JR九州  811系ロングシート改造車
 
  2017年から徐々に増えつつある811系のロングシート車です。ロングシート化や車椅子スペースの設置などで番台区分が色々分かれているので、まとめて「改造車」のくくりで紹介します。
足回りを含めての改造なので、動きもなかなか緩やかで…とは言いつつも、2023年に鹿児島本線に乗っていると結構な頻度で「青、赤、青、赤…」とは違う帯の車両とすれ違いました。中には青、赤…の後に青だけの帯が続くこともあり、油断ならない存在です(^^;;
例によってアルファベットがあちこちに散らばるデザイン。でも、CTと書かれたロゴのギザギザが切手ぽくてどことなく可愛いムード。で、この赤いCTは一体…?!
そしてきっと、引退間近になると「青、赤、青、赤…」の帯に巻きなおして、日豊線縦断ツアーとかやるんだろうなぁ…と、あ、余計なお世話ですネ。
楽しみにしています。
(取材・撮影 JR鹿児島本線・海老津〜二日市)

 

 

 


中間車の車内全景です。車端部も含めて全てロングシートになりました。荷棚や窓配置、貫通扉などに種車の面影が残っていますが、床を貼り替えたこともあり、かなりキレイに整備されている様子が伺えます。モケットの色合いもこれまでよりも若干暗めにシフトし、メリハリがついた雰囲気です。そうそう、これだけ徹底的にリニューアルしているにも関わらず、木の素材が一切感じられない車内に仕上げたことも妙に新鮮で(^^; これまで転換クロスシートの仕切りなどを活用していたゴミ箱や消火器を設置し直した様子を見て、JR九州らしさを再確認した次第。いや、他にもあるのですが…(^^;;

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は鳥栖方、右の画像は門司港方の仕切りですが、両者に大きな違いはありません。
仕切りのベースはこれまでから変化はありません。大きな窓もそのままですし、間に挟まった温度計もそのままです。ただ、化粧板が貼り替えられた他、自由席・指定席を示すプレートがなくなっています。荷棚の座席番号を示すプレートも撤去されています。
取材したのは2023年11月。ネームプレートはそのまま使用していますが、今後これ、どうするんでしょうね…。

 
車端部です。左の画像は中間車で見られる両側ともロングシートのもので、右の画像は鳥栖方車端部以外でみられる片側車椅子スペースの車端部です。なお、編成によっては車椅子スペースが編成内で1か所だけ設置されているものもあるようで、その場合は右の画像の車端部は見られません。
やはりこちらも化粧板を貼り替え、指定席・自由席切り替えのプレートが撤去されています。吊革は若干ベルトの長さが長くなっているように見えますが、数そのものも転換クロスシート時代よりも増えています。
広告枠は転換クロスシート時代と同じポジションをキープしており、袖仕切りの高さに合わせて移設した戸袋部分の広告枠とは対応が異なります。

 
鳥栖方先頭車にはトイレ、車椅子スペースが設置されています。また、サハ811形のうち1両は元々あったトイレを活用した機器スペースを設け、反対側にロングシートを設置しています。座席が無ければ反対側はトイレ、あれば機器スペース…近づかなくても区別できるようです(^^;; この機器スペース、外観ではRED EYEなどとアピールしていますが、車内ではそこまで積極的なアピールはしていません。お得意のレタリング術でもっとアピールすれば良いのに…。
この区画、LED照明と明るい化粧板の効果で暗い様子は見られません。これなら貫通扉の窓を今風に大きくしなくても明るさをキープできます。

 
どちらかがトイレ、どちらかが機器スペースです(殴
今回のロングシート化で洋式トイレに改良したとのことですが、大きさは従来のままです。機器スペースも元々の仕切りを活用している様子が伺えますが、扉や使用灯の跡が見られないのはリニューアルのおかげです。この区画、特に機器スペースは何か手すりがあっても良いのでは、と思うものですが…。

 
車椅子スペースです。鳥栖方先頭車とそれ以外の3両で仕様が異なり、特に補助席は鳥栖方先頭車のみの設置です。それ以外の3両の配線がなかなか生々しいもので(^^; 非常通報機を備えています。ピクトグラムの左脇にある黄色いステッカーはリュックサックを背負ったまま乗らないで!と呼びかけるものです。
画像を見てのとおり、滑り止めのシートが剥がれています。今にも剥がれそうなものもあるなど、見ていてこれはちょっと…と思った次第。シートが小さいから剥がれやすい…程度だったら良いのですが、立客が擦って剥がれているのであれば、見た目以上に止まらない滑り止め… 受験生の皆様、しっかり踏ん張ってください(^^;;


