JR四国  予土線トラ45000形「清流しまんと号」
 
  元々トラ45000形は「無畜貨車」というカテゴリに分類される車両になります。1960年から1963年にかけて増備され、屋根の無い貨車として砂利や木材などを運ぶのが「本来の姿」でした。
現在もその「本来の姿」を発揮する車両が大多数ですが、国鉄末期の1984年、そのトラ45000形に座席とテーブル、布屋根を設置して「人を運ぶ」という全く新しい使命を持つ車両が生まれます。それが今回紹介するトラ45000形のトロッコ仕様、すなわち「元祖トロッコ清流しまんと号」となります。
予土線のワンマン列車に1両短い貨車がつながるスタイルで現在も土休日を中心に運行しており、そのダイヤと運転日、座席配置図などはJR四国の公式サイトに掲載されています。予土線ご利用の際にはぜひ!
(取材・撮影 JR予土線/窪川〜江川崎)

 

 

 


車内全景です。ちょうど車内の奥半分を手前から写した格好になります。ドアは妻面についているもののみで、ホームに乗り降りする際には柵・・・は乗り越えないで、隣のディーゼルカーの扉からとなります。
車内構成はテーブルが固定されているクロスシートで、4人1組のボックスが左右5組ずつといった様相です。一応座席番号も柵の下に入っているものの、この背もたれさえ無いガランとした開放的な車内はどっしりと構える「元祖」だからこその貫禄です。

 
ちょびっと前に行きまして車端部の様子です。斜めに壁が切れているのは貨車時代の名残で、6角形の壁に貫通扉を新設した格好になっています。そして右の画像は斜めにカットがされている四万十川の絵地図です。
原則として進行方向前にはディーゼルカーが連結されるので前面展望はディーゼルカーでどうぞ(^^;という感じですが、後方展望は小さいながらも窓がしっかりついており、普段眺められる位置よりも前に出て眺めることができます。でも、せっかくのトロッコですから窓を介さない景色もたっぷり堪能されてください。

それにしても・・・屋根の赤が思ったよりも鮮やかに飛び込んできますね(^^;;;


天井です。真中にポコポコッと電球があって、あとは屋根も兼ねている2種類の布とそれを支える鉄骨だけ。いやはやシンプルに決めているだけでなく、今にもサンタクロースか牛が後ろから追いかけてきそうなおめでたい雰囲気です(^^;;; 近年の改造だったら周りの木々に合わせて深緑とかチョイスしそうな部分ですが・・・さすが元祖です。抜かりありません。


床です。貨車から生まれたトロッコ列車なのですが、このあたりは床も本物の「木」かな…なんていう予想とは裏腹に普通の通勤電車と変わりはなくツルッとした床になっています。ただ色は座席の木目調に合わせたのでしょうか、茶色一色です。

あーっと・・・人影が特別出演しちゃっていますね(^^;;;


ドアは車端部のところでご紹介したので少々物足りない感じですが、ここで車内で一句いかがですか?俳句の投稿用紙が入った味のある箱と投稿箱です。皆様の投稿を余程待っているのでしょうか、走っていると投稿箱の蓋が豪快にパカパカ閉じたり開いたりします(^^;; 
自分はちょうど花粉シーズンの乗車だったので投稿用紙で一句・・・よりもティッシュで鼻をかむ方に集中してました(^^;;
また乗る機会があったら一句詠んでみようと思います。

 
座席、そしてテーブルです。このとおり非常にシンプルな作りです。一部の座席にはビニールがかけられていますが、それ以外は木!今風の座席がかたどられたスタイルとはかけ離れた、一枚板の木です!
それ故に台車からの振動がダイレクトに伝わってきます。これぞトロッコの醍醐味で、それを余すことなく伝えてくれるとなればまさに「適材適所」でしょう。ただ、想像以上にダイレクトに伝わってくるので(^^; 諸事情により(殴)硬い座席に座るのが厳しい方は何かクッションを持っていくといいかもしれません。
テーブルを囲んで4人グループが座ることを想定しているため、車端部の席は他の席よりも半分の大きさになっています。それ以外の席は背中合わせに4人座ることを想定しているようですが背もたれがありません。満席だと少ししんどいかもしれませんが、空いていると意外にゆっくりゆったり座れるので、花見気分でくつろげるかな、なんて気がします。

トロッコ列車というと角の丸みも取ってツヤが出ている「木の椅子」が主流になりつつありますが、それを頑なに受け入れない「元祖」の味、深く、楽しく堪能することができました。

 
さて、トロッコというと景色がもちろんウリですが、元祖トロッコはトンネルの中も魅力的です。
鉄道車両離れした照明もそうですが、周りに響き渡る轟音、よりダイレクトに響く振動、強く吹き付ける冷たい風、それに呼応する屋根の布。いやはやその非日常的な豪快さにはただただ驚くばかり。
四万十川との二重奏も良いですが、フツーのトロッコ列車やテーマパークのアトラクションでは決して体験できない元祖ならではのオーケストラが体感できる日本の高知、愛媛です。

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