JR西日本  105系[紀勢本線3ドア車]
 
  和歌山県南部の紀勢本線は165系の撤退後、広島地区の宇部線や小野田線を見ているような短編成の105系に置き換わりました。
当初は4ドア車でしたが、その後岡山から3ドア車が転属、現在は紀伊田辺から新宮までのローカル輸送を担っています。和歌山から紀勢本線をたどると、運用によっては転換クロスシート→セミクロスシート→ロングシートとめまぐるしく仕様が変化していく仕掛けになっています(^^;; 風光明媚な区間をロングシートとはこれ如何に…という声が聞こえてきそうですが、通学輸送が主体の同区間においてはそれなりに根付いているようにも感じました。ガラガラのデータイムはロングシートをそれなりに活用したシュールな光景が広がっていましたので、それはそれで根付いているのではないでしょうか(^^;;;
(取材・撮影 JR紀勢本線・串本)

 

 

 


車内全景です。広い天井は非冷房時代の名残です。3ドアロングシートという構成はそのままに大幅なリフレッシュ更新を行っており、外観同様軽やかなイメージです。
紺色のモケットの他に茶色モケットの編成も混在しており、どちらが当たるかは運次第です。取材日も串本始発の新宮行は紺モケットだったのに対し、紀伊田辺行きは茶モケットでした。個人的には紺モケットの方がコントラストがはっきりしていて好きです。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が紀伊田辺方、右の画像が新宮方の仕切りです。どちらもツーマン時代にあったロングシートを撤去し、ワンマン設備を設置しています。大きく書かれた「運賃箱」の表記ですが、運賃箱は矢印の手前に設けられています。もう少し派手な色の運賃箱にすれば文字よりもわかりやすいと思うのですが…(^^;;;

両脇は立席スペースです。右側は荷棚っぽい仕上げになっていますが、あまり活用されている気配はありません。
もう少し上手な空間活用はできなかったのでしょうか。


運賃箱の奥は柵があって、乗務員さんは運賃収受の際にその通路を通って運賃箱にたどり着く仕組みです。
柵の高さは低いとはいえ、ちょっと物々しい印象も抱きます。この物々しい仕組みを「花道」と呼ぶか「アドベンチャーワールドのパンダ小屋」と呼ぶかは皆様にお任せします。


新宮方先頭車の車端部はノーマルなロングシートに落ち着いています。
妻面、片側は戸袋窓があり、もう片側は配電盤などの機器スペースとして壁になっています。で、戸袋窓の奥の車両は妻壁…だとしたら、戸袋窓は埋めても良かったかもしれません。貫通扉はワンマン車ならでは、窓の幅が広いタイプです。

さて、車端部につきものの優先座席ですが、この車両は新宮方の長いロングシートのうち数席分をあてがっています。従って優先座席の位置は各車両とも同じドアから入って同じ方向に向かえばたどりつくように工夫されています。工夫…なのか、たまたまそうなったのかはわかりませんが(^^;; 車端部、妻面の座席はこの車両の中でもそれなりの居住性を誇っていると思うので、個人的には動線も含めて嬉しい配慮です。


トイレと車椅子スペースがついた紀伊田辺方先頭車の車端部です。
車椅子スペースですよ、奥さん!和歌山地区でも4ドア車の105系や3ドア車でも広島地区の105系は車椅子スペースの代わりに引き続きロングシートを設け、トイレから出てきた人と目があっちゃう悲劇が起こってしまうわけですが…この105系にはその心配は一切ありません!!

その車椅子スペースです。ヒーターと握り棒だけとやや寂しい布陣ですが、2段窓をやめてスッキリした側窓、そして網棚が無い分活用できそうなヒーター上の荷物載せがポイントです。昼間は終始海が眺められる側窓なので、景色に不足はないでしょう。
…そして、立席スペースとして吊革が一切ありません。運賃箱の収受を行うのであれば車内の移動は容易に想像できるわけで、トイレの壁沿いに握り棒をつけても良かったかもしれません。

そのツルペッタンな壁が印象的?!なトイレです。
大型の立派なトイレがつきました。ここのトイレと仙石線のトイレに関しては「深いいハナシ」が今後も語り継がれることでしょう。ただ、後者は無い物をつけた単純なエピソードですが、前者はあったものがなくなり、また…というややこしいハナシになってしまいますが(^^; とはいえ、あるのと無いのとでは大きな違い。純粋にここは感謝です。

 
天井です。右の画像は回転中の(^^;;扇風機になります。側壁につけられたスイッチを押すと回りだす手動制御で、ちょっと頼りない冷房を補うのには十分です。それにしても、台座がついている扇風機はあまり見たことがありませんが…これも改造時に「扇風機の位置をもう少し低く!」という配慮なのでしょうか?

蛍光灯は剥き出しの物が一定の間隔で設置されています。


床です。リニューアル時に一新、JR西日本ではお馴染みのベージュ柄になりました。


ドア周りです。無塗装の両開きドアは115系などの近郊型車両のドアよりも裾絞りが無い分若干スリムな印象です。
一方で鴨居部分は大きなカバーが設置されており、なんとも言えないアンバランスな雰囲気を作っています。211系のようなスリムな鴨居部分が恋しくなります。
その手持ち無沙汰な鴨居部分には特に広告などは入っていません。広島地区の115系のように「整理券をお取りください」などデカデカと書かれていないので何もないのも好印象に映ります。

ドアは半自動なので、後年スイッチが設置されています。画像左側が外側、右側が内側です。車内側の画像はトイレ前の壁に設置されたボタンをピックアップしたのでスッキリした見付ですが、他の部分はニョキッと配線が鴨居部に伸びた、上の画像のような細長い形態になっています。取り付け位置がちょっと高めなのが気になりますが、手で開けていた頃よりはずっと使いやすくなっています。
一応車外側の画像に手掛けもつけましたが、ドアの重さに対して取っ手の縦の長さが短く、さぞ握りづらかっただろうなぁと思えてきます。


座席周り、まずはドア〜ドア間です。ざっと10人掛けといったところでしょうか。
良くも悪くも近郊型標準形態のロングシートで、当初紀勢本線に投入されていた4ドア車とは座席の奥行きに若干の違いがあります。こちらの方が奥行きが深めにセッティングされています。置き換えの小さな恩恵です。

一度モケットを張り替えていることもあり、袖仕切りやヒーターのシンプルかつ懐かしささえ漂うスタイルに対して座席のくたびれ具合があまり感じられなかったのは嬉しい点です。


一部ロングシートは新宮側の3人分が優先座席に指定されています。例によってピクトグラム満載の派手なモケットに変更されています。こうして比較してみるとベースになっている紺も通常モケットより濃いめの物が用意されているのがよくわかります。ピクトグラムをうまく引き出す役目をしっかり果たしています。

…何か一つだけポーズが変だとか、一つだけパンダを混ぜるとか、そういう遊び心をそろそろ…(殴


車端部は5人掛けのロングシート。前述のとおり新宮方先頭車の車端部のみの設定で、モケットもこの一種類のみです。
車端部はよく揺れますが、データイムの空いている時間帯などは妻面の座席の脇にあるデッドスペースを活用して駅弁を愉しむというのも粋な過ごし方ではないでしょうか。ロングシートで食事は可か?不可か?という論争を思い出すところですが、めはり寿司ぐらいなら大目に見ていただきたいところです。「めはり」だけに。


この涼しい景色がたまらない紀勢本線の末端区間。
まったりゆったり進みたい魅惑の景色が至る所に散らばっています。
 
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