JR九州  415系100番台[ロングシート車]
 
  各地でラッシュの切り札として活躍している415系。福岡都市圏でもつ鍋(とお酒☆)をたっぷりいただいた後、ほろ酔い気分で電車に乗ったら大分所属のロングシート車でした。
JR九州では鹿児島地区や大分地区、福岡都市圏などで依然活躍する415系。特に関門トンネルを抱えている以上は交直流電車は必須で、昭和・平成・令和と関門トンネルの主になっています。
近年415系で組成された12両編成の列車はなくなりましたが、今回取材した列車は8両編成。堂々としているので、走りも堂々と…を期待したいところです。
外観は側窓の2段窓が整然と並び、ドアの上にも帯が一本引かれています。JR東日本の415系は窓の下だけだったかと思いますが、それでも十分懐かしい外観です。
(取材・撮影 JR鹿児島本線・博多〜福間)

 

 

 


車内に入ってビックリ。壁の灰色と床の斬新な色の使い方、そして紫のモケット。JR九州の415系ロングシート車はモケット色違い等他に少なくても2種類あることを把握していますが、この車内が一番オーソドックスではないでしょうか。3ドアでJRになってからロングシート化改造を行っています。
私的には床の配色は結構好きで、なんとなくスケッチブックを連想させる色になっています。その上の化粧板がちょっと車内を暗く見せているように感じますが、キハ200形などこの手の色の化粧板が瞬間風速的に流行った時期の名残…と考えれば起用も納得です。
取材時は夜だったにも関わらず、なぜかほとんどのカーテンが閉まっていました…。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が門司港方先頭車、右の画像が鳥栖方先頭車です。門司港方先頭車には車椅子スペースが備わっています。100番台はシートピッチ拡大車で、乗務員室も少し出っ張ったものになっています。窓配置も異なるのが特徴ですが、仕切り窓は埋められたようです。中央の仕切り扉は青紫色に塗られていて、誰が思いついたかはわかりませんが…なかなか良い色のチョイスです。
ドア周りの吊革の配置もなかなか他のJRでは見ないもので、線路と垂直方向の増設になります。


車椅子スペースです。ドア付近の増設された吊革と同じ支持方法で、今度は線路と平行方向に吊革が設置されています。窓の下には握り棒が見えますが、車椅子のマークは逆に見られません。フリースペース的な立ち位置なのかもしれませんが、これだけ広い床があるとつい…あ、床には座らない…失礼しました(^^;
仕切りには非常灯と温度計も見られます。


トイレがある車端部の様子です。妻面の貫通扉も青紫色一色です。その隣、クロスシートは従来4人1組のものでしたが、ロングシート化にあたって片側を撤去、2人掛けだったロングシートを3人掛けに切り替えています。JR東日本の115系ロングシート改造車を見るとここの部分はそのままクロスシートが残っているので、この座席配置はJR九州ならではのちょっと珍しい結果になったと言えるでしょう。とはいえ、211系や415系1500番台ではお馴染みの座席配置なので、独特のもの…というほどでもありません。窓配置とロングシートの長さがちょっと違うかなぁ…という細やかな愉しみです。


トイレのドアは黄色…このあたりの色の使い分け、私は結構お気に入りです。しかし原型そのままの便所との仕切り、ドアの色を頑張って変えてもドアノブは懐かしい形状、高い位置の広告枠もそのまま…なかなか若返りって難しいものです。

 
車端部は100番台ということで当初からロングシートが5人掛けで備わっています。ここも周りのロングシートに合わせてバケットシートになっています。右の画像はパンタグラフの下の車端部で、天井が若干下がっていることが画像からも伺えると思います。ロングシートの仕様でも妻面に窓はなく、貫通扉は青紫色に塗られています。格好良く見せるのであれば貫通扉の窓を下に伸ばす方法もありますが、ここはあくまでも従来の415系のものをそのまま使っています。


天井周りです。ここはあまりいじっていないようで、冷房の吹き出し口、蛍光灯の位置、凹凸のある天井がもう懐かしさ全開です。一方、天井周りの広告枠を撤去したところもあるようですが、そのネジが所々に残っているのがなんとも言えぬ寂しさを出しています。
天井から伸びる吊革や荷棚の支持は無塗装の銀色、その吊革の取っ手は○、銀色の行きつく先はフレッシュグレーの化粧板…この組み合わせはレトロヒューチャーとでも言うべきものでしょうか。重点を置いているところが会社によって違うのが面白かったのが90年代後半あたりの元国鉄車ならではの楽しみ方でした。