天井です。照明のカバーがなくなり、LED照明になりました。カバーつきの照明よりもかなり明るくなり、色合いも昼光色にシフトしたようなものになりました。リニューアル後の座席や床との相性はバッチリだと思いますが、眩しい…という声も理解できます。
そして、吊革の多さがとにかく目立ちます。天井からの支持棒が二種類あるのがユニークであり、この車両の改造経歴を垣間見ているような感じがします。私としては、眩しいよりもスッキリしない、ぐちゃぐちゃな構成の方が落ち着きませんでした。


床です。紺色に灰色を散りばめた模様で、ドア付近に黄色い滑り止めを施しています。そうそう、この長さであれば取れることはないはず…(^^;

 
ドア周りです。左の画像はLED表示機が鴨居部についたもの、右の画像は無いものです。JR九州のLED表示機は長らく左右どちらかにまとまって設置されていましたが、なんということでしょう、811系では千鳥配置になっているではありませんか!いやはや、驚きました…。
ドア自体は無塗装ステンレスのもので、窓の押さえが415系でも見られる黒縁のものになっています。ロングシート化で消火器がこのポジションに設置されたのは理解できますが、この部分にお客さんが滞留することを考えると、カバーが欲しくなります…。

 
鴨居部です。独特な形状、そしてドアコックのカバーや案内はそのままです。LED表示機は天井に近いところに設置されました。正直、もう少し文字が大きいと良いのですが…広告枠をこの大きさでキープすることを考えると、ちょうど手ごろな大きさなのでしょう。
LED表示機では次駅案内などを中心に展開します。


窓周りです。転換クロスシート車の時代同様1段下降窓ですが、真ん中の窓は開きません。また、着色ガラスを採用しています。枠そのものも流用していることから、ロールカーテンの跡もチラリ。JR九州の新造車両の流れから察すると理解できるところはありますが、着色ガラスの色味は気になりますね…なんで夜乗ったんでしょう(^^;;
窓枠、下の部分が若干座席側に出ていますが座り心地には影響ありません。

 
ロングシートです。ドア〜ドア間は10人掛け、車端部は4人掛けです。ドア〜ドア間にはスタンションポールを2本設置しています。
バケットシートですが、座面、背もたれとも分厚く盛っています。特に座面の沈み込みはここ最近のJR九州の車両にはなかったもので、なんか不思議な感じがします(^^;; それでも座面が3分割されていてやや平らなイメージを受けますし、切れ目の部分に何か挟まらないか、もっと言うとどこまでこの状態が保てるでしょうか…。
一方、背もたれは形状が若干不思議で、腰に当たる部分が前に出すぎています。この形状どおりに座ると尻から下が前に出そうになりますが、窓枠との干渉を回避するための形状でしょうか。はたまた、壁面の取付金具の都合でしょうか。


優先席は真ん中のドア入って2か所、左右3人ずつの設定です。415系でもお馴染みの配置ですが、シートカバーの設置はありません。優先席は赤いモケットを用いて区別しておりますが、通常仕様のモケットも博多織などの織り物をイメージした、これまでに無い柄を採用しています。1席ずつ区分したところとそうでないところが入り乱れ、見ていてなかなか面白いですが…め、メンテナンス…(^^;;;


袖仕切りです。こちらは最近のJR九州の通勤車ではお馴染みの形状のものですが、ご覧のとおり座席にピタッとくっついています。813系ロングシート車のように肘掛けを設置する余裕が見られないのが若干残念でもあり、金具の黄色が今後剥げなければいいなぁ…と思うものです。

 
さて、このロングシート…上から見ると戸袋部分の内壁と背もたれの間に若干隙間があります。窓枠が若干飛び出ているのでその干渉を防止するための空間かと思いますが、場所によって隙間の幅がマチマチで…これ、どのような設置をすれば生じる隙間なのでしょうか。ここに手を入れる人は流石にいないと思いますが、ふとした拍子に物を落とした時に、運よく床まで落ちないと…。
右に見えている金具は袖仕切りの支持金具になり、座席とは関係ありません。


鳥栖方先頭車の車椅子スペースに設置された補助座席です。
使い終わったら元に戻して…と書いてありますが、復帰力が強い補助席、展開時の画像は撮れません。
補助座席だからこその大きさですし、座り心地は二の次…ですが、あれば助かる座席だと思います。
他の車両の車椅子スペースにも欲しいですネ。
 
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