JR九州  キハ58系[TORO−Q]
 
  ご存じキハ58系、キハ65系と共にトロQの牽引役を担っています。JR九州のキハ58系も急速にその数を減らし、今やトロQと「あそ1962」のみになってしまいました。
JR九州に民営化された後、高速バスやマイカーとの対決もあったのでしょう、キハ58系は大きく3つに分かれる形で多くの車両が改良を施されました。一つはロングシートを設けるなど通勤通学に配慮した車内に改良したタイプ、もう一つは「あそ1962」などのように思いっきり内装を変え、ジョイフルトレインのような役割を持たせたタイプ、そして「シーサイドライナー」「くまがわ」などに使われていた座席をリクライニングシートに載せ替えたタイプ。この中でも更にバリエーションが細かく分かれるわけですが、果たしてトロQはどの車両に該当するのでしょうか・・・?
(取材・撮影  JR久大本線・南由布〜湯布院)

 

 

 


車内全景です。・・・この奇抜すぎる車内、なんと申し上げればいいのでしょうか。ポーカーフェイスを貫くのがまるで上手すぎます。2ドアデッキつきの車内はグリーン車から転用したリクライニングシートがずらりと並ぶ空間に変化を遂げていました。
全体的にモノトーンな雰囲気に抑えているなか、床の小さな市松模様がやや野暮ったく見え、さらに座席モケットもJR九州共通柄と呼ぶべき紫と黒の格子柄。・・・モケットは貼り替え前はもっとこの車内に似合うような物だったのかもしれませんが、よくこの車内トーンでGOサインを出しましたね・・・驚きで開いた口が塞がりません。

 
デッキとの仕切りです。左の画像はトイレ・洗面所がある側の仕切りで、この先に洗面所ゾーンがあり、一番端に乗降扉が備わる格好になります。非常灯などで賑わっているのも元々洗面所周りに設備を集約していたためで、改造前はトイレ使用お知らせ灯もあったはずです。
右の画像は乗降扉、乗務員室へと続く仕切りになります。戸袋窓がある関係で、クロスシート時代は背もたれが仕切りにくっつく感覚で座席が設けられていたのですが、今ではしっかり撤去され、やけに高い位置にある広告枠がその名残になっています。座席撤去時に化粧板をグレーに張り替えたかと思われますが、仕切り扉や車内銘板の「帝国車両」にこの車両のいわば「年輪」を感じることが出来ます。

なお、座席は向かい合わせにセッティングされていますが、特に向きが固定されているわけではありません。


天井です。所々に丸い穴を塞いだ跡がありますが、かつて扇風機があった跡になります。冷房は分散クーラーが引き続き使われ、その周りに設置された蛍光灯はちょっとしたプラスチックのカバーに覆われ、ちょっぴり高級なイメージを創っています。うむ、ここも新旧混在です。


壮絶な床周りです。白黒はっきりした市松模様が延々続きます。ここまではっきりした、しかも細かい市松さんは始めてみました。このコントラストにもう目がテンです。これだけ見れば雰囲気的にはモッズコートをブリティッシュな方が似合いそうかなぁなんて勝手に思ってしまいます。

 
この車両のコンセプトはデッキでも発揮されています。左の画像が洗面所・トイレを隣に抱える車端部側のデッキ、右の画像は左の壁に窓つきの仕切りがある通り乗務員室側のデッキになります。どちらも灰色に塗った塗りドアを採用しており、上の照明はカバーがつき、床は出ました市松模様で、ドアのすぐ手前にはステップもあります。
ゴミ箱は車端部側のデッキ右手手前に写っているスマートな物で、無塗装の銀色が実によく映えます。
乗務員室から仕切り越しデッキでの前面展望は、デッキそのものが小さい上、握り棒も小さいことからちょっとやりにくそうな印象です。この車両は中でくつろぐのが一番かな、という気がします。

 
デッキから洗面所部分、そして客室へのつながりを左の画像で、洗面所を覗き込んだ画像が右の画像になります。見事に客室やデッキとの統一感も図られている中で、電球の周りにカバーがかけられ、飴色もちょっと柔らかい感じになっているのが印象的です。鏡も取り替えられたようですが、至ってシンプルな形状に落ち着いています。

ちょっと端の方が切れてしまっていますが、洗面台です。シンプルながらも灰色をここでも巧みに使っています。取り替え前の物と寸法や白の色合いが同じなので雰囲気は似ていますが、レバーなどの使い勝手は上がっていると思います。


再び客室内に戻って側窓です。カーテンは横引き式に、網棚もプラスチックをふんだんに使った物に交換されていて、座席に合わせた座席番号プレートも一新、なかなかお洒落な装いになっています。
紫の座席モケットを先ほどピーチクパーチク言ってしまいましたが、このピンクの横引きカーテンとはなかなか良い相性かなぁと思っています。


ということで座席です。テーブルこそ撤去されたものの、グリーン車から持ってきた座席が今もなお現役で使われています。フットレストも含めてJR九州近郊形共通モケットに貼り替えられており、そこに一抹の寂しさを覚えてしまいますが・・・土足禁止面のフットレストや肘掛けまで見事に覆われているのはグッジョブかと思います。
座り心地も往年のグリーン車を彷彿させるには過不足無い物で、ちょっと座席を回転させてスペースを作ればフルリクライニングも可能。これに乗車券(+一部運用は指定券)だけで乗れてしまうのだから、トロッコよりも人気が出たらどうしよう…と余計な心配までしてしまいます。

さすがにデフォルトの向かい合わせの時の窓側の席は足元が狭いですが、「向かい合わせを崩す」という無謀な解決策で乗り切ることも可能です。


一番端の席は壁側にフットレストはなく、代わりにかつての座席に設けられていたヒーターに土足のまま載せられるよう斜めに切られています。元あったものの有効活用になっています(^^;;
この席、一応優先席ということで窓にシールが貼られています。車内では都合4席分が指定されています。さしずめ「日本で一番豪華な優先席」と言い切ってしまっても何も罰は当たらないと思います。




 
九州の山間部、あるいは海岸部をくまなく駆け抜けた、急行形ディーゼルカー。
その当時の雰囲気からはだいぶかけ離れた物がありますが、最後の砦として所々に良い面影を残しつつ、ノビノビと由布岳を望みながら走っています。

雨が降ったので待機車両へご案内…されてもガッカリする必要は全くありません。この斬新な車内でくつろぐのも「TORO-Q」の魅力の一つかな、とつくづく思います。

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