JR西日本  115系[岡山地区・セミクロスシート車]
 
  転換クロスシートにカフェオレを連想させる塗装が大勢を占めるJR西日本の115系。でも、探せばまだまだいるモノです。ここは桐生?伊勢崎?いいえ、児島です。岡山地区で活躍する湘南色のD24編成の車内をご覧いただきます。
岡山地区の3両編成ということで、かなり広範囲で活躍しています。瀬戸大橋を渡る運用や、姫路で新快速電車と並ぶ運用もこなします。瀬戸大橋を爆走する姿、一度体験してみたいですね…。
115系も少しずつ廃車が進んでおり、この車両も先はそう長くないかもしれません。…というよりも、なぜこの姿でここまで残ったかが大変気になる今日この頃です。
(取材・撮影 JR宇野線・宇野 他)

 

 

 


車内全景です。3ドアセミクロスシートです。取材は平成27年11月、よくぞここまでこのアコモで西日本の地に残ったものです。床は張り替え、吊革を取り換え、モケットも変わっていますが…この化粧板、そしてドアや天井の雰囲気がレトロそのものです。冷房のついた車内で「レトロ」とは何事ぞ!と怒る方もいるかもしれませんが、かつて旧型国電のニスの効いた木の内装が消えていくのと同じように、薄緑色の化粧板もあっという間に減ってしまいました。この内装で唸るモーター音を堪能する秋の夜…宇野線では少々迫力不足でしたが、私の青春を思い出すには十分な心地良さです(^^;;


車端部です。トイレが無い車端部は3人掛けロングシート+固定クロスシートで統一されています。幅の狭い側窓も、薄緑の貫通扉も、折りたためる帽子掛けも見事に揃っています。加えて白いヘッドレストカバーが良い感じです。

トイレ付きの車端部です。宇野線の宇野方、山陽本線の広島方先頭車になります。優先座席は各車両姫路方に設置されていますが、中間車はドア〜ドア間、姫路方先頭車は乗務員室のすぐ後ろ、そして広島方先頭車はトイレの脇…と、各車両少しずつ変化をつけています(^^;; 濃い緑色の優先座席モケットと薄緑の化粧板という組み合わせ、意外と新鮮です。

トイレよりもSOSの方が目立っていますが(^^;; トイレもこのような国鉄スタイル。色のつぎはぎがなんともいえない風情ですが(^^;;JR西日本としては化粧板まできれいに張り替えたくなる気持ち、すごくよくわかります。

 
乗務員室との仕切りです。300番台ということもあり、運転席側の仕切り壁は張り出し、助手席側の壁は折り畳みができません。体質改善車ではここの座席が撤去されているケースもありますが、両側とも健在なのは嬉しいですね。一方、相変わらず前面展望とは無縁の高さの窓が鬱陶しくも感じますが(^^; 気にしない気にしない…。
姫路方先頭車はこの区画は優先座席になっていますが、あれ、モケットが…(^^;; また、所々床の蓋の色が先祖返りしてしまっていますが、こちらも気にしない気にしない…。


天井です。フラットではない天井はスポット空調、蛍光灯はまばらな間隔です。扇風機が無いのが若干物足りない感じですが、思えばJR西日本の115系で扇風機ってあまり見たことが無いかもしれません…。
また、吊革は換装されてしまっていますが配置位置は登場時から変化がありません。クロスシート部分はもとより岡山〜倉敷間の混雑区間でもドアの吊革無しで対応しています。清く正しき国鉄配置を見られる貴重な車両です。


床もきれいに貼りかわっています。ここが灰色の一色だったらテンション上がったのに!という方もいるかもしれません。かくいう私もこの違いにしばし戸惑ったものです(^^;; ドア前には滑り止め用のシートも貼っています。


ドア周りです。重たい半自動ドアです。取っ手を握って力入れてガラガラ…と開けて、閉じるときは完全に閉まらないアレです(^^;; 無塗装ステンレスは300番台なので仕方が無い部分ですが、それにしてもステッカーが随分増えていること…正直何に一番注意しなければいけないかが全くわかりません(^^;;

