ナハ29000形「富良野・美瑛ノロッコ号」
 
  富良野線の名物になっている「富良野・美瑛ノロッコ号」。ディーゼル機関車が客車を連ねて風光明媚なシーンを走る・・・はずなのですが、取材時は台風が通過している最中、しかも美瑛〜旭川間はディーゼルカーよりもスピード高かったかなぁ…なんて思ってしまう俊足ぶりで、個人的には呆気にとられた記憶しかない列車だったりします(^^;;
その中間車として平成15年から2号車に連結されていたのが今回のナハ29000形です。中央部を挟んで美瑛方に3つ、旭川方に4つ窓が備わっていて、定員は56人。種車が貨車の「ワキ10000」という車輌で、ワキササイズされて出場した姿は正統派トロッコかと思いきや…?!
恐らく2005年度も富良野・美瑛ノロッコで走ると思います。
(取材・撮影 JR富良野線/美瑛〜旭川)

 

 

 


車内全景を、いつもより低めでお送りしています。
・・・個人的には暖かみのある電灯、そして木をふんだんに使った座席や床に暖かみと非日常感を覚えました。このまま夜も走って欲しい!!なんて。
4人1組の固定クロスシートが並ぶ車内の中央には、消火器やゴミ箱などをまとめたフリースペースがあり、そこを境に美瑛方に24人、旭川方に32人座れるような車内構成になっています。
また、車内の所々には画像の右側にあるようなぶっとい柱をくっつけている所があり、バーベQの時にお世話になる野外炊事場のノリに見えてきます。


車端部は意外にも?!普通の電車のようにちゃんと扉や窓、そして金属むき出しの状態ではありますが壁面を設けています。ちょっぴり暗めの赤色の扉を収めるための戸袋も完全装備。
こうして見ると貫通扉が通路幅よりも広くとられている事が伺えます。

さて、この車輌・・・・・・な、なんと、ドアがありません。したがって、この車輌を貨車に例えて「リアル人間なんたら車」なんて酷評される方はこの時点でボッシュートです。多分強度の問題だと思うのですが、コスト削減や乗降口を絞って全車指定席の時などにチェックしやすいようにしたのも理由になるのかもしれません。
そのため、乗り降りは前後につながっている50系客車を改造した車輌を利用する事になり・・・

出入りする部分にあたる隣の車輌のデッキと思しき部分からこの車輌を見るとこんな感じになります。
なんだかどちらかというと奥の車輌の方がより暖かみのありそうな空間に見えそうですが、多分それはデジカメの悪戯だと思います。そんなこんなでそのような所まで「貨車改造じゃ!」という雰囲気を残しているのでした。
ちなみにこの画像、個人的にお気に入りの一枚です。

ちなみに、貫通部分の上の方には木のプレートがぶら下がっていて、噂によるとノロッコレディさんの作品だとか。2つとない手作りの作品、心にしみますね。この手作りの装飾、2号車に限らずあっちこっちで見る事ができます♪


天井は車内中央部を除いてテーブルごとに電球がぶらさがっている格好です。
この適度な数、そして電球という色合いがさらに良い雰囲気を出してくれるんですよね〜良い仕事してますよね〜(^^;;
電球の上にはくの字に曲がった鉄板が見えますが、まさにこれが天井。途中クーラーなどを挟む事は一切無く、上から見下ろした屋根そのものを下から見上げてたような感じになります。
ここもちょっぴり暗く、茶色がかった赤を使い、落ち着きを作り上げています。


天井の傍らにはボーズ印のスピーカーが。何もここで大音量に松山○春の「季節の中で」を流す訳ではありません。
あ、私のカラオケ?!そんなことここでやったら車輌が展開図よろしく崩壊しますよ(^^;; 貨車が種車で改造前はスピーカーなどが一切設けられていなかったので、車掌放送などを一手に引き受けられる設備としてついたようです。


床は座席に合わせるように木の床。歩くときの乾いた靴音が心地良いです。
ニスはテカるほど塗っておらず、自然の素材を最大限アピールしたものになっています。

 
さて、先ほど全景の部分でも話しましたが、車輌の中央にはこのようなフリースペースがあります。
ブレてしまってすみません<(_ _)>
フリースペースと言ってもゴミ箱と消火器の設置がメインなのですが(^^;「くずもの入れ」の蓋はよく国鉄生まれの特急電車でお目にかかるもので、キハ183あたりから持ってきたのかもしれません。ちょっぴり浮いた存在にもなっています。
そして、台の上には先ほど接続部分の画像でも登場した木の装飾品、そして思い出ノート。流石に「ワッキーノート」ではないようで…というのはさておいて、お土産コーナー共々「乗って愉しむ」試み満載です。この車輌、自由席なのに(^^;;;;

