JR四国  オロ12-快速「ムーン・ライト高知」カーペット車
 
  関西と高知を結ぶ季節限定の列車。どことなく懐かしい雰囲気を携えて一晩ひたすら走る「ムーン・ライト高知」。今回はその「ムーン・ライト高知」の花でもあります、カーペット車を取り上げます。
種車はオハ12。いわばボックスシートが並ぶ室内だっただけに、四葉のマークがなんだか初々しいですが、結構改造されてから年月が経っており、あちらこちらでくたびれた様子が伺えます。そのくたびれ方はJR東日本の「あけぼの」と良い勝負かもしれません(^^;
なお、カーペット車は「ムーン・ライト高知」のみの連結で、「ムーンライト松山」のグリーン車は座席タイプのみとなります。私は乗る前から「元がとれるかどうか…」なんて一人ビクビクしていましたが、さぁ蓋を開けてみると・・・・・・
(撮影・取材 JR西日本/四国 京都〜阿波池田)

 

 

 


車内全景になります。なんだか早くも絶句しそうな勢いですが、後でご案内しますデッキを抜けると、このような開放感溢れたスペースが現れます。
画像向かって右側、ちょうど瀬戸内海や明石海峡大橋が見られる側の窓に面しているのが通路、そしてその反対側には4人1区画で全部で5つの区画が用意されたスペースが設けられています。
カーペット車というと「サンライズ」シリーズに代表される、「一人ひとり区分がついて・・・」というのを想像してしまいますが、ここでは区分は4人分ずつ。どちらかというと旅館の宴会場の片隅に無理矢理仕切ったような食事処や、フェリーにある、いわゆる「二等席」などに似ているかなぁ〜という印象ですが、それらほど広くはなく、普段の生活ではあまり体験した事が無いスペースだぁ!というのが第一印象です。


デッキとの仕切りの方にぐぐぐっと近寄ってみました。木目調で落ち着いた雰囲気は夜行、いやグリーン車ならでは。毛布などをしまうのでしょうか、収納スペースも見られます。


さらにその仕切りには懐かしの「JRNマーク入り温度計」や非常燈も。温度計はこのような車内では乗務する側も「ついてて良かった」一品ですよね。
余談ですが、2005年の3月下旬に下り列車を利用した際、京都出発直後はそんなに寒くなかったものの、気がついたら岡山あたりで足元が寒くて目を覚ましてしまいました。案外この車輌の暖房君は気まぐれなようです。どの車輌にも言える事ですが、時期によっては防寒対策はしっかりしていった方がよさそうです。


もう一度通路にズームイン。窓枠の下には手すりがずーっとつたわっており、更にその下には気まぐれ暖房君ことヒーターが。最初様々な文献で見た時には補助椅子かと思ったのですが…あってもあまり意味は無いですよね(^^;; そして通路部分の床はカーペットなどは特に敷かれていない、ごくごく普通の灰色柄物の仕様になっています。

画像ではみにくいですが、カーペットの下には靴用の収納スペースが設けられています。下駄箱のようなノリですね♪


天井です。こちらはだいぶ種車の面影が色濃く残っています。端の方の蛍光灯の配列がちょっぴりユニークです。
ちなみに夜行列車故にこの車輌にも「厳冬」・・・もとい「減灯」のサービスがあります。蛍光灯はつきっ放しですが明るさを落とす方法で、ノイズがちらつきます。ノイズと言ってもテレビの「ザー」や「ガー」ほどひどいものではありません。


さてさて、仕切りでよく見えなかったカーペット部分ですが、出発時にはこのようにスタンバイされています。
4人1区画なので4人分の枕と毛布がきちんと備えてあります。毛布は「ひざ掛け以上いつもの毛布以下」という中途半端な長さで、厚着の季節にはジャンパーやコートとの併用がおすすめ。

カーペットの色ですが、これから3色登場します。いずれも取材車のデータなので他の車輌とは異なるかもしれませんが、ご参考にどうぞ・・・。座席番号2A〜2Dと4A〜4Dはこの色のカーペットです。
落ち着いた雰囲気ですよね。


2色目は赤です。どこぞの「日生劇場」を髣髴とさせる?!赤いカーペットはちょっぴりお高そうですが、この赤は「女性専用区画」をやんわりと示す役割もあります。座席番号は3A〜D、5A〜Dが該当するのですが、3番のブースには立派に育った男の方が堂々寝ていたので、女性専用区画は5番のみ該当すると思います。

