷの乗り通しの記事などでも自然に登場するようになりました。上記区間の中にはまだレアだったころに投入された1次車も走っていますが、今回はJR西日本が自前で投入した2次車を中心に取材しました。
今後北陸新幹線の開業に伴い、在来線の線路網が大きく変化をする中で、この車両の第3セクターへの譲渡があるかどうか、そして準備は済んでいるものの実施に踏み込めていないワンマン運転がスタートするのか、3次車の投入は何編成になるのか、しばらくは動きが慌ただしくなりそうです。
(取材・撮影 JR北陸本線・福井)

 

 

 


車内全景です。3ドアで基本は転換クロスシートの展開です。敦賀で連絡するアーバンネットワークの新快速と同水準の車両を作りたいという製作意図がはっきりと伝わる車内です。つまり、新快速の米原乗り換えなどと同じ理屈で、座れば天国、立てば…(ry 3両編成から2両編成に減った中で、特に導入当初は顕著にその理屈が通ってしまう部分みられましたが、それは今もあまり変わっていないように思えます。

 
乗務員室との仕切り周りです。運賃表示機は稼働していません。引き戸を右に引いて運賃箱を貫通路の部分に出すとワンマン運転もできるようになります。ツーマン運転時に運賃箱が見えてしまう車両が多い中、新車ということもあり、そのあたりの整然としたレイアウトには感心します。
右の画像は優先座席周りの仕切りです。違いは緑の表示が若干目立つ程度で、吊革が先頭まで伸びているのも同じです。レールと垂直方向の吊革が無いので運賃表示機が見やすいのはgood。


車端部です。JR西日本らしさが最も表れている部分ではないでしょうか。貫通扉に戸袋窓、そしてロングシートが展開しています。消火器と非常ボタンの間にL字の握り棒がありますが、その部分のL字握り棒の設置は珍しいですし、貫通扉を開けるときに体を支える大事な握り棒になります。黄色がいやというほど目立つ車内ですが、車端部の黄色は割と化粧板の色に馴染んでいると思います。一方、馴染みすぎて見過ごしそうなのが非常ボタン。広告枠と一体にするよりも、広告枠よりも若干出っ張って設置した方がわかりやすそうです…


米原方先頭車の富山方、つまり2両編成の中間部分にはトイレと車椅子スペースが設置されています。ここまで握り棒の多い車内において、トイレ前の壁がツルンとしていて物足りない気がしますが、トイレ周りは補助椅子がなく、クロスシートの背後も整理券発行機が鎮座しており、車椅子スペースも握り棒が設置されていることから、立席の方が腰を落ち着かせられるようなクッション類が一切ないのが残念で、短距離客の利用もそれなりにある北陸本線の運用だからこそ、トイレ前の壁に設けて欲しいものです。片側だけであればワンマン運転時の動線にもさほど影響しませんが…いかが?


トイレです。地味なピクトグラムはJR西日本ならでは。ボタンの小ささと目立たなさが気になりますが、この位置につけたのは誰でも押しやすく、良い工夫です。

車椅子スペースです。通路も兼ねており、正直ここに車椅子を置くとちょっと通りにくそうです。
握り棒がだいぶ整っており、ヒーターも完備。ここは消火器も非常ボタンも出っ張っており、なかなか目立っています。消火器のカバーをより大きく透明にすれば中に何が入っているかわかりそうなものですが、それをわざわざイラストで表記しているのが面白いです。


天井です。新型車両だからこそ、蛍光灯カバーも含めてスッキリとした仕上がりになっています。
この二次車で特筆すべき点が吊革の改良になります。個数も増え、握る部分の径も太くなりました。とはいえ、中吊り広告の関係で通路よりも若干座席にかかった部分に設置されている点については若干異議ありで、身長によっては立って吊革を握っている人の立ち位置が若干座席に斜めにかかってしまうことが想定され、座っている人にとってみたら視界に入って落ち着きません。吊革のバンドの長さをこれ以上長くすることができないとしたら、中吊り広告があまり無い北陸本線だからこそ、中吊りを2連から1連に変えて、数を増やした上でもう少し通路寄りに吊革を設置して欲しかったものです。


