JR四国  7000系
 
  予讃線の整備を進めているJR四国。伊予市まで電化されたのもJRになってからですが、その電化を機に導入されたのは伊予鉄・コトデンもビックリな短い電車でした。ワンマン運転や片運転台の増結車両もあるなど、まさにディーゼルカーのような扱いやすさがウリの7000系。1990年に登場しました。
松山地区を中心にワンマン運転も行われている傍ら高松地区では6000系と併結したり、何両も連ねて走るなど通勤輸送にも忙しく活躍しています。もちろん快速「サンポート」にも充当されています。なお、予讃線と土讃線の電化区間のみの活躍になるため、岡山県まで足を伸ばす事はありません。従って121系同様トイレはありません。画像は1日1本、四国最長距離の普通列車に充当される様子ですが…乗り通したら「待避の時間」のありがたみをひしひしと感じそうです。
(取材・撮影 JR予讃線・高松〜伊予市)

 

 

 


車内全景からです。乗務員室を奥に見ている格好で、高松方車端部以外は両運転台車・片運転台車ともに同じ配置になります。ドア〜ドア間は片側ロングシート・片側セミクロスシートの交互配置で、これも四国を旅すれば旅するほど慣れてくる座席配置になります。

製造後20年が経過しようとしていますが、座席モケットの色褪せが激しく、交換した座席とモケットの色が全く合っていません。化粧板やワンマン設備などはあまり劣化した印象を受けず、外観もまだまだ若々しいため、座席の色褪せが余計に目立つ今日この頃です。

 
車端部、まずは運転台のある車端部です。7000系は片側運転台を用いており、真ん中には運賃箱が鎮座しています。半室構造の乗務員室、登場時はどのような評判だったのでしょうか。鉄道ファンとしてはロングシートに座っても前面展望が楽しめるという点がポイントです。
乗務員室との仕切りには電照式の案内機があり、「出口」「入口」「無表示」の3種類を掲出できます。ワンマン運転時には威力を発揮する装置で、ドアが3箇所あると乗り降りに「開くかな?開かないかな??」などとつい迷ってしまいがちな事をやんわりと紐解いてくれます。


片運転台の車両は全て同じ向きにセッティングされており、高松方の車端部は客席スペースとして使われています。隣の車両は乗務員室部分ということもあり、妻面に窓は設けられていません。また、貫通扉を活かして貫通路を介した車両の行き来もできるようになっていますが、一部の運用では「後ろ一両締め切り」など、鎖を用いて行き来できなくする事もあります(^^;;
座席配置は片側が2人掛け、もう片側が3人掛けのロングシートです。


天井はツルンとしており、ロングシート部分の上には吊革が設けられています。
ごちゃごちゃしていない反面蛍光灯の数を少なめに設定しており、明るい色の化粧板を用いているもののちょっと薄暗い印象です。このあたりもディーゼルカーの造りをそのまま電車に持ってきた感覚なのでしょうか?


一方の床はアイボリーとクリームの柄物になっています。ドアの前は色や材質を変えています。
フットラインが形成されているようにも見えますが、天井の蛍光灯や影がそのままフットラインっぽく見えているのが実態です。決してそこまで色褪せているわけではありません(^^;;;

 
ドアは2種類あります。左の画像は乗務員室背後や車端部近くで使われる片開き扉、右の画像は車両中央部に備わる両開き扉になります。ワンマン運転と通勤輸送を両立させたスタイルとして、JR四国ではキハ1000形や6000系でも見られます。
どちらもボタンのついた半自動ドアで、化粧板も貼られています。化粧板も貼ってあまり目立たないように…と思っているかもしれませんが、ご覧の通り鴨居部分の存在があまりにも大きすぎます(^^;


半自動ドアのスイッチがこちらです。外は「開ける」ボタンのみ、中は「開ける」「閉める」ボタンが備わっています。冬のみならず夏も半自動ドアを使っているようで、その時期が記載されたシールが内外ともに貼られています。
片開き扉のそばには「入口」「出口」の表示ができるLED表示器が備わっています。これ、両開き扉の部分に「締め切り」表示ができたらさらに便利になると思うのですが…取材中真ん中の両開き扉が「開かない!!」と焦っている方も見られました。


窓周りはシンプルに。クロスシートに合わせた窓配置ですが、テーブルなどの設備はありません。


怒濤の座席うどん。まずはドア〜ドア間の長いロングシートからです。と、とにかく長いです(^^;;;
片側15人分の紫色のロングシートは数人おきにクッションを分けているだけで、キハ1000形のような着席区分をプリントしたり、キハ54形のようなバケットシートにしたりはしていません。クッションごとにモケットの貼り替えを行っているからでしょうか、所々強烈な紫色のモケットになっています(^^;;;

先にクローズアップ袖仕切り。大きさだけ見れば十分大きいですが…パイプ形状になっているため、立客との干渉やドア開閉時に入ってくる風の遮断はできません。登場した時期が大形袖仕切りがもてはやされる前夜だったこともあり、当時はこれでも画期的な袖仕切りに見えたのでしょう。でも、今となってはその中途半端な形状が使いづらそうに見えてしまう今日この頃です。

 
車端部のロングシートです。片側は3人掛け、向かい側は整理券発行機を備えているため、2人掛けになっています。どちらもちょっと座席の長さが短い気がしてなりません。どちらも紫色のモケットで、優先座席の指定は受けていません。
整理券発行機は袖仕切りにくっついた形をとっています。なるほどそういう使い方ができるからパイプ形状にしたんだ!と一人納得してしまっています(^^;
機器スペース的な役割もあるのでしょうか、妻面は特に窪みなどはなく豆腐のようにスパッと切れた形状になっています。


そしてドア〜ドア間のセミクロスシートです。真ん中の両開き扉から片開き扉にかけて、3人掛けロングシート、クロスシート3組、2人掛けロングシートの順にセッティングしています。片開き扉や車端部の構成から国鉄のいわゆる近郊形電車とはちょっと配置が異なります。長距離旅行客に嬉しいクロスシートは左右3組ずつ。単行ワンマン運転だと少し競争率が高そうです。

 
クロスシートとドアの間のロングシートです。先ほどの車端部の座席とあまり差はありませんが、2人掛けの座席はいずれも優先座席に設定されているところが特徴です。優先座席と言っても化粧板にペタッとシールが貼られているだけで(^^; 紫の色を濃くするなどモケットには手を加えていません。ただ、1両につき2箇所優先座席枠があるので、着席チャンスは多そうです。

 
最後にクロスシートです。もうこの形状はベストセラーと言って差し支えないでしょう。フレームもちょっと重たそうな茶色に塗られており、通路側にある手すりも大きな物が用いられています。
座面や背もたれも国鉄の近郊形車両で用いられてきたスタイルを受け継いでおり、乗り心地はゴツゴツした感じが和らいだものの座り心地はそれらと大差ありません。せっかくの新型車両なのに…。

四国のクロスシートの系譜を見ていくとその後登場した6000系や113系では転換クロスシートへの転換が進んでおり、固定クロスシートはこのあたりが到達点という見方をしているのかもしれません。

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