JR九州  キハ220形[熊本地区・回転クロスシート車]
 
  ここだけ見ると「赤い快速」の凛々しい姿そのものですが…
キハ220形1100番台、元々熊本地区に2両製造された転換クロスシートの両運転台車でした。その後、1両は長崎地区へ、そして今回ご案内するもう1両はなんと鹿児島地区に移籍、黄色くなって「なのはなDX」として再登板することになります。で、「なのはなDX」として伸び悩んでいたある日、ふとした好奇心で「指宿のたまて箱」を開けてしまってさぁ大変、熊本にタイムスリップ、昔の赤色になってしまったそうな。
慌てて全身を鏡で見ると…元のスマートな3ドアは…なんということでしょう、真ん中のドアは窓がはめこまれたなのはなDXのままではありませんか。タイムスリップしたはずなのに…これでは熊本地区のラッシュには太刀打ちできません。でも、元に戻らない…まいっか(^^;;
…現在は肥薩線を中心に活躍しています。最近少し出番が増えたようです。
(取材・撮影 JR肥薩線・八代〜人吉)

 

 

 


車内全景です。トイレ側からの撮影のため、普段よりもショートショートな画像になってしまいました。
2ドアの回転クロスシート、回転クロスシートという言葉を発すること自体珍しく、中には背もたれを押して向きを変えようとしている方もいました(^^;;
ドアがあった部分はこのとおり衝立、そしてフリースペースになっており、実質座席部分は4パートに分かれている格好です。キハ200系列の中では明るくなった雰囲気とともに、独特の空間の使い方は空いていればなかなか愉快です。


乗務員室との仕切りです。ワンマン運転かつ単行運転を前提にしているため、運賃箱は出っ放しの状況です。ここも化粧板が張り替えられていますが…右側の仕切り窓が小さくなっているのが気になります。
2ドア車かつワンマン運転になったので余計顕著ですが、ワンマン運転の乗り降りを考えるとドア周りに吊革を配置するのは混雑時の状況を考えるとあまり良いものではありません。早朝の1両編成故に混雑する列車にも充当する機会もあると聞いているだけに、フリースペースや座席上への吊革があった方が良いと思うのですが…いかがでしょうか?


熊本方にはトイレ、そして車椅子スペースが設けられています。これはなのはなDX時代には恐らく無かったもので、逆にこれがついたおかげで平成28年のダイヤ改正でお呼びがかかったようなものです。トイレが無かったキハ31形の肥薩線からの撤収も記憶に新しいところです。
トイレ前の区画は衝立まで4席しかありません。片側が無機質な白い壁にはなりますが、ちょっとしたコンパートメントのような気分を味わえます。

 
トイレ、そして車椅子スペースです。車椅子スペースの方は床の凸凹が座席があったことを思い浮かべさせますが、それでも床がキレイに張り替えられた様子、相当入念に整備をした事が伺えます。非常通報機、そして横方向の握り棒を完備していますが…ステップはどのように対処するのでしょうか?
そして大きなトイレは車椅子対応です。八代で接続する815系のそれとは違い、きちっと天井まで壁が伸びています。…なんか妙に安心します(^^;;


カクカクした天井周りはキハ200系列ならではの仕様です。側面の広告枠は無いですが、中吊り広告はしっかりセットされています。この天井の広さが気持ち良いですね。


床は木の床そのものです。このあたりはJR九州の得意分野。車歴の割にキレイなのはきっと稼働率…(^^;;
これだけ見るとすごくお洒落に見えるのは流石水戸岡マジック。これで通勤需要まで率なくこなす…はずですが…

 
ドア周りです。下り吉松方向向かって右側はLED表示器つき、左側はLED表示器無しという、JR九州ならではの設備つきです。尤もここの表示器よりもワンマン運賃表示器の次駅案内を見てしまうので、あまり鴨居部の表示は注目されません(^^;;
真っ赤なドアは静かに、左右同じ速度で閉まります。なのはなDX時代は黄色だったので、こちらも外観同様元に戻った格好です。ただ、正直この赤は車内にいるとあまり目立ちません。

