JR九州 713系
 
  宮崎県内の日豊本線で活躍する小所帯、713系900番台です。元々長崎地区で活躍していましたが、その後宮崎空港アクセス線の目玉として宮崎までやって来ました。登場時は落ち着いた雰囲気の塗装でしたが、現在はご覧のとおり…ヘッドマークが掲出されそうな部分には太陽がニッコリ(^^;; でもこの塗装、わかりやすくて正直好きです。
817系が幅を利かせる現在は延岡〜西都城と宮崎空港線の運用が主で、昼のまったりワンマン運用よりも朝晩の通学輸送に充当されることが多いです。鹿児島で見かけた時にはビックリしましたが、現在は鹿児島中央への運用は回送のみ、この車両だったらロングラン運用でもいけそうな気がするのですが…
(取材・撮影 JR日豊本線・南宮崎 他)

 

 

 


車内全景です。2ドアでドア付近にロングシート、ドア〜ドア間にリクライニングシート(!)を配置した車内は外観同様ビビットな車内に仕上がっています。国鉄時代?何それ?と言わんばかりの水戸岡カラー全開の車内ですが、色の使い方が絶妙で、いざ座ってみるとそこまで派手さは気になりません。
なお、今回は平成27年7月に取材した模様をお送りします。リクライニングシートのモケット変更後の様子で、変更前はさらにワンダーランド感漂う車内でした。

 
乗務員室の仕切りです。ワンマン運転化改造に伴い座席を撤去し、ヒーターにはカバーをつけて武骨な印象になりました。ここの改造も水戸岡先生が手掛ければもっとポップで楽しい広場になったと思うのですが、何らデザイン性を求めることなくやっつけ仕事の如くカバーをつけてしまったのは残念で、さらに残された荷棚に座席番号が振られたまま放置されている点はもっと残念です。


延岡方先頭車の車端部の様子です。赤いちゃんちゃんこが両側にスタンバイしています(^^;; 赤、緑、青と色とりどりの車端部ですが、濃いながらも落ち着いた色を壁に使っている様は一時代前の雰囲気さえ漂っていますが、角の丸みや非常灯のカバーなど見所もそれなりにあります。そういえばこの妻面に広告枠はありません。


ちょっと引き気味にトイレ付車端部です。西都城方先頭車です。こっちは黄色。この鮮やかな黄色と青の組み合わせが素敵です。青は…スク水ということで(殴

既存のトイレを大胆にリニューアルしました。消火器入れも兼ねた仕切り、実はトイレに入っていく人の姿を見えにくくする効果も併せ持っています。…と、そこまで気にして作っているとはとても思えない座席配置ですが…(^^;; また、非常通報機はそのままの形状で使われていて、幾分地味な印象です。
この黄色いトイレは815系でも見ることができますが、815系よりも鮮やかなイエローです。


天井周りです。まばらな間隔の蛍光灯にスポットの吹出口という佇まいは国鉄時代と変わらない部分ですが、吊革の支持棒や化粧板の貼り替えは行っています。813系でも見られる吊革の支えがなかなかSFチックでお気に入りです。座席配置が変更になったためこのあたりの付け替えをした具合で、天井にはあまり手を加えない水戸岡先生の特徴はこの車両も一緒です。
運用の都合上夜乗る機会にはなかなか巡り合えませんが、蛍光灯の数に対して車内がどこまで暗く見えるか、一度見てみたいものです。


床は青みがかったグレーをメインに柄を散りばめたものです。この柄、ワンマン化までは想定していなかった柄のようで、未だに整理券発行機の周りには床を貼った跡がくっきり残っています。そして所々にある仕切りの美しさもあわせてご覧ください。この時期はふんだんな木材は使われていませんでしたが、それでも所々に木の天板が良い感じで設置されています。


ドア周りです。真っ赤なドアは外観と通じるところがありますが、外観のドアは上3分の2は青く塗られています(^^;;
ワンマン運転時は後ろの車両のドアが開かない駅があります。また、ドアチャイムが設置されています。それでも武骨な外観、ステップは登場時から変更ありません。


窓周りです。典型的な2段窓ですが、ロングシート部分は1つ上のドア画像のとおり窓の下半分が座席で覆われていて、下半分を開くことはできません。そそ、このあたりの清掃ってどうなっているんでしょうね…(^^;
荷棚は通路側にプラスチックの部品を用いて座席番号のシールを貼っています。下の景色が写っていますが、半透明や透明のプラスチックを用いているわけではありません。

 
各車両西都城方のドアとリクライニングシート区画の間にはロングシートが備わっています。座席はそのロングシートから見ていきます。既存のシートヒーター、カバーを活用して座面と背もたれを完全に作り変え、ヘッドレストまで設けています。ヘッドレストつきのロングシートといえば現在少しずつ私鉄で増えつつある傾向で、JR九州でも徐々に増えてきていますがこの車両はそのはしりではないかと思います。柄の関係で見えにくいですが、区分ごとの縫込みが座面、背もたれ両方ともあります。


車端部は7人掛け。車端部としては異例の長さですが(^^;; 2両編成で均等にドアの位置が来るように…という国鉄末期でキハ37形とともに施工された仕様です。こちらも赤いちゃんちゃんこですが優先座席の扱いは特に受けていません。優先座席ステッカーよりも目立つモケットだけに、優先席もモケットで区別したら…と、ついつい思ってしまいます。
袖仕切りに関してはオリジナルと一緒で、もう少しドア脇に余裕があったらここにも素敵なリフォームの手が加えられていたことでしょう。

 
トイレ前はこの編成唯一の青いモケットのロングシートです。トイレの前も平然とロングシートが並ぶ姿はプライバシーのプの字の配慮もありません。このロングシートに置き換える際、撤去されたであろうクロスシートに対して何も思わなかったのでしょうか…。
座り心地は座面に奥行きがなく、背もたれの直線的なスタイルに対して少し硬めの座面が受け止めきれていないように感じました。で、あまり座られていない感じがするのは、きっとみんながみんなリクライニングシートに走ってしまうからでしょう(^^;;;


ということで、残念なモケットになってしまったリクライニングシートです。元々黒を基本にしたモケットでしたが、モケット変更が近年行われ、茶色のツートン市松模様に改まりました。この地ではキハ40形でも見られる色で、普通列車の座席を暗に明示させる色でもあります。うーん、勿体無いしこのカラーコードは想定していないのでは…。
座席回転ロックのはまりがあまり良くない上に、テーブル関係の補修が結構目立つようで、別の編成ではテーブルの色自体違うものに代わっている座席もありました。酷使されている様が伺えます。


窓枠と座席位置が合わない座席も多いですが、窓配置だけで考えると端の席にこのような足元狭めトラップが仕掛けられている場所に気付かず座ってしまうこともあり、油断は禁物です。こうやって考えるとこの車両の座席、実は当たりポジションが少ないと思います。座ってしまえばバケット形状がスッとフィットする快適な座席だけに、いの一番で後ろの方の窓枠とピタッとあっている座席を抑えたいところです。

 
片側5列だったり、6列だったり、そのあたりの不徹底ぶりも謎ですし、仕切りが窓の真ん中に来る仕様も改造車であることを物語っています。ファーストフード店で見かけるようなデザインも、鉄道車両の中ではなかなか見かけないものです。さ、あとはこのカラフルな車内に似合う素敵なモケットをぜひ!
 
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