JR九州  キハ200形
 
  1991年に福岡から投入が始まったJR九州の近郊型ディーゼルカーです。もうすっかりお馴染みの表情でローカル輸送に活躍している2両固定編成をこのコンテンツでは取り上げます。
「赤い快速」のネーミングにも使われた鮮やかなカラーリングはそのままに、ワンマン設備を追加して久大本線や豊肥本線でその活躍を見ることができます。色違いの車両は鹿児島の指宿枕崎線や長崎の大村線でも見ることができることから、それなりに輸送人員を抱えるディーゼル路線を一手に引き受けているようにも見えてきます。一方で他系列との併結が無いのが少々残念で、大きさや存在感ではごぶごぶの国鉄型ディーゼルカーとの共演を見てみたい気もします(^^;;
(取材・撮影 JR豊肥本線・大分〜犬飼)

 

 

 


車内全景です。登場時は床も暗くて濃い灰色だったので、この取材車両は床を一回張り替えて車内の雰囲気を若干明るくしています。それでもなお、モノトーンの車内は外観とは裏腹に少し暗く、正直インパクトがありません。外観は美味しそうだけど中身は……と言われてしまいそうな勢いです。3ドア転換クロスシート車の車内です。
逆に言えばこの後登場する車両に見られない直線的な、ハズレを生まない無難な作り込みが見られる貴重な車両と言えるでしょう。中の汚れも気になりにくい色なのでローカル輸送を念頭に置いて選んだ色がこういう車内を作り出したのかもしれません。

 
乗務員室との仕切りです。運賃箱は乗務員室の仕切りのすぐ後ろに専用の箱を作って出し入れするタイプです。乗務員室の仕切りを兼ねたり乗務員室内で出し入れするタイプが多い中、後付改造車が多かったキハ200形ではつけやすい格好を選んでいます。
吊革と運賃表示機のコラボがワンマン運転の動線を若干無視しているようにも見えますが(^^;; お客さんにとって一番記憶に残りそうな部分もこのように直線的な構成。これでは外観は記憶に残っても、車内までは記憶に残りません。

 
熊本方につながっている車両の車端部は固定クロスシートが展開しています。それに対して大分方車両の車端部は片側がトイレになっています。まだ車椅子スペースが広まる前の時代に製造されたため、このように座席を多く配置できるような構成になっています。車両ごとにゴミ箱がある点は立派ですが、整理券発行機は整理券を発行する駅における乗客数を考慮すると片側だけでも十分間に合います。
優先席は各車両ともドア〜ドア間のクロスシート2席分、左右1ヶ所ずつ計4席があてがわれます。白いヘッドレストカバーがなかなか目立っています。


トイレです。この部分も含めてドアの色を何もいじってないのが珍しく、個人的にガッカリした部分でもあります。湯布院も通るのだから、もう少しデザインに力を入れても良かったのではないでしょうか。
トイレの大きさ自体は一般的なものですが、ドアとトイレの間がググッと近くなった関係でトイレの場所がわかりやすくなっています。


天井はカバーつきの蛍光灯に吹き出し口が備わるフラットな仕様です。ドア付近に吊革が備わっていますが、817系で見られるような吊革の遊び心は一切ありません。こういう部分も水戸岡鋭冶さんのデザイン展にパネル展示して欲しいものです。


床です。こちらも以前は天井と同じような灰色だけのダークな空間でした。今は灰色にアイボリーを絡めたモザイク柄です。決してヒントでピントの出題画面ではありません。


ドア周りです。座ると困るというピクトグラムが窓の下に貼られていますが、キハ200形はステップつきのドアになっている上に整理券部分に余裕があまりないので、正直座る光景はあまり想像できません。
自動ドアは無塗装ステンレスで、外観のお洒落な雰囲気と材質や窓の大きさは同じなのにどこか一時代前の雰囲気を醸し出しているようにも思えます。灰色の鴨居部が重くのしかかっているからでしょうか?


窓周りです。キハ200形もそうですが、JR九州の転換クロスシート車に窓割りを期待してはイケマセン。
端の席は方向が逆だったり4人向かい合わせの状態になるケースが多いですが、そばに帽子掛けが設置されています。ちょっと上着をかけておきたい時に覚えておくと何かと重宝しそうです。真ん中の窓と窓の間の桟にも設置されていますが、設置場所が微妙で使いづらい面もあります…。

 
ここからは怒涛の座席の森。画像まずは珍しく車端部の4人1組のクロスシートからです。
基本的にクロスシートで構成されたキハ200形、811系にはなかった「クロスシート+背面仕切りパネル」がここで登場していますが、仕切り部分の取っ手を兼ねたパイプの造形が実用的にも関わらずお洒落に決めています。ゴミ箱や消火器のスペースをまとめた仕切りもこの時点で登場していますが、こちらはコンビニエンスストアのゴミ箱のような味の無いまとまり方で、もう少し垢抜けるには813系まで待たないといけません。

 
ドア〜ドア間はクロスシートが固定・転換含めて左右6組ずつ並んでいます。非常用梯子がいつ設けられたかは不明ですが、優先席の白いヘッドレストカバーは近年設置されたものかと思われます。JR西日本エリアでは優先座席ですが、JR九州エリアではJR東日本を意識したヘッドレストカバーになっている点が面白いです。

 
固定クロスシートです。基本的なスタイルは転換クロスシートに合わせてありますが、窓側の肘掛けは固定クロスシートをイメージしたデザインになっています。妻面のクロスシートは黒い枠で覆われていてやや窮屈な印象を受けますが、実際に座席幅が他の座席よりも狭められており、本当にやや窮屈です(^^;;;
黒いフレームなのでモケットもあまり目立ちませんが(^^;;バケット形状のクロスシートに仕上がっています。ヘッドレストがあまり出っ張っていないので自然な着座でゆったり寛げますが、固定クロスシート部分も座面が平らになってしまっています。


端の席、優先席バージョンです。優先席はヘッドレストカバーの他にステッカーでも告知されています。が、ステッカーの方はちょっと小さいですね(^^;; 1両に前後2席ずつ設けられています。


転換クロスシートです。ドア〜ドア間に設置されたもので、肘掛こそありふれたデザインですが、フレームの黒、ヘッドレストから取っ手にかけてのデザインが独特です。黒のモケットってあまり見ませんがこうやって黒で固めると格好良さが出てきますね☆ 単にスターフライヤーで見慣れた部分があるだけかもしれませんが、車の車内に専ら黒やグレーが多用される昨今、このモケットの色はなかなか先見の明があったのでしょう。転換クロスシートなので背もたれの形状がややまっ平らなのは仕方が無いとして、座面がここでも平らになってしまっています。


ローレル賞と禁煙を示したプレート。あれ、プレートの右側に隠れた表示は…?!
 
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