JR西日本  キハ47形「ノスタルジー」
 
  急行砂丘が廃止されてからはキハ40形・47形が幅を利かせるようになった津山線。津山には鉄道への興味を深められる施設もあり、従来から「スローライフ列車」が好評ということもあり、何か特徴的な車両を…という思いが実を結んだのが「ノスタルジー」仕様車です。今回はその中からキハ47形2両編成の車内をノスタルじじぃになって右往左往してみたいと思います。
現在は国鉄急行色に塗り替えられていますが、登場時はクリーム色と朱色の一般色でした。どちらもキハ47形登場時には塗られていない「懐かしの色」で、200系になりすました0系新幹線を幼少期に見た私もビックリしましたが(^^;; 気が付けば各地に一般色、急行色のキハ40形、47形が登場することになります(^^;;
(取材・撮影 JR津山線・岡山〜玉柏)

 

 

 


車内全景です。両開き2ドアのセミクロスシートです。JR西日本のキハ47形はロングシートが長い車両も何かといるので、ノスタルジー=ドア〜ドア間クロスシート左右各5組がわかっていれば、旅先の車内事情もちょっと一安心です。
適度にリニューアルされた車内に紺色のモケットがチラリと見えるところが早くも心くすぐられるものがあります。取材は夏場でしたが、乗った時に冷房が心地良く効いていたのに嬉しくなりました……これがノスタルジーを「今」体験するズルいところで、本気で昔のキハ47形を追体験するのであれば、夏場は扇風機に窓全開…冷房なんてございません。

 
乗務員室との仕切りです。乗務員室のすぐ後ろにはスタイリッシュな運賃箱、液晶の運賃表示器がスタンバイ。私がノスタルジーを感じるのは500円札も使える灰色の運賃箱にオレンジ色の整理券発行機ですが…この広場そのものがノスタルジーを感じるアイテムなのでしょうか。仕切りには小さい窓1枚…前面展望はちょっと難しそうです。
左の画像は津山方先頭車、右の画像は岡山方先頭車ですが、どちらも乗務員室に近いところに優先座席が備わっています。車椅子スペースは指定されていませんが、いざとなればこの広場がその代わりになりそうです。

 
車端部です。左の画像はキハ47-1036で津山方先頭車、右の画像はキハ47-47、岡山方先頭車です。
津山方先頭車は見慣れない衝立に何やら座席がチラッと写ってますが… 岡山方先頭車はトイレを備えています。
貫通扉は化粧板こそ貼られていますが、窓の大きさ、扉の重さはそのままです。広島地区のキハ47形ではトイレの前にゴミ箱を設けていますが、このノスタルジーはゴミ箱は無く、妻面に路線図を掲出しています。この路線図はお手軽ノスタルジーアイテムになりますが、いつものちょっと格好良いLINE INFORMATIONが掲げられています。FMのジングルみたいですね(^^;;


便所との仕切りです。妻面と側面で化粧板の色を分けている様子が伺えます。ここもちょっとキレイにリニューアルしていて、もう少しくたびれた雰囲気を期待するのですが…便所はキレイな方が好きです(^^;;
天井は水タンクを屋根に設置した関係もあり、真っ平です。


便所周りを除くと天井はご覧のとおり緩やかな弧を描くものになっています。蛍光灯は間隔を開けて設置し、車内中央には扇風機がどどんと。画像右側に見える冷房はキハ47形ではお馴染みのアイテムで、ノスタルジー以外の観光列車でもその存在感を思う存分発揮します(^^;; ただ、暑い日本の夏、邪険に扱うことはできません。
吊革は丸い手掛けの物を用いていますが、ノスタルジーに合わせたものではありません。

 
扇風機ですが、JR西日本では珍しく「JNR」のロゴがここに帰ってきました!!…私のように国内各地に出没する方は「ふーん」と言いたくなってしまいますが(^^;; 久々に見た!という沿線の方々もおられるのではないかと思います。え、そんなところまで見ないって?!まぁそう言わずに…。
スイッチもノスタルジーな雰囲気満載ですが、これは津山線の他の車両でも押せます。


床を見て驚きました。灰色一色(!)です。リニューアルしてからまだ新しいうちの取材だったせいか、少々艶があるように見える点はさておき…JR西日本、よくわかっていらっしゃる(^^;
ステップの前には段差に注意と書かれた滑り止めが設けられているのが平成、令和のおもてなしです。


