JR九州  303系
 
  真っ暗なホームでブラックフェイスが台無しになってしまいましたが…神出鬼没の存在なので、勘弁してやってください。
福岡市営地下鉄から筑肥線へとつながるルートは直流電化かつ通勤電車が走る稀有な路線になりましたが…増発目的で登場した車両が303系です。JR九州初の直流車になるわけですが、ドォーモ中間車の外観を見ると、関東や関西で見覚えのある4ドア車をコテコテに大小様々なパーツで色づけしましたという印象になってしまいます。逆に言うと、水戸岡鋭治さんを以てしても近郊型のような魅力あふれる「オリジナリティ」を通勤電車で表現するのはなかなか難しかったのかもしれません。その後、305系という斬新な通勤車を世に送り出すわけで外観的には一矢報いましたが、この若干地味な赤い電車は現在はその後輩との共通運用で先輩オーラを魅せつけながら活躍しています。
(取材・撮影 JR筑肥線・筑前前原〜唐津)

 

 

 


車内全景です。815系のようなサイバーで斬新な割り切り空間を期待していたのですが、やはりどことなく見たことがありそうな、通勤電車の車内です。最たる部分がドアの構成、天井の吊革、そして車端部の両開きの扉で、このあたりの展開は103系とは異なる部分もあるものの、あれ、どこか私鉄で見たような…という感覚になってしまいます。故に、いくら当時の流行であった灰色の化粧板を使っても、床の模様をお洒落にしても、独自路線の座席を投じても、イマイチ衝撃を受けるほどのインパクトはありません。
ありません、でしたが…

この乗務員室との仕切りだけは別格です。ここぞとばかりに真っ赤な化粧板、外観の乗務員室の塗り分けとしっかりリンクしているところが憎いですねー。こういうハッキリした色遣いが水戸岡先生の持ち味だと勝手に思っているだけに、近年ここの部分の冒険が見られないのは残念でもあります。あと、赤にとらわれているとついつい忘れそうですが、乗務員室との仕切り窓は扉の部分だけで、あとはありません。唐津方面は素敵な景色が広がるだけに、前面展望が見られると楽しそうなのですが…。
あと、これだけ赤いので赤い商品の広告にジャックしてもらいたいですね。コカ・コーラとか、パインツとか、カープとか…。

 
車端部です。左右どちらか一方が優先席に指定されており、中間の3・4号車に車椅子スペースがこのような構成で配置されています。扉が無い車端部もありますが、画像は両開きの貫通扉がついた車両での取材になります。この扉Rと無塗装のくすんだ銀色がもう昭和な雰囲気をムンムン漂わせます。正直重たい扉ですが、トイレにたどりつくためには避けて通れない関門です。
車椅子スペースは目立ちますが、消火器がなかなか目立ちません。地下鉄車としてはもうちょっと消火器の表記を大きくした方が良いと思うのですが…。

トイレは後付けのもので、唐津方先頭車につきました。合わせて反対側は通路も兼ねた車椅子スペースになりました。奥に行くと若干通路の広がりはありますが、隣の車両の様子はなかなか確認することはできません。また、細かい部分ですがトイレが305系と303系で左右逆になっている点も見逃せません。305系のこのスペースは木目の床もあいまってなかなかお洒落な雰囲気にまとまっていますが、こちらは後付け感は無いにしても、どこか殺風景です…。

 
車椅子スペースです。左の画像は中間車、右の画像は張り出しを見てのとおり唐津方先頭車の模様です。前者には非常通報機がなく、後者には非常通報機があります。同じスペースなのに設備に差があるのはもどかしい部分でもあります。消火器の隠れ具合もようやくここで発見!しました。このあたりの割り切りも、なんか水戸岡さんっぽくないような、既存の構成をそのまま用いましたというような展開に若干テンションが下がるのはきっと私だけです。


