JR九州  トラ70000形[TORO−Q]
 
  大分湯布院の足として活躍中のTORO-Q。両端のディーゼルカーのマニアックぶりも見過ごせない所ですが、やはり列車の華は「トロッコ」トラ70000形になります。
聞き慣れない車両形式からも伺えるとおり、元々貨車として活躍していた車両になります。1987年にトロッコに改造され鹿児島で活躍した後、2002年から現在のTORO-Qで久大本線をノンビリと走っています。
そのTORO-Qではトラ70000形が3両連なっており、いずれも普段の乗降で使うためのドアはついていません。前後のディーゼルカーから乗り降りすることになり、そのための貫通路が設けられています。ただ、出で立ちは大きく変わることなく、外観の貨車っぽさはまだまだ残ったまま。客車を改造したトロッコに「これこそトロッコだっ!」と堂々と言えそうな、数少ない車両です。
(取材・撮影 JR久大本線・湯布院〜南由布)

 

 

 


トロッコの車内はこのように必要最低限の改造に留めています。はめこみ窓もなく、若干高い位置まで柵が渡されているのみ。大分〜湯布院の快速便であれば車窓も存分に楽しめるのではないでしょうか。
床がちょっと明るめの色で浮いている感じがしますが、それ以外は落ち着いた色でまとめられているため、いわゆる「お子様受け」するような飾りが全然無いのも大きな特徴で、良いポイントだと思います。故に大人でも恥ずかしさを覚えることなく乗れます。


車端部です。貨車時代の妻面を残しつつ、貫通路を設け、さらに屋根も被せています。
ここもダークグリーン一色で、業務機器入れが目立つ以外は非常に大人しい、何も着飾っていない格好です。
背もたれとしては特に活用されていないため、座席による差は設けておらず、すべての座席において「背もたれ無し、肘掛けも無し」というオーソドックスなスタイルになっています。


天井の様子です。布貼りのため、それを支える骨組みがくっきり見えます。その中央部分にスピーカーや灯りが設けられています。素朴な作りにもかかわらず配線関係が全く見えない姿は美しささえ覚えます。
画像はちょっと明るい色になりましたが、実車はもうちょっと暗めに見えます。骨組みもその暗さに合わせた色に塗られており、色の使い方が徹底しています。素晴らしいデザイナーがついているとこうも違うか!とつい唸ってしまいます。


床ですが、ここだけがちょっと浮いてしまっているような色遣いです。ベージュの濃淡で色分けしており、通路部分には明るめの色を配しています。ちょっと明るめの色が手前右側に分岐していますが、この部分に手動で開閉する非常用の扉があるため、一応間違ってはいないようです(^^;;

あ、汚れているのはこの撮影直前まで猛烈な雨が降っていたからです。普段ここまで汚れていることは無いはずです。雨で一往復運休したあとの便の発車前に乗った時は係の方が座席を拭いたり、床をキレイにしたりと大変な作業を行っていました。これをやらないと商品にならないわけで、窓のないトロッコ列車は学校のプール掃除のような想像以上に大変な管理が必要なようです。


座席とテーブルです。テーブルも固定クロスシートで床にしっかり固定されています。
湯布院〜南由布折り返し運転の時はさほど速度が出ないので、あまり乗り心地、座り心地についても気になる点はありませんでした。ちょっとテーブルのサイズが小さいので、弁当を持ち込んで盛大に〜♪というのはやりにくいかもしれません。
テーブル上に座席番号が書かれており、大分〜湯布院直通便ではチェックする必要があります。見慣れない位置にありますが、意外と探しやすいと思います。


おお、素敵な日本家屋だ!いやいや、窓からの車窓はこのような感じで見えます。実際車中は由布岳を望みながらワイドな景色が楽しめます。でも、個人的には往復トロッコよりも片道トロッコ、片道ディーゼルの方がトロQを堪能できるかなぁ(^^)と思います。
 
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