JR西日本  321系
 
  2005年12月、これまでの207系の雰囲気を継承しつつ、更に勇ましい車両が登場しました。321系、JR西日本の通勤電車です。
全て7両固定編成で、207系のような柔軟性はなくなっているものの、逆に7両固定編成が活躍する路線にとっては中間の運転台分車内スペースが広くなり、キレイな編成美とともに固定編成ならではのメリットになっています。
現在はJR京都線・神戸線の各駅停車や宝塚線の各駅停車を中心に運用されており、既にこれらの路線では目撃する機会も多いかと思います。また207系が足かけ15年に渡って製造されたことを考えると、この先もっとこの車両が増え、見る機会や投入路線が増えてもおかしくないような気がします。果たして、期待の新車の車内やいかに?!
(取材・撮影 JR京都・宝塚線/京都・三田〜新三田)

 

 

 


車内全景です。この車内に新車ならではの「新しさ」を覚えるか、今までの雰囲気を受け継いだだけと「安定感」を覚えるかは人それぞれ違ってくるような車内だと思います。4ドアロングシートという通勤電車ならではの構成です。
個人的にはこの車内には斬新さを感じました。その斬新さが使える物か否かはさておき、ちょっと近未来の通勤電車を絵に描いて、それをそっくりそのままカタチにするとこうなるのかな?という気がしました。ただ、近未来の通勤電車を描いた上でこの車内ができたのであれば、ちょっと近未来という箱を開くのに躊躇してしまいそうです。


乗務員室との仕切りです。若干赤みがかった化粧板を用い、モケットの青と色の感覚が合うよう工夫されています。全体的にカクカクした印象ながら、助手席側の窓を大きくして前面展望をしやすくしたり、消化器入れがわかりやすくなるなど、この部分についてはより快適へとつながる要素が垣間見られます。

 
車端部の様子です。左の画像は通常のモケット、右の画像は優先座席のモケットになります。雰囲気はそんなに変わらないですが、優先座席のモケットの方には、より乗り降りがラクになるようにと手すりがついています。
207系でそれまであった妻窓は今回なくなり、貫通扉も単純な無塗装の銀色になってしまいました。それでも平凡な貫通扉に仕上げないところがJR西日本クオリティです。

非常通報機は妻面の広告枠と一体的になりました。見た目がスッキリし、ピクトグラムが大きくなって見やすくなったという見方もありますが、個人的には広告枠と同じ枠の中に展開できるほど「軽い」物なのかなぁとつい疑問を呈したくなってしまいます。視覚的に一寸飛び出していてもおかしくはない大事な設備なのに、これでは広告によっては非常通報機の存在が埋没してしまいそうな気がします。成田エクスプレスのように赤と黒、白しか使わない大胆なデザインの広告を入れてみたい今日この頃です。

 
車椅子スペースは編成中一箇所、姫路・福知山方先頭車の車端部に設けられました。その車端部とともに車椅子スペースをご覧頂きます。大きなヒーターに注目しそうな中、個人的な注目ポイントは荷棚です。ドアの上辺よりも高い場所に設ければ大丈夫と踏んだのでしょう、結構高い位置についていますが、意外と需要は多そうな予感がします。
非常通報機は車椅子の方でも届くよう、独立したスタイルで側窓の隣に設けられています。


天井です。ラインフローファンを中央に据えて、液晶ディスプレイと中吊り広告を中央に配し、その両脇には蛍光灯と吊革が続きます。蛍光灯はカバーつきになっており、韓国での列車火災を受けて素材がこれまで使用していたものと異なっています。そのカバーの丸みが単調になりがちな平面の天井を柔らかく魅せています。

