JR西日本  キハ120形300番台[体質改善車]
 
  正面から見るとつい「東武東上線」…と脳内変換してしまいそうな装いの浜田色のキハ120形です。ご当地カラーが維持されているのは嬉しいもので、2017年度から施行されている体質改善車もさしあたり「格好良い東武東上線」…そろそろ森林公園の方向から怒られそうなのでやめておきます(^^;;
初期車の製造から25年が経過したということで、車内外を一気にリフレッシュ。見た目は前照灯や尾灯の変更、側ドアの半自動ドアボタンが目立ちますが、リフレッシュ前の雰囲気を大きく残しているように感じます。
今回はキハ120-312、316の2両を取材しました。いずれも山陰本線の出雲市〜益田を主戦場にしていますが、316はなんと木次線でバッタリ…Look for nature.とばかりにお出かけしていたのでしょうか…
(取材・撮影 JR山陰本線・益田 他)

 

 

 


車内全景は夜の木次駅で撮影しました。前後2ドアセミクロスシートの車内、出雲市方にトイレを設けています。
入ってまず驚いたのがキハ120形独特の薄暗さが皆無な点…です。これだけ深めのモケットを採用しておきながら、ビックリするくらい明るいです。これだけでも体質改善工事をやった効果が出ていると思います。おしまい。

…他にも座席を交換し、床を貼り替え、吊革を新しくして…と、車内も入念にリフレッシュしています。これでいて側窓の横引カーテンをしっかり残すあたりはナイス判断です。

 
乗務員室との仕切りです。300番台はもともと天井まで仕切られた半室構造の運転台だったので、レイアウトに大きな変更はありません。手すりやドアコックなどの表記類が一新したのが目新しいくらいで、トイレ前のプチボトルネック区間もそのまま、方向幕は手動でハンドルグルグル…こここそ、なんとかならなかったものでしょうか(^^;;
助手席側の窓の桟のうち片側が黒く塗られていますが、一部の車両では体質改善工事前に見られた仕様で、今回合わせたのでしょうか。そして中途半端な位置に設置された大型袖仕切りの処理は車外からも見てみたいポイントです(^^;;

 
トイレとの仕切りです。トイレは今回の体質改善工事よりも前についていましたが、今回の工事では手すりの交換を行っています。それくらい…だからか、運賃表のクリアケースの色がやたらレトロです(^^;; 手すりは黄色くなりましたが、それよりも気を付けたいのがトイレの入口の段差…特に出る時は1段下がりますので要注意です。
トイレのマークは使用中光る仕様、その下は「トイレは使えません」の表示がでるようになっています。


注目の天井です。灯具はLEDの灯具を中央に配置し、山型の反射板に照らされて広く周りを明るくしています。なんということでしょう、灯具の数を増やすことなく明るい車内になったではありませんか。さすが、後藤の匠です。
袖仕切りの大型化に合わせて吊革の配置等も一新しました。袖仕切りの延長の吊革は大事だけどなんかゲートのような感覚に見えてちょっと通る時に恥ずかしくなってしまいそうですが(^^;; クロスシート部分の吊革は混雑時だけでなく、ちょっと立ってトイレに…という時にも重宝しそうです。できれば、もうちょっと通路寄りの設置が良かったです。


床はベージュの柄物一色です。このあたりの色遣いはJR西日本ではすっかりお馴染みです。

 
折り戸を引き続き使用するドア周りです。それでも今回の体質改善工事ではドアチャイム(!)がついたり、半自動ドアのボタン(!!)がついたりしています。後者は富山で半自動ドアを押したり引いたりしながら開け閉め…という経験があったので、嬉しい装備になりますが…まさか0番台のカムバックだっとは知った時は崩れ落ちました…。
そして、キハ120形ファンなら一度は口ずさんだことがあるであろう、乗降時の「ウォヒィッ↑ホヒィッ↑ホヒィッ↑」でお馴染みのステップ通過時の音も健在です。
相変わらず長いガラスのドアも、本家の路線バスでは徐々に見なくなっているような気がします。ドアの挟み込み防止に黄色いテープで注意喚起をしています。

 
今回の体質改善工事で新設された半自動ドアのボタンです。残念ながら取材中光っているシーンに出会うことがなかったのですが、特筆すべきは車内側のボタンユニットの薄さです。…周りを見るとこの薄さがジャストフィットしている様子が伺えますが、ドア側にボタンを配置しないよう工夫を重ねたのでは…と思うと、一人胸が熱くなります(^^;;


側窓です。一部区画に荷棚が無いのは体質改善工事前から変わりありません。その下、窓周りは引き続き固定窓。先ほどの横引カーテンとの組み合わせに重厚さを感じるか、古を覚えるかは人それぞれですが、西日が眩しい山陰本線では間違いなくお役に立ちます。そしてクロスシートには小さいテーブルが。飲み物を置くぐらいであれば問題なく使用できますが、置き忘れにはご注意を。

 
ロングシートは2種類。益田方の11人掛けロングシートと、出雲市方に片側だけ設置された4人掛けのロングシートです。ここの部分のロングシートは反対側がトイレ…しかもワンマン運転時は通路になる部分…なんかハズレ席が優先座席という泣ける展開にはきださnightで3時間はきだしたい気持ちになりますが、他の車両に合わせた結果、なのでしょう。最近のJR西日本ではよく見かけますが、優先座席も地の色を深緑にして、落ち着いたたたずまいです。

落ち着いていると言えば11人掛けロングシートも同様で、12人掛けから1人分減らし、座席幅を広げ、間に仕切りを設けて座りやすくなりました。バケット形状ですがあまり凸凹のない仕様で、以前の座席よりもしっかりした座面に進化しています。


袖仕切りを奥に、手前に仕切りを撮ってみました。この仕切りがロングシートの使い勝手を良くしています。ほどほど座席が埋まっている時に「間のロングシート」に大きな目安ができて、座りやすくなったと思います。で、肘掛けにならないようなカーブ、傘をかけられないような手すりの無い形状は実に運用側のことをよく考えています。よりかかるにしても中途半端で…もしかして、試されてますか…?
寄りかかりたいのは袖仕切りの方で、大きい袖仕切りの内側は全面モケット張りです。できれば長時間乗るからこそ、肩から腕にかけて逃げられる、環状線323系のような三角の空間が欲しかったです…(^^;;

 
クロスシートもリニューアルです。左右4人1組のクロスシートが2組ずつ、合計16席のしじみチャンス争奪戦が18きっぷの時期には繰り広げられるのは体質改善工事前と何ら変わりません。トイレの隣のクロスシートは手すりが省かれています。
座席のソデ体から察するに、三陸鉄道や崎陽軒(!)で採用されたクロスシートと同一品かと思われます。三陸鉄道では鬱陶しかった窓際の配管、この車両では気になりません。一方、気になるのはフレームのグレー。コンクリートブロックのような色に見えるあたりに安っぽく感じるものです…。
ロングシート同様座面のバケット形状はあまり気になりません。むしろ背もたれの切り立った仕様は乗車時間が長くなるにつれ気になってきます。
 
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