先ほどからちらちらと見えている枕ですが、パッと見江戸時代の「木の枕」のような硬さかなぁ〜と思ってしまいますし、実際そう思っていました。しかしながら、乗ってビックリ、使ってビックリ!実はかなり「柔らかい」ものになっています。もう手で押した時の表現に「ぶよぶよ」が当てはまりそうなくらい(^^;; 指定席扱いの「カーペット車」にはない、ムーン・ライトシリーズのグリーン車のみの「特権」です。


仕切りにもしきりにクローズアップ。大理石をイメージした仕上がりになっています。
車中でご一緒した方に教えて頂くまで全然気がつかなかったのですが、足元にもご注目。この仕切り、実は取り外せます。なので、その気になればムーン・ライトが運転していない日に団体扱いで貸しきって、端から端までご〜ろごろ〜なんて大金はたいて買った新居でやりそうな仕草をレールの上で出来るわけです。いつしかそのような事ができる身分になってみたいものです。

ちょうどお顔が来る部分になりますが、仕切りが中途半端に途切れているため、仕切りを挟んで反対側の人の顔とご対面〜なんてことになってしまう事があります。自分は全然気にならなかったのですが、気になる方は顔の位置を若干ずらすか、ちょっとした薄目の荷物を立てかけるといいかもしれません。


さて、さきほどからカーペットは3色目に突撃、ウグイス色が登場しています。画像もそのウグイス色のカーペット。1A〜Dが該当します。なぜここがウグイスのカーペットなのかはわかりませんが(^^;大人の事情でしょうか(^^;;
カーペットそのものは地が厚い、フカフカしているものではありません。フロアカーペットといった感じでしょうか。触り心地は適格な言葉が出てこなかったので、無理矢理当てはめると「ちょっぴりふさふさ」になるのでしょうか(^^; 自分としては「まぁまぁ」といった印象ですが、これは好き嫌いが二分するかもしれません。

窓は固定窓。枠の部分にはほんのちょこっとした物がおけるようになっています。

ちなみに、画像に写っている1A席は「お買得」というよりも「超大当たり」区画です。帽子掛けがないのがちと辛いですが、一番端でプライバシー的には一番優れている事、そして旅行客には大助かり?の「あれ」があるからです。カバーがはずれかかっていたので、また本来は清掃用だと思いますので、くれぐれもご利用は自己責任で。


さてと、車内を一回りしたところでデッキとその周りもチェックです。
デッキは「味」がでています。折畳み扉で、スローモーに開くのが特徴です(^^;; よーく見ると左の部分と右の部分の大きさが違うんですね・・・。また、ステップがありますので、慌てて乗ってコケたりしないよう、注意です。


緑の扉をよいしょっと、そこにはべろんと木目の壁が鎮座しています。開放型の寝台車とは違って、デッキの部分で室内への扉を中央に持って来ている関係で、最初見た時にはちょっぴり「ギョッ」としてしまいました。
しかしながら、この壁のおかげでデッキからの隙間風は殆ど入ってきません。

画像は高知方デッキの模様になります。


その木目の壁の近くの照明です。えぇ、洒落ています。スペースが狭くてこのような照明しか取り付けられなかったというムードもありますが・・・。


これは隣のグリーン車(座席車)で撮った画像かもしれませんが、カーペット車と同一のものなのでこちらに載せちゃいます。洗面所は各車両についていますがいずれも1台のみで、このように痰壷もステンレスでがっしりした昔ながらのセットが備わっています。

ちなみに、この「ムーン・ライト高知」で国鉄チックな雰囲気を楽しみたい方はこの洗面所+デッキ+普通車指定席のチョイスが最適です。但し、普通車指定席は簡易リクライニングシートなので物凄く疲れると思います。・・・やはり、自分はこの「ムーン・ライト高知」に関してはグリーン代・運賃(あおはるの方は)が余計にかかりますが、それでもそちらをチョイスした方がイイ!と思います。


ところ変わって京都方面のデッキと「木目の壁」の間にはこのようなちょっぴり古いアパートのトイレ・・・もとい更衣室が設けられています。鉄道車両にしては軽量級チャンピオン候補の扉を開けると・・・


帽子掛けや姿見・・・ほどの大きさでは無いにせよ、鏡などが設けられています。必要最低限というか、これだけあれば十分ですよね。確かこの中に土足禁止スペースもあったような気がしますが、忘れてしまいました(^^;;

帽子掛けの形がまたレトロですね〜。


・・・早朝の阿波池田にて。中はほどよくきれいに、しかもファンキーな車内だったのに・・・外観は顔を覆いたくなるくらい肌荒れが激しいです。とはいえ、この紺の佇まいは客車列車ならではの雰囲気を色濃く残していますね。この落ち着き具合は、昨今の電車や気動車には到底出せまい、だから自分は客車列車の虜になってしまう・・・のかもしれません(^^;;; また乗りたいなぁ〜
 
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