JR九州  813系3100番台
 
    大きなLED表示機が特徴の813系1100番台。しばらく安泰かと思いきや、側面にカメラを設置し、車内に一歩入ると……
2021年は新型コロナウイルスの蔓延でこれまで経験したことが無い数々の問題に直面しました。いつだって真面目に生きているワタシだって困ったくらいですから、テレワークの普及、旅行の自粛、原油高などで減収の憂い目に遭った鉄道事業者の方々もさぞ大変だったことでしょう…。
そんな中、2021年に効率化を求めて改造を施され登場したのが813系3100番台です。元々日豊本線の小倉〜中津間のワンマン運転でよく見かける車両です。
ちょうど2021年は他の813系や817系でも効率化を求めた改造を行っており、結果新聞を賑わせるほど話題になってしまったわけですが…蓋を開ければ納得するでしょう、半分十八番のような改造ですから…(^^;
(取材・撮影 JR日豊本線・柳ヶ浦 他)

 

 

 


中津方先頭車の車内全景です。3ドアクロスシートの車内は変わらず転換クロスシートが並んでいますが、何やらドア周りが広くて、何かがあった跡が床に残っていて…これが弥生時代の何かの跡だったら小躍りするわけですが(^^;; なんのことはない、ドア〜ドア間5列あった座席のうち端の2列を撤去した「座席撤去車」が3100番台の正体です(^^;;
JR九州では主にキハ31形やキハ47形で度々座席撤去を行っており、特に前者は廃車されるまでその跡がくっきり残っていたので「あぁ…いつもの事か…」というのが正直な感想でした。しかし今回は福岡都市圏を広くカバーする車両…それも多くの車両で行ったこと、座席数が一気に少なくなってしまったこと、暖房の効きが悪くなった…と不満が噴出。ドア周りが混んで中になかなか入れない事情との異論反論オブジェクションになった格好ですが…「いつもどおりのことをやったら反響が大きくてさぁ大変。」と涼しい顔をしたJRさんのお姿が早くも想像できるのは私だけでしょうか。

 
乗務員室との仕切りです。1100番台を名乗っていた時期の話で恐縮ですが、投入時期によって2種類の仕切りがあり、右の画像、仕切り壁の位置が左右で同じ形状のものが2009年に投入された13次車になります。個人的には左の画像の12次車に当たる事の方が多く、帰って画像を整理していて「あれ…?」と思った次第。相変わらず鈍感です。広告枠が1個減ったくらいで、車内の床面積や居住性に大きな変更はありません。
その12次車も以前は広告枠の下の機器スペースがなく、非常用はしごが置かれていました。非常用はじごがお地蔵さんのように佇んでいる様子が一周回って良く目立ちますが、その上の仕切り窓、運転席部分は擦りガラスになっています。車内を確認したい時に乗務員さんが後ろを振り向くと映してはいけない世界が広がっているような感覚も一周回って新鮮です(^^;;;

 
トイレ・車椅子スペースは小倉方先頭車に設置されています。ここも左の画像は12次車、右の画像は13次車で介助者用の折り畳み座席が設置されています。トイレ部分の張り出しが大きいのは「いつもの事」で、わかりやすい位置にゴミ箱が設置されているのは嬉しい反面、蓋が無いのはちょっと気になります。

先にトイレとの仕切りです。車椅子対応型の大きなトイレで、青いドアが印象的です。以前415系では黄色く塗っていたトイレのドアですが、813系では貫通扉と同じ色…ここは色分けするとよりトイレであることがわかりやすくなりそうな感じがします。
そして微妙な位置に妻面に設置したかった広告枠…ドア脇の広告枠に並べて設置すればもう少し目に留まりそうなものですが、むしろ隣の車両から貫通扉越しに見た方が見やすい位置、狙いは一体…。

 
車椅子スペースです。左の画像は12次車、右の画像は13次車です。どちらも製造当初から吊革がくっついているのはなかなか実用的です。ちゃんとした手すり、そして滑り止めを兼ねた床をしっかり設けていますが、通路として考えた時に13次車の滑り止めの範囲が広いのは引っかかったりしないかしら?と余計な心配までついついしてしまいます。


車端部です。2種類のうち片側にゴミ箱を設けた車端部を撮りました。もう1種類はゴミ箱がない車端部で、中間車小倉方のみに見られるものになります。この部分での12次車、13次車の差は特段みられませんが、画像は12次車の車端部になります。
貫通扉の周りにも手すりがあり、吊革もしっかり備わっていてつかまる部分が多いのは3100番台でも健在です。立席スペースを増やしたい思惑の中で「ゴミ箱つきの仕切り」が残ったのはホッとしています。妻面クロスシートのはみ出し具合も含めて1100番台の良心がギュッと詰まった…と言えば聞こえは良いですが、弄りようがなかったのでしょう、きっと(^^;;