床です。この415系の一番特徴的な部分かと思います。フットラインをこの2色で形成する決断、初めて見た時は大いに驚きました。あえて汚れが目立ちそうな黒をドア周りに持ってくるセンスに脱帽です。


ドア周りです。吊革の向きがちょっといつもと違うだけで少し違和感…。鴨居部の出っ張りや周りの戸袋窓はそのまま残しています。左の座席は車端部のものですが、結構ドアギリギりまで迫ってきていることが伺えます。これで床に座られた日には…。銀色の無塗装のドアで、ゴム関係は黒色に切り替わっています。ドアステッカーもJR九州ではすっかりお馴染みのものですが、このメリハリのあるデザインは流石です。


窓周りです。優先席のステッカーも見えますが、優先席は中央のドア周りに2か所設けられており、窓側のステッカーのみの対応です。従って、今回の取材のように専らカーテンが引かれると優先席がどこだかわからない事態になってしまいます(^^;; 唐津の103系では策を講じていたので、こちらもいつかは策を講じるのでしょうか…。
窓の構成はシートピッチ拡大車故に単純なものになります。


座席はトイレの隣のクロスシートからです。座面のみバケットタイプに変更されている他、座面と背もたれの間にモケットを貼っています。(ここの部分だけでも違いが楽しめるのがこの頃の近郊形電車ならではです。)バケット化はされても適度な柔らかさは残っているので、そんなに驚くほど座り心地が劇的に変わった様子はうかがえませんでした。
編成中クロスシートはここだけ。多少座席幅が短くても、視線をどこにおけば良いのかよくわからなくても、どう転んでも2席しかありません。

 
その隣のロングシートです。ロングシートは背もたれもバケットシートになっています。元々奥行きの深い座席で、その深さを活用してバケットシートにしているため、座り心地は相変わらず奥までゆっくり腰かけられる仕様で安定しています。見た目はそこそこ凸凹しているんですけどね…。クロスシート側の袖仕切りは斜めにカットされていますが、これはクロスシートの乗り降りを意識しての形状でしょうか。
 
乗務員室の後ろの2人掛け、3人掛けの座席です。ここも最大限座席幅を広げている様子が画像からもわかります。2人掛けは運転席の後ろ、3人掛けは鳥栖方先頭車1か所のみの存在です。バケットシートになっても壁にピタッと座席がくっついたことで、若干窮屈さは増した印象です。モケットは紫の市松模様で、JR九州管内ではそこそこ見かけるモケットです。鹿児島には茶色モケットがいたり、別編成で赤いモケットがいるなど、この系列も485系に負けず劣らずバリエーションが豊富です。

車端部の5人掛けロングシートです。ここも元々の座席をそのまま活かしてバケットシート化されています。ただ、この部分のロングシートの切れ目が左から2人掛け-3人掛けのデュオなのに対し、窓の配置は左から3人分-2人分のハーモニーになり、若干の食い違いが見られます。これは一体、何を狙ってこのような座席配置にしたのでしょうか…。
乗務員室の仕切り同様切り立った壁が妻面に立ちはだかりますが、取材で見た範囲内ではその妻面に灰皿の跡などは見られませんでした。今のJR九州のセンスであれば、同じ壁…の反対側は木のひじ掛けとか登場していたんでしょうね…。


10人掛けのロングシートです。5人・5人でひじ掛けを間に入れたロングシートで、バケットシートと相乗効果で定員着席がしやすくなっています。こちらも奥行き深めの仕様で、ふと程良く柔らかい座面に包まれる安心感が備わっています。座面の下は斜めに蹴込みが施されていますが、このあたりの仕上げもつぎはぎ感が全くありません。


その手すりと袖仕切りですが、どちらもパイプ構成ながらその形状の違いで格好良く見せることができますよ、というのが手前のひじ掛けです。ただ、座席下ヒーターのカバーと直結しているので、冬場は下の方は握らない方が吉です。
スタンションポールの普及を考えると、この手のひじ掛けが登場することもあまり多くないとは思いますが、着座補助が第一の目的であるならばこのようなひじ掛けがまさにうってつけだと思います。もちろんこの肘掛けには傘はかけられません。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送