JR九州  キハ220形200番台
 
  この車両が登場した時はキハ200系の洗練されたスタイルとはとても似ても似つかない、正直「真っ赤すぎて締まりのない」印象しか受けませんでした。どうやらバス用の大形LED表示器を搭載したかったようですが…未だにそのLED表示器が浮いた存在に見えます(^^;; キハ220形200番台を取り上げます。
両運転台車両ということもあり、画像のような単行運転から増結車としての扱いまでフレキシブルに活躍しています。もともと大分を拠点に久大本線や豊肥本線で華々しくデビューを飾りましたが、現在は長崎地区にも配置されており、青いキハ200形200番台も登場しています。
今回取材した車両は細部が変更された2009年増備車になります。

(取材・撮影 JR豊肥本線・大分〜豊後竹田)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。トイレが見える画像奥が豊後竹田・日田方、画像手前が大分方になります。
転換クロスシートの車内が有名なキハ200シリーズ。今回のキハ220形200番台では意外と知られていないロングシート車との折衷型、すなわち片側転換クロスシート、もう片側ロングシートという構成に落ち着きました。ただ、その配置にこだわりすぎてしまうばかりに……そのあたりはおいおい取り上げていきます(^^;;

白の化粧板が車内の雰囲気を明るくしてくれています。窓の小さな部分をごまかす目的があるかどうかはさておき(^^;;;これもキハ200系のイメージというよりも817系を見ているような気がしてきます。

 
大分方の乗務員室との仕切りを見ています。JR九州になってから作られたローカル車両の乗務員室周りはデザインが秀逸で見ていて安心できます。これも水戸岡先生デザインのおかげかもしれませんが、今回も白をベースに木のカウンターを設け、運賃箱の奥にも白の仕切りを入れて、ちょっぴりお洒落な雰囲気にまとめています。
最近多くの車両で見られるワンマン用の液晶ディスプレイもご覧の通り違和感なく設置されています。ただ、液晶ディスプレイそのものは文字が小さく、光を反射しやすい仕様なのでちょっと見難いです。車内車端部の他、中央のドアにも設けられています。


もう一方、豊後竹田・日田方の乗務員室周りを見ています。車椅子スペースやトイレなどを固めています。
よーく見ると片側には蛍光灯を配置していますが、もう片側には埋め込みの白熱灯を彷彿とさせる丸い灯りがチラホラと見えています。ドア周りや一部の客席に多用することで蛍光灯の長さに左右されることなく必要十分の明るさを確保することができます。蛍光灯の種類が一つ増えるわけですが…在庫、大丈夫ですよね?!>JR九州


車椅子スペースです。握り棒の他にカウンターや非常通報機、ゴミ箱などあらゆる要素を詰め込んでいます。
個人的には非常通報機は場所こそ良いものの表示がちょっと小さいかなぁという印象。ゴミ箱はすごく目立たない場所であたかも「入れないでくれ!」と言っているような印象。そしてスロープはあくまでも業務用の機器なのでお客様の前に晒すのであれば内装色に合わせた色のカバーをかけるなど、もう少し見栄えを配慮してくれれば良いのに…と思います。周りをお洒落に固めているのに、ちょっと詰めが甘い気がします。


明るい色の木の広告枠がお洒落なトイレ周りです。ここも手すりをしっかり完備して使いやすさを前面に押し出しています。車椅子対応型の大きなトイレは815系とは異なり、天井までしっかり壁が設置されています。


天井周りです。大分方の客席部分は両側とも蛍光灯を設けており、必要最小限の部分で蛍光灯の種類を使い分けています。うーん、ムダがありません。
吊革は丸い昔ながらの物を用いています。優先席部分を黄色く塗り分けている他、ドア周りにも直線で吊革を設けています。


床はやはり内装に合わせて白をベースにドット柄です。


ドア周りです。ステップがついている他、中央のドアには鴨居部に先ほどご紹介した液晶ディスプレイが設置されています。
ステップに合わせるかのように鴨居部も緩やかな斜め角が設けられているのが特徴です。

ドアそのものは真っ白で、「ドアにご注意」や「床に座らない」などのシールがかなり目立っています。目立つことはいいことですし、どちらもデザインとして空間に馴染んでいるのはさすがです。


さぁここからは怒濤すぎる♪(前奏)八鹿八鹿の〜座席予報〜です。
まずは大分方のロングシートから。片持ち式のロングシートは背もたれが若干不揃いで(^^;;工業製品としての体裁を厳しく問いただすべきか、味があると称して褒め称えるべきか非常に迷うところです(^^;;; 床置きで暖房を設置していますが、バス用の小型の物なので場所によって効きすぎる所と効きにくいところが出てしまう気がしてなりません。短距離乗車のバスであれば構わないわけですが、長時間の乗車も想定される列車ではもう少し頼りがいのある暖房が欲しいところです。


大分方、ロングシートの反対側は転換クロスシートが並びます。キハ200形に合わせてドア〜ドア間6列とし、端の席を転換できないよう固定していますが、仕切りと座席が分離されているため、実にスタイリッシュな見栄えになっています。これで窓の高さが揃っていればなぁ…(^^;;
また、ロングシートよりも濃いめの座席モケットを使用しています。整列したどーも君みたいな状況は回避しています。


座席はバケット形状で、座面も若干膝裏に当たる部分に向かって緩やかな傾斜がつくようにセッティングされていますが、いかんせん真っ平らな印象は拭えません。ヘッドレストの盛り上がりと座席のバランスがいま一歩とれていないと思います。
ただ、肘掛けが明るい色の木材になっており、木の温もりを感じながら乗れるのは嬉しい限り。窓側に肘掛け、窓枠の下辺にも木を用いるお客様思いの「気遣い」素敵です。


豊後高田・日田方車端部からドア中央にかけての座席は見本市状態。車椅子スペースにもこのような補助椅子が設けられています。復帰力が強いため収納時のみの画像となってしまいました。直角なので座り心地は二の次といった具合ですが、床に座るならこちらに座った方が絶対に良いと思います。床に座らないシールをここにも貼りたいくらいです。


車椅子スペースの隣には8人掛けのロングシート。乗務員室側の端の2人分は優先席になります。スタンディングポールや仕切り、シールや吊革などでその存在を知らせており、モケットに変更はありません。
袖仕切り…というよりは大きなパーテーションも水戸岡デザインならでは。転換クロスシートの仕切りに合わせた大きさで、天板を設けることで立客の小さな荷物も置けそうですし、視覚的に床に座りにくくさせているようにも感じます。


そしてロングシートの反対側、トイレから中央のドアにかけての座席です。転換クロスシートと…あれ?!


トイレ脇のクロスシートは転換機能を完全に殺しています。つまり、4人1組のボックス席になります。
仕様をほぼ固定クロスシートと同じにすることによってコストを下げようという狙いが見えてきそうですが、他と同じ席にすることによって当たり外れを極力なくすよう努めているようにも感じます。

 
…で、これ。
中央のドア脇に設置された、謎の腰掛け。座面も高く、奥行きも浅いこの座席。前に衝立があるのに2人掛けでセットしてしまい、窓側に座るには通路側の人に声を掛けないと入れない足元の狭さ…どう見てもスペースのやり繰りに失敗したとしか思えません。…無理矢理転換クロスシートを設けるくらいなら、いっそロングシートにしてしまって中途半端な座席は設けなくても良かったのに…。

スペースのやり繰りに関しては「大喝」級ですが、せめて今すぐ出来ることとして、座席前の仕切りを外してもう少し座りやすい環境を作るのはどうでしょうか。


こういう部分の作り込みは秀逸なんだけど、なぁ……。

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