JR四国  キハ58形
 
  四国地区は今でこそキハ2000系などが幅を利かせる特急大国に成長しましたが、少し昔までは小さく丸い愛称板をぶら下げた急行が大活躍していました。その主役がこのキハ58形でした。
JR化後もJR四国最後の急行「よしの川」に充当されていましたが、大多数はJR四国色に塗られ、近郊形改造を施されました。今回はそのようなキハ58形を取り上げます。
定期運用は2008年に終えてしまいますが、本数は少ないながらも土讃線、予讃線の双方で活躍しており、土讃線ではキハ45形と、土讃線はキハ65形などと連結するなど、最後まで他系列との併結というディーゼルカーならではの運用をこなしていました。
今後も臨時列車などで活躍してくれるといいなぁ・・・。
(取材・撮影 土讃線/予讃線・阿波池田〜高知/松山)

 

 

 


まずは車内全景からです。2ドアセミクロスシート、これは通勤・通学輸送に耐えるために改造された姿になります。改造前は全席クロスシート、デッキやトイレもついていました。
画像は緑モケットを基本とした車内の様子です。この位置から見ると改造後の落ち着かない雰囲気が占める中、かつての落ち着いた姿もまだまだ残っている感じがします。


一方、赤モケットを基本とした車内もいました。先ほどの画像の逆サイドからデッキ越しの画像です。晩年は高知方面で活躍する車両で多く見られました。こちらはとにかく鮮やかさが大きく目立っており、先ほどの雰囲気とはまるで違います(^^;; 鮮やかな分汚れや疲れが目立ってしまっていた記憶が残っています。

今回は緑モケットの車両の車内を取り上げます。


乗務員室との仕切りです。もともと戸袋窓の部分までクロスシートがあり、デッキを仕切る扉があったためここまで広くはなかったのですが、いずれも撤去されたり壁をギリギリまで削り、柔軟にラッシュ需要に対応できるようになりました。吊革は元デッキの手前まで伸びています。
仕切りの窓は小さめの物が高い位置にあり、先頭や最後尾など乗務員室として使用する時には、扉を閉めて全室乗務員室になりました。扉に近いのでワンマン運転にも適してそうな気がしますが、そこまで改造された車両はJR四国では皆無でした。


一方車端部の様子です。ロングシートの奥にあるゴミ箱の部分は立席スペース、その奥には元デッキ部分だった乗降スペースがあります。いずれも壁を削っていますが立席スペースと扉の間はちょっと他よりも削り取れなかった模様です。


側ドアから立席スペースを見ています。ここの部分だけ独立した格好で吊革が設けられました。元々トイレや洗面所だった部分になり、それらの窓を流用したため、周りよりも一回り小さな窓を用いています。そのためでしょうか、ちょっとした独立スペースという感覚が今なお残っています。

 
天井です。分散型クーラーのため、丸みを帯びた天井に所々冷房機器が設けられている格好です。昨今の冷房改造車よりも見栄えが良いのは元急行形という経歴だからこそなせる技だと思います。そして右の画像の扇風機がその冷房の補佐役。乗客が押すボタンで操作できます。元はJNRと書かれた枠を用いていましたが、民営化と共に水色の丸いわっかになっています。このあたりささやかな会社間の違いがでていて、比較するとちょっぴり面白そうです。


床です。いつまでも若々しく、コルク柄で決めています。
座席をロングシートに改造した際に貼り替えた物だと思われます。


ドア周りです。ちょっと見難いですがステップつきの縦長片開き扉を用いています。これもキハ58の特色でしょう。
ステップには足元を照らす電球が設けられており、オレンジ色のほのかな灯りを確認して乗車です。
ドアそのものはベージュに塗られており、鋼板に直接塗っていることからも少々古びた雰囲気は否めません。


座席に入る前に優先座席の確認、そして1段窓の美しさを再確認。優先座席、松山に所属の車両は松山方のクロスシート2席と宇和島方クロスシート2席が指定されています。ステッカーのみの表示なのでモケットに変更はありません。
1段窓は真ん中のサッシが全く気にならなかった分景色は楽しめましたが、晩年は隙間風が気になって気になって・・・

 
座席、まずは急行列車からローカル列車への立役者、ロングシートからです。
左の画像は乗務員室側、右の画像は車端部デッキ側になり、どちらも6人掛けになります。6人掛けということで、乗務員室側のロングシートは戸袋窓の部分まで埋めることが出来ず、立席スペースが実質2人分できてしまっています。そのため、簡易な袖仕切りが設けられています。

近郊形改造がいつ行われたかはわかりませんが、座席下ヒーターの形状や座面のフレームから見ると、新たに作った物ではなく、111系などの近郊形電車などから持ってきてキハ58向けに改造を施したと考えて良さそうです。
座り心地もバネが効いたものでした。


一方何やら激しい改造が施されていそうなクロスシート。左右ロングシートに挟まれた格好で4人1組、合計6組ずつありました。端は白い化粧板で覆われています。その手前のポールは吊革を支える棒で、クロスシートに連結はしていない分ちょっと邪魔にも感じますが、立客の新たな支えとしての使い勝手も十分にあります。

端は極めてオーソドックスな作りのように見えますが・・・


真ん中の4人1組の座席は元の形が想像できないくらい?!ヘッドレストが特徴的なメリハリの効いた座席にリニューアルしていました。ただ、元のフレームや取っ手はそのままなのでかつての座席を思い浮かべるのも難しいことでは無い・・・はずです。
リニューアル後は1席1席緑の縦帯が入りました。この帯が赤い座席も車両によってはあります。そこに縫いつけはありますが、バケット形状ではないので詰め物による窮屈さや座り心地の硬さはありません。

ただ、何度見てもインパクトがスゴイです(^^;;;


一方端の席は・・・あらら、元のフレームそのまんま(^^;;;そして縦帯緑と灰色のモケット!先ほどのインパクト絶大な座席はどこへ行ってしまったのでしょうか(^^;; 昔の乗り心地を満喫するのに不足はない嬉しい座席ですが、なぜヘッドレストは省かれてしまったのでしょうか・・・?

あ、取っ手は立客を配慮して大きな物になっています。


その周り、改めて窓周りを見てみます。端の座席になくて中間の座席にあるもの、それは窓側の肘掛けです。あるのと無いのとではちょっと違いますが、ヘッドレストに肘掛け・・・真ん中の座席は設備的にも恵まれているようです。
テーブルは細長い物を用いています。その上、座席表示プレートは塗りつぶされています。ロングシート区画ができたことによって指定席車両としては使わないという判断があったのでしょう。えぇ、どこかのJRのように車椅子スペースまで座席番号を振りっぱなし・・・ということはしないんです、普通は(^^;;





四国の急行列車の顔であったキハ58、晩年は通勤通学に明け暮れる日々だったかと思います。
数え切れないくらいの思い出を運び続け、時には改造を経てもなお残る設備が思い出を蘇らせながら・・・

今、その使命を終えようとしています。


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