 
LED表示器もビックリするくらい高い位置に設置されています。天井スレスレですから(^^;;;
当たり前ですが次駅案内を中心に無人駅まで1駅1駅設定されています。ワンマン運賃表示器との表示が連動しているのかどうかはわかりませんが、こちらはもう少し沿線をPRするような観光・見どころ情報を流すと面白いと思います。

 
かつてドアがあった部分はフリースペースです。吉松方向向かって右側は椅子が窓向きに設置されています。左側はテーブルが置かれ、なのはなDX時代にはなかった消火器がこそっと置かれています。
観光列車としてのフリースペースならまだ居心地も良いかもしれませんが、少なくてもテーブルだけの区画はなんとか座席にできないものでしょうか。あと、この部分こそ吊革を設けていただきたいものです。

 
テーブル、そして座席です。この座席も位置が窓側に寄りすぎていて実質お子様専用席の状態になってしまっています。大人でも着席しやすい仕様になぜしなかったのでしょうか。否、思い切ってお子様専用席としてもっと子供でも飽きないような席にするのも悪くないと思います。mozoka station868がプロデュースしても面白いとは思いますが…この車両はあくまでも普段着の車両、ターゲットを絞るような設備はあまり関心できません。


側窓はドア周りの窓とは違い、カクカクしています。座席と窓周りはほとんど合っていません。座席指定券を取る様な車両であれば許せませんが(^^;  811系、813系と窓周りを無視した車両を作り続けてきたJR九州だけに、あ、またか…くらいの印象です。
球磨川の絶景を楽しむにはフリースペースをどうぞ…ということなんですね、きっと。
モケット柄ではなく、ステッカー2枚で優先席を示しているのが何とも控えめです。


座席との衝立です。これ、意外としっかりしたもので、背丈があります。目の前では圧迫感がありますが、周りの視線が気にならなくなるのは大きいです。特にスリースペースにある高い仕切りはなかなか素敵です。乗務員さん的には車内の見通しが効かないので、ワンマン運転では車内確認がし難いかもしれません。
さて、この車両における座席数は30席。トイレ、車椅子スペースを含めて1両編成での座席数で考えるとちょっと少なく感じるかもしれません。ほとんどの時間がこれで間に合っているので私的には問題無いですが、キハ40形だったら座れたのに…というくやしさも想像がつくところです。30席の至福、ここにあり。

 
回転クロスシートです。「はやとの風」などで使われる座席からゴソッとリクライニング機能を外した格好で、なるほどリクライニングボタンに相当する部分が…見え隠れしてますねぇ(^^;
切り立った角度の背もたれに中途半端に厚い腰回りのクッション。背もたれに体を預けると垂直そのもので、この座席のくつろぎ方がいまいちわかりません。中途半端に尻を前に出しても背もたれの当たる部分は木の硬い部分… 左右で違うアームレストの造形も落ち着かず、良いのは見た目と座席後ろの帽子掛けくらいです。
乗車券で乗れる車内なんだから我慢…します、我慢できなくなったらすぐに高速バスに逃げますから(^^;;

あと、窓側の一部の席は足元に配管が通っています。キハ40ほどではないですが、足の置き場が狭いのはどちらも同じ、この世代の車両であれば何とかならなかったのでしょうか。

 
まだまだ溢れる水戸岡ワールド。小物ですが造形に美しさを感じるところ、テーブルの支えの金具です(^^;;;
そしてゴミ箱もなのはなDXから変わりません。しかしこれが中途半端な小ささで位置が低く、はっきり言って入れにくいです。せめて台の上に置いてあげれば良いのに…。


最後に残念な全景ショットを1枚。
平成28年3月改正からキハ40形単行との共通運用をこなすようになり、肥薩線を中心に、時折熊本駅まで顔を出すようです。鹿児島本線ではどうかはわかりませんが、肥薩線ではキハ40のダイヤに載せるのが性能に対して窮屈だったようで、加減速を繰り返しながら遠慮がちの運転でした。故に乗り心地もガクガクでした(^^;; 孤高の存在なのでなかなか難しいところですが、もう少しノビノビ走らせられる運用への充当を期待したいものです。そうです、キハ40形がガクガクプルプルしながら疾走するところも見たいのです(^^;;
 
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