床はベージュ系のツートンカラー。このあたりのつくりはJR西日本ではよく見られます。

 
ドア周りです。左の画像はLED表示機無しの区画、右の画像がLED表示機ありの区画になります。LED表示機は千鳥配置で、遠くから見るとさすがに吊革が邪魔して見難くなってしまいます。
雪が降るから…ということではないですが、ドア下には黄色のマットが設けられ、ゆびづめ注意用のシールもドア本体の縁に貼られています。また、ドア脇の握り棒も短く、握りやすいものに変更されています。注意喚起のシールの黄色と同じ色になってしまっているのは「握ってもいいけど指づめ注意だよ!」と暗に示しているのでしょうか。
ドア周りには割と余裕があります。

 
LED表示機表示機です。鴨居部分の広告枠を活かしたいという思惑が見え隠れしますが、字が小さいのは一向に直りません。停車駅や次駅案内などが流れます。今後ワンマン運転が始まったら…という仮定ですが、座っている人が次駅が気になる時には運賃表示機を見た方がわかりやすいかもしれません。

 
ドア周りのドア開閉ボタンです。室内、車内、室内で挟んでみました。広告枠の有無が室内での差になりますが、機能的には同じものになります。JR西日本らしいデザインですっきりまとめています。ただ、点字が車内に貼られていて車外に無いのはちょっと不親切です。「駅員が開けるから必要ない」ということでしょうか。


窓周りです。新車なので当然と言ってしまえば当然ですが、横の桟が入らないだけでこうも見え方が違うのか!という素敵な仕上がりです。一部2段窓の新快速から乗り継いでも窓周りに当たり外れが無い上に、新快速同様長距離客にとっては窓枠に物が置けるのが嬉しいですね。

 
ドア〜ドア間の座席は転換クロスシートを中心としたクロスシート構成で、2人1組の座席が左右ドア〜ドア間で5列ずつ並んでいます。ドア側は固定で、整理券発行機や補助椅子が設置されています。余計なお世話ですが、整理券発行機のテーブルは整理券発行機の大きさよりもだいぶ大きい感じで、この部分にも空き缶をはじめとするゴミが置かれないかどうかが心配です…。

4人1組のクロスシート区画が以前よりも減ったので、通勤・通学時間帯に「知らない人に囲まれて座りたくない…」という人には利用しやすくなったのではないでしょうか。


相変わらずの転換クロスシートですが、握り棒が黄色になりました。個人的には黄色が周りよりも浮いていて違和感以外の何物でもありませんが、注意喚起の意味を込めて黄色に塗っているので戦略としては大成功!ということになります。
硬め基調の座面は平らで、沈み込む量が足りません。223系でも見られる現象なので着座位置が気になって仕方が無い長距離客は富山から兵庫県まで2府4県をもやもやしながら進むことになります。


ドアに近い席は仕切りも兼ねて固定クロスシートになります。見た目は転換クロスシートと変わらず、窓際のスペーサーが固定クロスシートであることを物語っています。補助椅子を背中に抱えている手前仕方がないことですが、補助椅子の出し入れは意外と背中に響きます。座る人の動作が後ろから伝わることもあるので、ゆっくりくつろぎたい方は背面が整理券発行機になっている固定クロスシートを選んだ方が良いと思います。

 
米原方車両の優先座席転換クロスシートで、ヘッドレストカバーで優先座席だ!というのを表現しています。吊革・窓のシールでも分けているので、特にモケットまで変えなくても良いと判断したのでしょう。片や、富山方車両のロングシートは優先席柄のモケットで遠くから見てもわかりやすい作りになっています。個人的には転換クロスシートの優先座席モケットというのを見てみたいものです。

このロングシートは321系のものをベースにしているバケットシートで、2次車からは袖仕切りを大きくして内側にモケットを貼っています。安全対策の一環で袖仕切りを大きくした格好ですが、北陸を走る車両として、何か大事な対策を忘れているような…??
 
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