トイレです。台形のトイレはドアも大きく、車いす対応のものが備わっています。JR東日本の車両と比べるとどうしても張り出し量が多いものの、多くの乗客に出入りが見えにくい点は嬉しい配慮…とも言えます。赤とモノトーンの中で青い扉はなかなか浮いています。一応使用中のランプはあるようですが、正直中吊り広告もある上にランプ自体小さいのであまり参考にはなりません。


天井です。ここも吊革の支持具や蛍光灯の留め具はオリジナルですが、基本はラインデリアを軸に剥き出しの蛍光灯が並び、ちょっと暗い灰色の化粧板がどんより展開する通勤電車らしい組み合わせで終始しています。この時代は灰色の化粧板や吊革が流行ったことがよくわかる一枚ですが、それでも唐津で乗り継げるキハ125形と比べるとまだ明るい方です。


床はドット柄が展開して座席の柄ともうまくリンクしています。このあたりの展開は秀逸なので、きっと他社にも影響を与えているのでは…と思うこともしばしばあります。色褪せしていない点もポイント高めで、天井から落ちてくる光を取り入れてうまく車両の奥行き感を演出しています。…この後の展開がまさかQRコードになるとは思いませんでした(^^;;が、見事な景色です。

 
ドア周り、そしてLED表示器はすべてのドアの上についています。真っ赤なドアに「床に座らない」が悲しいシンプルなドアは外と色の展開がしっかりリンクしています。なお、4ドア中3ドアを締め切る機能があります。
ドア付近の吊革の展開が自然なこともあって、JR九州っぽくない雰囲気に若干「あれ?」と思うこともある一方で、ドアコックが鴨居部分にあり、蓋の素材がそのままという点に「あれ?」と思うこともしばしば…
LED表示器は西日本でよく見かける文字が小さいもので、読めることは読めるけど、吊革が邪魔になることもしばしば…。
どうでも良いですが、「ただいま加布里」ってなんか人名に見えてくるんです、「加布里」…。
…べ、別におかえりとか求めていませんから!!

 
固定窓が大きい側窓です。そして網棚のところどころに303と書かれたシールが貼られています。お洒落な気持ちだったのかもしれませんが、きっとシールが網棚の素材に負けたのでしょう。今では1編成の中でもところどころに残っている程度です。ハートの吊革よりも探しやすいですが、デザインの観点から言えば全部剥がしてしまったほうが統一がとれてよいのでは、と思ってしまいます。

 
ドア〜ドア間の座席デス。優先席には白いカバーを被せて区別していて、先頭車はこのパターンで区別しています。
福岡市交通局の車両が落ち着いた穏やかなロングシートをリリースしたのに対し、JR九州は1人ずつ区分けしたロングシートを用意しました。窓枠を無視した背もたれに木を使ったひじ掛けが良いアクセントですが…正直フレーム、特にボルトを露出させたのは如何なものかと思う今日この頃です。素材を魅せるのであればそれ相応のメンテナンスが必要だと思うのですが…錆びが見え隠れしているのはちょっとブサイクです。

背もたれが高いのと座面が底つき感がありながらもそれなりにフィットするので、バケットタイプの座席にありがちなガッチガチに枠にはまるような座席よりも若干自由です。

 
妻面の3人掛けです。こちらも優先席はカバーで区別しています。左右に余裕はあるのですが、103系と比べるとどうも狭苦しいスペースに見えて仕方がありません。せっかくひじ掛けまでこだわったのに、長距離乗り通すお客さんもそれなりにいるのに…せめてここの座席くらいはゆったりくつろげるようにして欲しかったものです。福岡市交通局の車両はできているんですけど、ねぇ…。


パイプ形状の袖仕切りです。パイプだけだとしたら全く新しさが無いものだったのですが、ひじ掛け一つでこうも雰囲気が変わるのかぁと思わず唸ってしまいます。尤も木のひじ掛け自体は江ノ電などでもあるのでそんなに目新しいものではないのですが… さて、この袖仕切りにどんなデザインを求めたのでしょうか、小一時間…問い詰めません、じっくり話を聞いてみたいものです。
 
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