 
天井です。左の画像が12次車、右の画像は13次車で、画像ではちょっとわかりにくいですが…車内中ほど優先席の吊革が黄色くなっています。
大きな変化があったのは荷棚で、座席が撤去された部分もそのまま荷棚が残っています。で、ぶつけないようにテープを貼って、出っ張っている部分にコーティングして…いやいや、それでも気が付かない人はぶつけますし、ぶつけた時の痛さは想像以上のものがあるかと…正直、頭から☆が出るのでは…あ、例えが古いですネ(^^;;
頭が沸騰する前に、ドア〜ドア間の荷棚、両端1区画分切れば良いのに…。

 
ドット柄の床です。左の画像は12次車、右の画像は13次車で、ドア前に黄色いシートが貼られています。それとは別に12次車と同じドット柄の滑り止めシートを貼っています。元々アイボリーのドット柄だっただけに、どう見てもくたびれています…。
そこに座席撤去部分の跡が際立つ今日この頃。もう哀愁しかありません…。

 
ドア周りは12次車の模様をお届けします。左の画像はLED表示機、右の画像はLED表示機が無いドアで、13次車は鴨居部の下にあるランプが開閉時に点滅します。
どちらも真っ赤なドアで、静かに、ソローリソローリ開閉するドアは昔からそのままです。この赤が結構良い色で好きですが、ドア窓の縁の黒がなかなかの迫力です。その内側のガラスが着色されている様子はドアステッカーの見え方からも伺えます。「床に座らない」はよく目立ちますが、LED表示機の機器を避けるように若干下がった位置で固定されている広告枠も何かと目立ちます。

 
鴨居部のLED表示機は片一方のみの設置で、小倉から中津方面行きであれば進行方向右側に展開します。こちらも12次車での比較になります。
LED表示機では次駅案内、行先案内が主たる内容ですが、いかんせん字が小さいのです…。吊革が邪魔で見えない場所もあり、もう少し低い位置で設置して欲しかったものです。


側窓です。カーテンの代わりに着色ガラスを用いていますが、上3分の1くらいはさらにフィルムを貼っていて黒みを増量させています(^^; そうでなくてもドア〜ドア間の窓割とシートピッチが合う座席が真ん中の2席しかない悲劇… みんな乗ったらスマートフォンに目を落とす成れの果てがこれかと思うと何も言えなくなってしまいますが…まぁ、元々5列中2列は横に桟が来る仕様で、その2列が残っちゃった結果なので、色々文句が思い浮かんできてしまうのです(^^;;


13次車だけ車椅子スペースに設けられた介助者が座ることを想定した折り畳み座席です。しかしながら、この席は利用されているのでしょうか…。
ちょっとしたクッションがついていますが、座面は引き出して手を離すとすぐ元に戻ってしまいます。

 
車端部の4人1組のクロスシートです。12次車、13次車ともに同じ座席を載せています。右の画像はドアと座席の間にゴミ箱や消火器ケースを設けていますが、座席はそれらが無い部分と同じです。
妻面の座席も若干はみ出していわゆるS席扱いの席を作っていません。そして窓側にもしっかり肘掛けを設けています。座面もしっかりした作りで、この車両であればここに座りたい!と思うほどです。消去法ですが(殴
妻面、ヘッドレストの上のフレームは着席時気になりそうなポジションですが(^^; 実際はほとんど気になりません。

 
ドア〜ドア間の座席です。もう嫌らしい撮り方ですね…ここに座席がありました、みたいな(笑
パッと見た感じ転換クロスシートが片側2人掛け3組ずつの構成ですが、両端の座席の背もたれは固定されています。よって、ドア〜ドア間は4人1組のクロスシートと2人掛けのクロスシートの組み合わせになります。
背面が仕切りから背もたれになった関係で寄りかかりにくくなってしまい、結局ドア脇の戸袋部分に寄りかかる方は一向に減らないという…悩ましいデータイムの車内でした。

…せめて、端の席を持ってこれなかったのでしょうか。

 
ということで、ドア〜ドア間はこの組み合わせになります。優先席は中央のドア入って左右2席ずつが指定され、ヘッドレストカバーで示されています。
今回の改造で座席そのものに手は加えられていません。少し平らで底つき感がある座面は経年でしょうか?こちらも窓側に肘掛けがあるのは嬉しいですし、ヘッドレストがあるのはいかにもJR九州の車両らしいなぁと思うのですが、手すりの塗装の剥げ方がソニックの満身創痍のソデ体を彷彿とさせるものがあり…こちらも、そろそろメンテナンスをお願いしますネ。


そして、毎日乗る車両がある日突然こんなことになったら、利用者の誰もが何があったかが一発でわかってしまうわけで…。
何にも利用者に還元されない謎の棒がくっつきましたが、座席がこんなものに化けたと思うと…涙が止まりません。

覆水盆に返らず。

今回の措置は一過性のものであって欲しいと強く思っています。
また利用が回復したら、或いは年月がある程度経ったら…今の転換クロスシートに代わる座席が元々の座席数分くらい用意されて、床もキレイになるんだろうなぁ…と、せめて811系のような展開を心から願っています。
 
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