謎のタイトルの小ネタコーナーです。
ここでは鉄道などオンタイムで取り上げるような移動手段ではちょっと乗る事が難しい鉄道車両をご紹介、教科書的ではないオンタイム的な見所を現役、保存、インチキ問わず大雑把かつガッカリ気味に記します。

第1回目はこちらの施設から。と言いますか、第2回目以降ネタが続くかどうか不安ですが(^^;; 鉄道や徒歩で最寄り駅からの訪問はかなり難しいと思われる、上信越自動車道上り横川サービスエリアにある車両です。この横川サービスエリア、下り線は「だるま弁当」でお馴染みのたかべん、上り線は「峠の釜めし」でお馴染みのおぎのやが営業主体となっており、鉄道ファンでも胃袋的に満足できるSAとして知られています。その上り線のスナックコーナーの中に、2009年春に突如現れた車両とは・・・

 

 

 


こちら、キハ58系です。ちょっと雰囲気が早くも途中で作るのをやめた鉄道模型のショートショート版状態ですが(^^;
かつて碓氷峠を走ったディーゼルカー「キハ57形」と同じグループに属するキハ58系。その先頭部分をJR九州から譲ってもらい、2009年春からキハ57形「急行湯田中行き」をイメージした展示を行っています。

故に、「クルマ・バイクで行かないと会えない鉄道車両」となったわけですが…そこまで言うのは大袈裟でしょうか(^^;;


車内、先ほどの前面部分に向かって撮影しました。中には4人1組のクロスシートが左右2組ずつ、また2人1組の部分が左右1組ずつで設けられています。往年の急行形ディーゼルカーっぽい色合いと、何より紺色のモケットを有した座席がインパクト絶大ですが、残念ながら客室部分は新規に作られたモックアップ部分とのこと。譲り受けたのは運転台周りということになります。客室部分までホンモノだったら感動のあまりそこで釜めしを食べていた…はずです(^^;;; が、実際そのような用途で使って下さい、とのことです。

客室部分にも従来鉄道車両にあった部分も多数再利用されているようです。まずはそのあたりをチェックしてみます。


まずは天井周り。一部建物用ののビルトインクーラーが使われていますが、ダミーとして列車用の扇風機、そして列車用のクーラーカバーが設けられています。残念ながら動く気配は全くありませんが、この手の施設でクーラーカバーまで設けてあるのは車内学的に好感度アップです。


床は…ご覧の通り列車時代よりもだいぶ豪華になっています。他のショッピングコーナーと大差の無い仕上げです。
ここを灰色にすると好感度が上がります(^^;;; 一般客には受けないことは確実ですが(^^;;;


窓周りはかつてのディーゼルカーの部品をたくさん用いているようで、帽子掛けや一段窓、カーテンの収納スペースまでしっかり造り込まれています。ロールカーテンこそ無いものの、あり合わせの絵で窓の外をごまかすようなコトをしなかったのは良かったと思います。
特筆すべきは網棚。なんと太めの糸で編んだ、昔ながらの網を用いています。これがディーゼルカーが現役だった頃から使われていた部品かどうかはわかりませんが、昔ながらの網棚をここで初めて目の当たりにする人も多いと思います。お爺ちゃんお婆ちゃんの語り部が一気にヒートアップしそうな逸品です。あ、忘れ物には気をつけて下さい、戻るのは一筋縄ではいきません。


座席周りです。画像は一番端の2人1組部分です。出入り口と隣り合う、この座席の反対側の座席にはテーブルの先に衝立が設けられています。テーブルはまさに「釜めしを食べる!」ためにあるものなので、別に往年の修学旅行列車を再現したわけではありません。また、このテーブルによって足元の空間が狭くなっているため、長居しづらい、往年の大垣夜行の如く、海老ぞり気味にボックスシートで寝転がるのを防ぐ役割も担っています。


座席、この形状のクロスシートは碓氷峠に滅びることなく舞い戻ってきました。
細かい傷や座席形状などから察するに、キハ58系からそのまま持ってきたモノと思われます。モケットは新しめだったので紺色に貼り替えた可能性もありますが、一昔前まで紺色モケットが現役バリバリだったJR九州、もしかしてモケットもそのまま持ってきたのかも…と淡い期待を抱いてしまいます。
快適なクルマの座席よりもはるかに垂直志向ですが、この座席こそ汽車旅のお供。間違えてリクライニングシートを持ってこなかった点は選定車両のツボも含めて「おぎのや」の中の人もなかなか考えているなぁと賞賛したいところです。
碓氷峠になかなか結びつきづらいところもありますが、小海線、飯山線とリンクするポイントは至る所にあります。


段差を利用した座席もあります。こればかりは空間の制約上やむを得ない点になってしまいますが、床から座面までの位置が長めにセットされていますので、足の長い方はぜひこちらを(^^;; その分膝周りがキツイですが、それも目的を考えればやむを得ない点になってしまいます。


この半月状の取っ手がここに降臨するとは…。早くもちょっとガタが見え隠れしている席もありますが、この取っ手がより身近に、より長く楽しめる場所が出来て良かったです。驚きもありますが、途中で変えることなくこのカーブの美しさをいつの世代にも語り継いで欲しいなぁ。

…ところで、この画像をご覧になった方、何かとんでもない矛盾に気がつきませんか?
気がついた方は挙手、気がつかなかった方は試しに「トロQ」のページをご覧下さい。きっと何かに気づくはず…。


こうして撮るとわかりづらいですが、実はこの車両、本来あるはずのデッキが切り詰められてしまっているのです。故に現役時代は乗務員室、デッキ、客室と続いていたモノが、乗務員室、客室という順番になってしまったのです。乗務員室のドアから出入りするという、現役時代には決して有り得なかった体験がこの空間でできます。確かにデッキ作る空間よりも客席増やした方が本来の目的には合致するわけで…。


とはいえ、ドアから入るといきなり乗務員室…というのは斬新です(^^; この乗務員室は当時の面影を良く残していますが、現在は非公開ということで、ガラス越しに眺めることになります。今のシステマティックとは全然違う雰囲気をぜひご堪能あれ。ゆくゆくは見張り役つきで「釜めし食べたお子様は運転席ご招待!」とイベントをやりそうな気がする今日この頃です。


乗務員室の反対側の壁をめがけた車内全景の画像は全く撮りませんでしたが、広告枠を彷彿とさせる「峠の釜めし」掛け紙一覧が掲出されており、「おぎのや」はこの手のギャラリーが好きだという事を知りつつも、ついつい見入ってしまいました。事実、オレンジのお馴染みの掛け紙でも「LOOK EAST」のロゴが入っているなど、なかなか見応えあります。
席が埋まっていても、ぜひチェックしてみてください。


−−−以下、どうでもいいめも−−−
この展示は横川SA上り線側、真ん中の入口入ってすぐにあります。峠の釜めし販売スポットの向かい側です。

上り線という性格上、お昼と夕方は釜めし目当ての方で付近は混み合いますし、車内にも人の出入りが多くなり、本来の目的で利用される方も多数おられるようです。

今は休憩が無いかもしれませんが、長野発新宿行き高速バスはここで休憩を取っていました。休憩時間は短いですが、ダッシュでとにかく見るだけ見に行きたい!という方は利用するのも手です。

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