そして液晶ディスプレイです。反射して申し訳ないですが、一両3台ずつ、合計12画面が中吊り広告と同じ要領で設置されています。ドア上鴨居部分に設置する車両が多い中、この設置はちょっと珍しいです。
左の画面で列車に関する情報、右の画面はCMを流しています。左の画面はJR東日本の画面などと比べるとちょっと情報量が少ないかな、といった具合です。JR東日本の画面と同じフォーマットを使用していること、或いは7両固定編成という強みを活かして、次駅の階段・エレベーターなどの位置案内情報やドアが左右どちらに開くかなどを示しても良いのではないでしょうか。


床はシルバーやグレーを中心に構成しています。片持ち式の座席ということもあり、端の方までこだわりが見られます。


ドアです。ステッカーがやたら目立つのが気になりますが、鴨居部のLED表示器がなくなったことから、鴨居部と他の部分が一体になったデザインを作れるようになり、結果としてかなりスッキリし、周りとのバランスのとれたスタイルになっています。この部分に液晶ディスプレイを持ってこなかったのはある意味良い選択だったのかもしれません。
 
207系に続き、半自動ドアを採用しています。外側のボタンが左の画像、右の画像は室内のボタンです。外側の「あける」ボタンはシンプルで好感が持てます。個人的にはもう少しボタンが大きくても良いような気がします。
今回このボタンのお世話にはならなかったのですが、ボタンを使って乗り降りする機会に恵まれたときには液晶ディスプレイにも注目してみようと思います。果たしてボタンに関する表示は出るのでしょうか・・・?


側窓は気持ちの良い1枚窓です。カーテンも忘れずについており、このあたりの気配りはさすがです。


怒濤の座席ゾーンです。207系で培ったゆとりのあるロングシートとは対照的に、座面の奥行きを浅めに設定したバケットシートが設定されました。大阪環状線のような短距離路線ならまだしも、長距離路線でその設定はやや厳しいものがあります。
そして、今まで7人掛けだったところを6人掛けにしました。一つひとつの座席のゆとりを拡大した結果だそうですが、目に見える座席数の減少という問題が新たに発生するわけで、もしとことん6人掛けにこだわるのであれば、早いうちにそちらに統一してしまった方が良いと思います。いや、そんなの気にしないくらい・・・混まないのでしょうか?


車端部は4人掛け、ここの座席数は207系と変わりません。バケットの形状は各座席、座面の左右をぐいっと持ち上げる格好になっており、あまり形状としてはきつくは無いのですが底つき感が出てしまっています。その上、モケットが滑りやすいです。なんというか・・・保湿がたりていないカサカサ肌のような印象です(^^;;; 結果として、加減速によっては足のフンバリが必要になってくることも容易に想像できる、トホホな座席になってしまいました・・・。


優先座席、まずは6人掛けです。京都方先頭車で設定されている6人掛けはさながら「優先座席倍増ゾーン」と化しており、ピクトグラムのウネウネも他の優先座席よりもいっぱい見られます(^^;;;

そして、優先座席の4人掛けです。同じような色を通常のモケットでも使用していますが、ピクトグラムが加わるとインパクトが全然違います。青と赤のピクトグラムが時々トイレのマークになっています・・・なんて事はありません(^^;;;


最後に方々から話題に上がっているような気がしますが、使い方がよくわからない袖仕切りです。肘掛けの機能をなくして仕切りだけの機能を・・・と言いたいところですが、それとて担うのは湾曲した棒1本のみであり、正直なところ役不足であります・・・。一度CMでも良いのでJR西日本の方に座って頂いて、正しいこの袖仕切りの使い方を教えてもらいたいです。
せめてもの救いは背もたれのすぐそばにある板(^^;、その内側にさりげなくモケットが貼られている点です。207系でも袖仕切りの内側にモケットを貼っていましたが、この小さな部分を引き継げたのはくつろぎという点から考えて、かなり大きいと思います。


独特な袖仕切りの開発を諦めてしまい、次に作られる車両の袖仕切りは大きくて安っぽいプラスチックのような一枚板だけは出さないよう、心から願いたいところです。

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