外から撮影しました。かつては何か他の文書が書かれていたようです。
 
取っ手です。窪みを握る形です。内が上、外が下で互い違いについています。ボタンを押すとドアが開く半自動ドアが良い…とはもう申しません、この体験も貴重だもの。


側窓です。汽車旅を満喫するにはちょっと残念ですが、下段窓は固定されてしまっています。それでも昔ながらの2段窓です。あと、ロールカーテンがよれよれなのでそこはさすがに何とかして欲しいものです…(^^;;

 
クロスシートから座席をたっぷりご案内。まずはドア〜ドア間のクロスシートを左の画像に、車端部のクロスシートを右の画像に載せてみました。300番台なので車端部も3人掛けが展開しています。座る人数が増えていることは嬉しい反面、クロスシートに4人で座るとさすがに狭いです…。
あと、取材後気が付いたのですが灰皿の跡が見当たりません。元々3両とも灰皿を設置していなかったことは考えにくいので、一度クロスシート背面の化粧板を貼りかえたのかもしれません。芸が細かい。

 
お馴染み固定クロスシートです。左の画像はドア〜ドア間のものを、右の画像は車端部のもので、妻面の座席は若干幅が短くなっています。フレームはそのままに、ヘッドレストカバーを設けて見た目グレードアップしています。
こちらもテーブル下の灰皿が省略されています。また、姫路方先頭車の車端部のクロスシートはなぜかテーブルも省略されています。テーブル、灰皿とも跡が無いのでこちらも撤去されてからキレイにリフォームしている物かと思われます。
背もたれと座面の間にモケットを貼るのもJR西日本の仕様。スプリングの効いた座り心地は今も健在です。

 
ロングシートは2人掛けと3人掛けの2種類を用意。まずはドア〜クロスシート間の座席を取り上げます。
ドアまでギリギリの横幅で設置した座席はヒーターの網目を交換しています。また、0番台の奥行きがあまりない仕様ではなく、ちょっと座面低め、奥行き深めのゆったり座れる座席を用意しています。それでも横幅的には窮屈そうですが…(^^;
焦げ茶色のモケット、落ち着きます。

 
広島方先頭車の2人掛けロングシートと3人掛けロングシートです。ドア脇の空間が僅かに広がったことと仕切りが隣にあるか壁が隣にあるか…程度の違いしかありませんが(^^;; 壁に面した横の握り棒が乗り降りの際には若干役に立つかもしれません。折り畳みができる仕切りは3人掛けの壁に面した部分にも袖仕切りがつきますが、300番台ではそこまでの配慮はありません。

 
優先座席もこのとおり2人掛けと3人掛けの2パターン用意されています。緑色のモケットはかつては見なかった柄で、確かに周りのモケットとの差別化は図れるし、ピクトグラムもキレイに見えるのでこれはこれでアリだなーと妙に納得しています。そうそう、窓側のステッカーとも同じ色になります。

トイレとドアの間に入った3人掛けのロングシートも優先座席柄です。余談ですが、縦長の開閉窓と隣の戸袋窓の並ぶ様子が昔からすごく好きで、片や大きい窓の戸袋、片や小さい窓の戸袋…なんてバランスが悪いんだろうと思うこともありました(^^;; JR西日本といえば戸袋窓を埋める名人ですが(^^; ここまできれいに残っているのが嬉しいです。

 
こちらは昔からお馴染みのこげ茶の優先座席柄です。なぜか姫路方先頭車にだけ残っているという…(^^;; この手のモケットは編成単位で揃えた方が良いのですが、わかれば良いんですわかれば(^^;;


そして、こげ茶の優先座席のドアを挟んだ反対側にはこのようなトラップも堂々とあります…。袖仕切りがそのまま残っているところが憎〜いですね。い、いちおう握り棒も設けてあります。


また、一部の車端部の網棚には非常用梯子が横たわっています。荷物を載せる際には確認した方が良いです。
岡山地区ではお馴染みの設備ですが、長年の重みで網棚がたるまないかどうかがやや心配です。



この空間に身を委ねる心地良さ。モーター音の響く車内はちょっと目を閉じれば昭和の世界。閉じた目は飛び跳ねるような乗り心地のせいで目をガバッと開きそうですが(^^;; 一度この車両で山陽本線を乗り通してみたいものです。
 
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