 
座席は4人1組のボックスシート。形こそは近郊型電車のクロスシートに瓜二つですが、リクライニングも詰め物もない、純粋な「ベンチ」であります。座面にささやかながらモケットが敷かれていますが、その下は木、しかも台車から伝わってくるダイレクトな振動…えぇ、これがノロッコの醍醐味ってやつですよね。ただ、そのモケットが端から剥がれてきつつあるのはちょっとなぁ・・・と。
この車輌には網棚が無いので、座席の位置を示すプレートは窓枠の下に貼られています。


そして、このようにテーブルが標準装備。地元で乗り合わせた方としては若き頃よくやったうつ伏せになって机に顔をのっけて寝るという究極の安眠がとれるので嬉しいですし、観光客の方も嬉しいアイテムですよね。
この大きさなので無理といえば無理なのですが、できれば固定式でなく折りたたみ式にして欲しかったなぁ…。ちょっと窓側の方は通路に出るのに一苦労かもしれません。座席幅は申し分無いんですけどね・・・

ちなみに座席によってはこのように座ると目の前に太い柱が!!という区画もあります。


さて、肝心の車窓なのですが・・・あれ、あれれ・・・・・・(絶句
なんと窓があるじゃないですか・・・・・・ノロッコ=窓が無いなんて考えを持っていた私は甘いのでしょうか。ちょっとガッカリしましたが、ガッカリ分以上に車内の持ち味にすごい魅了されたので、結局「まいっか」なんて流してしまいました(^^;。
その窓もどうしても間口が狭くなってしまうのですが、家庭にあるごくごくフツーのサッシ同様、簡単に開け閉めができるのは嬉しいですね。また、窓の外には物干し・・・ません保護棒が設けられています。

ということで、ピーカンの時にこの車輌に乗ったら♪まぁどを開け〜ましょ〜ルル〜ル・・・(殴


[おまけ]
*以下のデータは2004年現在のものであることをご了承下さい。最新の情報は時刻表やJR北海道のページでチェック!

ラベンダーの咲く頃でなくても、富良野線(特に美瑛〜富良野)の景色は思わず釘付けになります。

2004年夏に乗ったときにはこのような陣営でした。写真が途切れてしまっていますが(><)
3両編成+機関車の構成で、画像左方向が富良野方面、右が旭川方面。右から3両目が今回の取材車輌です。

・毎年春〜秋にかけて、休日を中心に運転されるのが「富良野・美瑛ノロッコ」号。風光明媚な地点では速度を落としたり、当時はまだ珍しかったトロッコ車輌が受け、2001年には人気に応えるかのように新型車輌に置き換えられ(上の画像で左から2・4両目)、さらに2003年の夏から今回取材したナハ29003が加わり、現在に至ります。

・運転スタイルは、例年1号で旭川から富良野へ戻り、富良野〜美瑛間を2号〜5号として2往復した後、富良野から旭川へ6号として戻るパターン。富良野〜美瑛間の2往復も美瑛で旭川行きor旭川発の普通列車に連絡するダイヤを組む事が多く、「途中参戦」でも十分楽しめます。

・編成図は次のとおりです。尚、車輌の号車などは全て上の全体の写真と合致します。
←富良野  旭川→
3号車 2号車 1号車

◆自由席
・出入り扉あり(2号車寄り)
・座席配置は
 窓に向かって座れる2人掛け
 3人掛けを用いた6人1組のボックス席
◆自由席
(今回取材した車輌)
◆指定席(定員50名)
・トイレあり
・ノロッコレディによるグッズ販売カウンターあり
・出入り扉あり(2号車寄り)
・座席配置は3号車と一緒
(ただし座席数は3号車とは異なります)
・尚、確か全車禁煙だったと思います(灰皿ありませんでした)

・カウンターには食べ物や飲み物の他にノロッコグッズがあります。私が乗った6号は極端に人がいなかったからでしょうか、美瑛発車直後に閉店と相成りました。しかしながら…自由席付きの快速電車にして車内販売・・・すごいです。頑張ってます。
・時々1号と6号(つまり旭川直通便)にはSLがつくことがあるそうです。また、車内にだるまストーブが設けられることもしばしば。私が乗ったときにも3号車にありました。座席を撤去して置くのですが、あれ、撤去された座席は・・・?!
・尚、各車とも網棚や荷棚がありませんので、大きい荷物をお持ちの方はちょっぴりだけ注意。3号車のデッキが比較的広いので、そこに置いてしまうのも手かもしれません。あと、窓に向いて座れる2人掛けは足元が狭くてちょっぴり疲れるかもしれません。間違ってもガラス割らないで下さいね(^^;; 疲れたら背もたれを倒して通路側に向いて座る事も可能です。

・今後は台風の中ではなく、ピーカンの日に乗りたいなぁ・・・(ボソッ
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