JR九州  キハ31形
 
  割と九州ではお馴染みの車両のように感じますが、実はここ数年急速に活動範囲を狭めているのがこのキハ31形です。2ドア単行ワンマン運転冷房車…閑散路線にピッタリのフォーマットなのに、トイレが無い事が嫌われて人吉地区のローカル輸送から撤退、宮崎地区からも撤退、直方地区も「でんちゃ」の勢力如何によってはラッシュ時の若松〜折尾ローカルからの撤退もあり得ます。…なんか紹介するだけで泣けてきますが、ローカル線のフォーマットとしてはドア幅とトイレ以外は本当に優秀だと思うんです。JR東海の213系が適材適所の活躍をしているとおり、この系列にも同じように適材適所の活躍を望みたいところです。
今回は直方地区の車両を中心に、標準的な車内を取材しました。ロングシート改造車、そしてあの伝説の後期型…様々なバリエーションがありますが、いやはや撮りにくい車両になってしまいました。
(取材 JR筑豊本線 桂川〜原田 他)

 

 

 


車内全景です。2ドア転換クロスシートの車内です。もともと裾絞りをしていないこともあって2席+2席の座席配置にすると通路が狭くなってしまうこともあり、このような構成になったのですが…JR東日本のキハ110形同様、1人旅から4人グループまで幅広くカバーするこの構成、ローカル線では喜ばれるのではないでしょうか。そして吊革が無い車内は混まないことを前提にした潔さ、もしくは国鉄の近郊型車両のしきたりのようなものを感じます。画像ではモケットに隠れて取っ手が目立ちませんが、実際に乗車するとそこそこ黒い取っ手は目立ちます。それでも立客にはちょっとつらい車内です。

 
乗務員室は半室構造です。助手席側はドアが設けられ、動線にもなっていますが…天井周りの仕切りを見るとどうも乗務員室に半歩踏み込むような感じを受けます。また、この部分に関しては強烈な色遣いは見られませんが、ドア周りの極太の赤線がこの画像からもチラッと写っています。
また、ドアの位置が左右異なることもあって、整理券発行機は左右両側についていますが…この姿勢が正しいもので、右左どちらか一方しか置かないのは片手落ちだと思います。そして、配管の太さに不器用さを感じる今日この頃。


一部の車両は座席を撤去して立席スペースを確保しています。窓側には握り棒も配置していますが、網棚の位置がそのまま、吊革が無いことを考えると車椅子スペースとしての役割の方が大きいと思います。マークはついていないし、そもそもあのドア幅で車椅子は厳しいところなんですけどネ(^^;;
で、画像ではその奥に展開している1人掛けの転換クロスシート…何の問題もなく背もたれ動きます。恐ろしき足元空間…(^^;;; というか、ただ単に恥ずかしいっす…

 
質実剛健を地でいく天井回り。若干低めに見える天井はフラットで、冷房も完備していますがそれでは物足りないのでしょう、扇風機も完備しています。で、その扇風機が国鉄時代のセンスそのまま…これはJR東海やJR北海道でもそのままなのでデザイン戦略の一環ではないでしょう。
この相乗効果で夏場はそれなりに涼しい車内、それこそキハ40系列の後付けクーラーよりも広範囲で効きそうな印象ですが…キハ40系列の方が重宝されているように感じるのは汗かきデブとしてはやや残念です。


床は国鉄時代のド定番、茶色一択です。あわせて機器スペースのせいでややいびつな座席配置もご確認ください。

 
折戸のドア周りです。片側は乗務員室が無い分、車掌常務列車でドア扱いができるよう車掌ブースが備わっています。少々物々しいのはそのためですが、国鉄末期の設計とは思えない柔軟さも感じます。
バスなどでも使われることが多かった折戸ですが、ステップとドア幅からノンステップバスではあまり見ない形態のものです。お馴染みの〜との文言はそろそろ使えなくなってきていると思います。
床に引かれた赤い線が極太で、「赤い線の内側にお入りください」の注意書きに対し、赤い線に触れたら半歩くらい下がらないと怒られそうな勢いです。


そして、さらに珍しいのが折戸で半自動ドアがついている点です。この組み合わせは折戸の鉄道車両自体あまり多くないこともあり、私の記憶ではこの系列以外では見たことがありません。尤も使っているようには見えないですし、取材時期の5月は全く使っていませんでしたが…一度操作してみたいものです。


窓は1段下降窓です。外から見ると整然と並ぶ縦長の窓にサロ…なんて形式記号を連想しそうですが、車内から見るとそこまで縦長には見えません。
横引カーテンに1段下降窓。北近畿タンゴ鉄道ほどではないですがカーテンが暴れる要素が十分備わっているので、窓を開ける前にはきちっとカーテンが止まっていることを確認したほうが吉です。

 
座席です。転換クロスシートのみの設置ですが、一部の車両にはロングシートも改造の上、備わっています。また、端の席で背もたれの向きが固定されている席もありますが大多数は背もたれが動くので、グループから1人ぼっちまで幅広く受け入れられる座席構成になっています。ローカル線の長距離輸送では破格のパッケージで、1人掛けに至っては高速バスにも対抗できるパッケージではないかと思うくらいですが…最近の使われ方が、ねぇ…。

 
1人掛けの転換クロスシート、そして2人掛けの転換クロスシートです。取っ手こそ好感されているものの、東海道新幹線0系で使用されていた転換クロスシートを用いています。また、モケット交換が1回入っており、紫の市松模様モケットがここでも見られます。クッションの縫い付けやひじ掛けに0系の面影が見られますが、テーブルは使えません。
説明不要の座り心地ですが、足元が狭い座席が多いことと、座面の位置がやや低めに感じ、窓の位置がちょっと高いかなぁ…という印象です。座面の位置がやや低めに感じるのは座面そのものが必要以上に柔らかいからかもしれません。
偉い!と思うのは窓側のひじ掛けもキチンと設置されていること。側窓下の配管部分もこのひじ掛けのおかげであまり気になりません。この余裕は後世にしっかりつなげて欲しいです。


構成上背もたれが動かない若干理不尽な席もあり、特に背もたれが動かない旨説明…しなくても、見ればわかる仕様です。
尤もこの車両に関して言えば18きっぷシーズンに座席が確保できない展開が最も悲惨ではないでしょうか。そう、某巨匠が発した座れれば天国、立てば……はまさにこの車内空間を説明するのに一番適切な言葉だと思います。
 
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