JR四国  キハ32形
 
  この顔を見たら・・・とはよく巷に溢れている話ですが、青春18で四国巡りをしている人にとってはちょっと「そりゃないよ〜」とうなだれてしまうかもしれません。オールロングシートと出力不足(^^;で名高いキハ32です。
1987年に登場したこの車両、16mの車体長で小柄なボディは当時流行していた「レールバス」そのもの。車内にワンマン設備が整っているのもなんとなく頷けます。
この塗装はJR四国では他の車両にも施されているのですが、実はキハ32にとっては2代目の塗装になります。高知や松山のワンマン列車を中心にまだまだ活躍が続きます。風光明媚な予土線で主力…というのはいささか残念ですが、仕方が無いのでしょうか・・・
(取材・撮影  JR予土線/深田〜近永)

 

 

 


車内全景になります。あおはるな方々が嫌うスペックが「これでもか!」とばかりに揃っています(笑) ロングシートで2ドア、ワンマン付きのトイレなしです。あ、冷房はこう見えてついていますのでご安心を(^^;;
所々覗いてみるとバスの雰囲気が感じられる設備がありますが、これもコスト削減の一環だそうです。
それにしても・・・ズラッと並んだ吊革には圧倒されます。


車端部はこのような感じになっています。何よりも魅力的なのが前面展望独り占め。画像右側、端の座席から見える景色は思わず夢中になってしまうことかと思います。ただ、窓のすぐ後ろに立ってしまうと扉にプレスされる可能性がありますので(^^;ご注意ください。
運賃箱や整理券はおなじみの姿で備わっています。乗降時の人の動きをきちんと把握できた構成になっています。


乗務員室との仕切りをアップでどぞー。運賃表示機の上にご注目ください。あらっと湾曲した所に照明のようなものが見えますね。実はこの乗務員室、完全に仕切られているわけではありません。JR西日本にいる「よっかかると倒れそうなくらい上が空いている仕切り」とは違い、ぱっと見ちゃんとした仕切りなのですが・・・。個人的にはC寝台個室の入り口にはもってこいかなぁと思います。あ、よい子はC寝台〜なんてことをしないようにっ(^^;


さて、半室構造の乗務員室。車掌さんの乗務時にお出口が進行方向左側だったら全く問題ないのですが、右側の時にはドア操作や出発時のホーム監視ができなくなります。そこで考え出されたのが上の画像です。
なんと開閉可能な窓とドア開閉スイッチを客室に作ってしまいました(^^;;; 交通博物館で101系のドアスイッチを体験する事ができますが、そこまで行かなくても「ドアってこんなスイッチで開け閉めできるんだ〜」と将来への予備知識をここで蓄えることができます。無論、ここでの体験はご法度なのでやっぱり交通博物館のお世話にはならないといけませんが(^^;
ちなみにワンマン運転時には全て半室の乗務員室からの操作になります。


ついでにドアの画像をどうぞ。ステップがあるのでちょっとした階段をアプローチに乗降します。それにしても下まで伸びた窓は随分洒落た、鉄道離れしたモノですね。それもそのはず、バス部品からの転用です(^^; やっぱりレールバス。


天井を見ていきましょう。冷房がついていながらここまでシンプルに仕上がりました。
蛍光灯が1列にズラッと並んでいる姿はコスト云々などといったくどいことをすっかり忘れさせて、直線美さえ感じさせます。そして吊革の灰色のバンドがくたびれた雰囲気を醸し出しています。


天井もシンプルなら、床もシンプルに茶系一色で攻めています。緑のモケットとはまるで合っていません(^^;;;
同じ時期に製造されていた国鉄(JR)205系のような色合いを感じさせますね。全国的にブームだったのでしょうか。夕方時の取材だったので窓からの西日が差し込んでいます。もちろんこの後は宇和島までまったり。至福のヒトトキ、ここにあり。


窓はとにかく豪華なオーラが漂います。まず第一に黒のサッシですよ!奥さん!!
当時としては黒サッシで開閉可能の窓はかなり珍しかったのではないでしょうか。ちなみに我が家も黒サッシ♪(ぇ
カーテンは横引きのものを使用。これがあるのと無いのとでは空間の雰囲気にだいぶ違いがでます。
なぜ横引きを採用したかは想像の世界になってしまいますが、窓サッシとの関係(何か鉄道車両以外からの流用でロールカーテンのレールが設置できなかった)や冷房ダクトの関係(ダクトが張り出す関係で網棚がサッシの上部と同じくらいの高さにきてしまい、ロールカーテンの収納場所がなくなってしまう)あたりが妥当なところでしょうか。
これでレースのカーテンがあったら最高です。ってそこまで求めるのもアホですね(^^;;


さて腰掛です。まずは3人掛けの座席から。優先席扱いを受けていて、窓には優先座席のステッカーが貼ってありましたが、モケットは他の席と変わらない緑色になります。色遣いはどことなく東武鉄道の車両に似ていますね。熊谷線が頑張っていたら車内のカラーコンセプトが瓜二つのディーゼルカーができていたかもしれません。
座り心地はそんなに沈み込まず、結構安定感があり、個人的にはぼちぼちでんなぁといった所でした。


続いて4人掛け×4区画ということで、16人掛けのロングシートです。途中で板のような仕切りを入れると閑散時でもよりゆったり寛げると思うのですがいかがでしょうか。板にちょっとしたドリンクホルダーをくっつければサロンのような雰囲気で、クロスシートとは違ったリゾートクルージングが楽しめると思うのですが・・・まいっか。
座席下は鉄板でふさがれているので、若干圧迫感を覚えます。


さて、意外にもこれがキハ32の醍醐味かもしれません。排煙管がないサイドの座席は怒涛の20人掛け!端から端までひたすら緑のシートが続きます。この席が全部埋まったら・・・一時期ポンキッキーズで流れていた、「♪ごらん〜パレードがゆくよ〜」に合わせて椅子の上に乗っかったり降りたりしていたダンスな時間そのものの迫力ですよね、きっと。
袖仕切りのパイプの微妙な曲がり具合に素晴らしき芸術センスを感じます。ここまで肘掛を演じきっていると「頼りない」だとか「質素」なんていう言葉は到底思いつかないですよね・・・ ・・・ごめんなさい今若干ジョークが(殴

 
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