JR九州  キハ200形550番台・1550番台
 
  登場以来見た目にはあまり変化が無い赤いキハ200形。ただ、新番台が起こされたということは…。
久大本線で佇む姿を取材しましたが、大分地区に限らずJR九州界隈ではワンマン化、短編成化、座席撤去…などネガティブワードが通勤、通学の足から聞こえる今日この頃。この550番台、1550番台自体は2014年から細々と仲間を増やしてきた印象ですが、2021年で久々に2編成が登場。さらに2022年では今回取材したトップナンバーの編成も改番。一体この編成に何があったのでしょうか…。
なお、2022年12月には今回取材したキハ200-551、1551がグリーンマックスによって製品化もされています。数あるキハ200形の中で自分が取材した車両が模型化されるのってなんだか嬉しいような、照れるような… 内装ガッチリ作りたい方、ぜひご参考になさってください!
(取材・撮影 JR久大本線・由布院〜大分)

 

 

 


車内全景です。転換クロスシートが凛々しく並んでいた車内は新たな彩を加え、全席ロングシートに生まれ変わりました。天井周りの90年代っぽさを色濃く残す部分と、床の色の使い方が2010年代っぽい車内…この年代の差がなんだか新鮮です。欲を言えば811系のような座席を並べて欲しかったのですが…2022年の改造とはちょっと思えない、レトロな雰囲気は豊後高田市譲りでしょうか(^^;
改造は度々行われており、特に2014年頃改造を受けた車両とはモケットや床の色が異なるようですが、このJR九州に限って言えばこのくらいの違いは日常茶飯事。メンテナンス…頑張ってくださいネ(^^;;

 
乗務員室との仕切りです。左の画像は由布院方、右の画像は大分方で、目立った違いはありません。左下、黒い部分は後述しますが、決して画像の出力エラーではないことだけはお伝えしておきます(^^;;
運賃箱がケースに入っており、仕切りの手前でスライドさせて出す方法を採用しています。その右隣にはゴミ箱…と、なかなかかぶりつきで展望を愉しむには辛い構成になっています。左上には1992年ローレル賞受賞プレートが見えます。接客設備として、転換クロスシートの採用で快適性が向上したこと、2連の大型窓で端正なデザインになったことを受賞理由の一つとして褒めています。30年という月日の長さを感じますね、一体その時誰がこのような車内を…と考えるだけで…。

 
車端部です。トイレ、車椅子スペースがついた車端部は大分方車両になります。由布院方は両側ともロングシート、ここにはもともと固定クロスシートがあり、そのフレームが妻面に若干食い込むような演出も入っていましたが…見事にツルッと仕立て上げています。恐らく妻面に周りの色と合うように化粧板を貼っていると思われます。…えぇ、製造後30年経ってキハ200-1の化粧板というオーダーが入るとは思わなかったことでしょう(^^;;

 
トイレ周り、そして車椅子スペースです。化粧板までは変わらずに床の素材が変わっていますが、車椅子スペースは上から滑り止めのシートを置いています。そうそう、製造当初はここにも固定クロスシートが設置されていました。トイレとの仕切りはその頃から変化がほぼほぼありません。
車椅子スペースには今回増設したと思われる吊革、そして窓の下には非常通報用のボタンが備わっています。後者は押しやすい位置に配置したと思う反面、寄りかかると触れてしまいそうな位置にもあたり、特にベビーカーに乗ったお子様のターゲットになりそうな予感がします…。


天井です。吊革の支持器具が2種類写っていますが、手前のスタイリッシュなフレームが製造当初からついているもの、奥の上手に肉抜き加工をやったミニ四駆についていそうなパーツが直近、遅くてもロングシート化までに設置された吊革になります。支持金具にこだわるのも良いのですが、吊革そのものへのこだわりはどこへやら…(^^;
カバーつきの蛍光灯は存置され、真っ平な特徴的な天井もそのままです。


床です。製造当初とは異なる模様の床になりました。ドット柄の床自体は見かけますが、さて、このツートンカラーの色はあったでしょうか…。ドア周りは黄色の滑り止めを設置しています。
キハ200形が当初用いていたモザイクタイルのような柄も個性的で好きだったのですが、なんかこう…スッキリした印象があります。この2つの模様はトレンドの差なのでしょうか。興味深い部分です。


黄色い滑り止めが真新しいドア周りです。ドア周りはロングシート化で雰囲気が一新しましたが、それでも整理券発行機の位置はこれまでと変わりません。これまでと変わらないのはドアも一緒で、飾り気の無い鴨居部、無塗装ステンレスにはみ出しそうな勢いの窓もこれまでどおりです。
さてこの区画、ドア上の吊革を見ると手前は6つ、奥は7つで数が異なります。ここも実は転換クロスシート時代の名残りで、仕切りにゴミ箱を設けていた区画はドア上の吊革を一つ減らしていました。
…なんと細やかな気配りでしょう。こういうことがスマートにできる大人になりたいものです。


側窓です。わかりにくいですが細い桟を挟んで左右で1枚窓を形成している区画と、上部から窓を開け閉めできる区画に分かれています。これは転換クロスシート時代から変わりないですが、座席番号の表示、そして帽子掛けも転換クロスシートから変わりありません。どちらもロングシートでは無用の長物と化しているものであり…慰めですか(^^;;

窓の下の桟は着座時にちょっと気になるかなぁと思ったのですが、座り心地に大きく影響するものではありませんでした。ロールカーテンが引き続き残っているのは良心だと思います。

 
座席です。ドア〜ドア間は12人掛け、車端部は4人掛けです。座面に着席区分の縫い付けが施されています。
元々キハ200形は一連の増備の過程でロングシート車がお目見えしていたので全く新鮮なスタイルではありません。ただ…2022年の改造でこのようなロングシートを見るとは思いませんでした(^^;
画像は濃いめのオレンジ色一色に見えますが、細かい模様が入っているのはいつもどおりの芸の細かさ。見た目よりも詰め物がしっかりしている感じで、沈み込みは浅めです。

 
さて、問題の黒い物体です(^^; 各車両とも乗務員室の背後4人掛けは優先席に設定しております。キハ200形としてはお馴染みの黒いモケットですが、転換クロスシートで採用したものとは異なる柄を新たに採用しています。右の画像で通常仕様のモケットとの比較もお楽しみいただきたいところですし、個人的には素敵な柄だと思います。ただ、ここは優先席で…。

優先席のモケットについて、色を変えて目立たせる手法は納得できます。しかし、注意喚起の案内も込めてより目立つような色を採用するのは優先席の方であることが多く、逆の発想に目を白黒させてしまった次第…(^^;; 
この色のモケットを採用した理由とか、ゆ〜わくワイドで取り上げてくれないかなぁ…(何でも人にブン投げる悪い癖…)


袖仕切りです。大型袖仕切りの文化が入ってくるかと思いきや、まだまだパイプ形状の袖仕切りが幅を利かせています。
既存の荷棚に合わせるようなパイプの「曲げ」もみられ、設計に苦労した一面もみられますが…
あまりにも質素な袖仕切りを見ると、いつも他地区で見るようなコテコテのデコレーションがほんの少し恋しくなってしまいます。
あぁ、こうやってロスとか、ノスタルジーが生み出されるのか…と。赤い車両、黒い座席、蒼白の取材班でした…。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送