ドア周りです。鴨居部、ドア周り、ドアの開閉のぎこちない動作…このあたりはキハ47形そのものです。画像は津山方先頭車、車端部に近い側のドアになりますが、岡山方車端部のドアを除いてドア周りに若干余裕が感じられる構成になっていて、特にこの区画では横方向の握り棒もつけています。
 
ボタンが付くまでは手で開け閉めしていましたが、その時の取っ手がこちらです。真四角であまり凝っていないデザインにガッカリしてしまうのはキハ58形の出っ張った取っ手に期待していた私くらいなもので…今のご時世手で開け閉めできる体験ができようものなら…結構人だかりができるのではないでしょうか、微妙に隙間の開いたドアをど閉めるかに四苦八苦する人を取り巻く人だかりが…(^^;;
 
半自動ドアです。左の画像は車内側、右の画像は車外です。これが設置されてあの隙間のイライラから開放されたわけですが、ノスタルジーでは最近リニューアルしたこともあり、これまでキハ47形で見られてきた半自動ドアのスイッチとは若干異なるものがつけられています。なんと…光ります(^^;;

 
窓周りです。2段窓で上だけ開く構成は他の車両でも見られます。できれば中間の窓枠が銀色だったり、凝りに凝ってバス窓のような加工も良かったのになぁ…と夢は膨らむばかりです。ロールカーテンも他の車両でも見られますが、かえって「このカーテンそのものが懐かしい」そう感じる方もこれから徐々に増えそうな気がします。
テーブルは後付けの物になりますが、ノスタルジーを感じるアイテムとしてセンヌキをつけています。岡山駅のコンビニでも瓶の飲み物はあまり売っていないような気がしますが…津軽鉄道のストーブと同じような「あれば懐かしい」小物でしょう。
瓶のシュワシュワした飲み物をこのセンヌキで開けて、表彰台の勝利者の如く立ち振る舞いたい…と思いましたが、思っただけ、にしておきます。出禁になる前に…(^^;;;

 
ロングシートは2人掛け、3人掛け、6人掛けの3種類です。ドア〜ドア間は2人掛けと3人掛けの2種類で、3人掛けロングシートに至ってはちょっと懐かしい紺のモケットがお出迎え。こうなれば優先座席も銀色で…と言いたいところですが、深緑のモケットに落ち着きました。どちらもかつては戸袋窓があった区画ですが、2人掛けロングシートに至っては後ろに窓が無い区画になってしまいました。
車両によってはドアコックが座席下で見えることもありますが、こちらの座席は蓋がついています。

 
岡山方先頭車、便所の前には6人掛けのロングシートです。この区画はドアギリギリまで座席が迫ります。座席下がかなり賑やかな事になってしまっていますが(^^; 深めの奥行きのバウンドの効いたロングシートは如何にも…という座り心地です。灰色のフレームも良い味出していますが、案外他の車両で茶色モケットとの共演をよく見かけます。

 
クロスシートです。右の画像は車端部のクロスシートで、妻面に面した座席は少々幅が狭めですが、足元は広め…津山方先頭車両でこの区画をチョイスするのはあながち悪くありません。
ドア〜ドア間のクロスシートは足元に配管が通ることもあり、足元の狭さまでノスタルジーな感覚を愉しめる格好です。欲を言えば、ヘッドレストカバーのいらない、純粋無垢な紺のモケット・灰色のフレームを見たかったです。そう…肘掛けも灰色が好みです。
このフレームではこの形状の座席が一番座り心地が良いです。

 
津山方先頭車では車端部のロングシートが撤去され、窓側に向いた座席が左右2席ずつ設置されています。
丸い座面に木の背もたれ…惜しい、背もたれがなければ郵便客車の作業椅子に化けられたのに(^^;;
足元の配管は足載せ台になること必至、テーブルにはセンヌキが1か所設置されています。
この座席、1人ずつ明確に区分されているのは良いのですが、座席がくるくる回転しないので座る時に背もたれが邪魔で、アベックで会話する時も顔を向けて話さないといけないのはちと不便です。乗り降りもこの間隔でギリギリかなぁ…という印象です。

衝立も中途半端な仕事ですが、知る人ぞ知る展望スペースの形成には一役買っています。

ところどころ頑張っているものの、あくまでもキハ47形の枠の中の頑張りでもあり、
私的にはSLやまぐち号ばりのノスタルジーな一両を、津山線で見たかったです…。
余談ですが、夜乗った時の窓越しに見る自分の顔…若干セピアな窓の反射が最もノスタルジーだと思います(^^;;

 
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