JR北海道  キハ54形[花咲線仕様車]
 
  最果てのランナーとしてあまりにもお馴染みの顔ですが、もう登場してから30年が経過しようとしているとは…JR北海道ではお馴染みの顔であり、地区ごとで内装が違うことでもお馴染みのこの系列、特に花咲線仕様車は外観にピンクの帯を巻き、エンブレムをつけて颯爽と走っていたはずですが…あれ、いつの間にか赤帯に戻ってしまっていますね(^^;; 花咲線での活躍の他、時に釧網本線にも顔を出す運用なのですが…赤帯では遠くからでは花咲線仕様車だ!と気づきにくいかもしれません。
なお、ルパン三世のラッピング車両も花咲線仕様車としての一端を担っていますが…そちらの車内はまた別の機会に…じっくりと撮れるといいなぁ。
(取材・撮影 JR根室本線・釧路)

 

 

 


車内前景です。2ドアでセミクロスシートのようにデッキ周りにロングシート、中央に転換クロスシートを配しています。青いモケットが印象的な車内、外観の真っ赤な帯とは間逆の展開に驚くばかりですが…他のキハ54形のモケットは地味なので一人頑張っているようにも見えます。
非冷房かつ小さい二重窓が北海道らしさを表しています。


乗務員室、デッキとを隔てる扉です。半自動ドアが関東圏、関西圏でお馴染みになりつつある昨今、このガラガラ…と扉を開ける操作自体ちょっとした懐かしさを感じてしまいそうです。また、始発駅ではいちいちガチャガチャロック音が車内に響くのが耳障りですが、この密閉性が冬の車内では特に重要です。逆に、デッキとともに外に追いやられた格好の乗務員室の保温は大丈夫?と妙に気になるところです…。あと、運賃表示器が見難いのは乗務員室周りにワンマン機器が備わっているからですが…デッキは保温上大変重要なのはわかっているので、それくらい気にしない、気にしない…(^^;;

 
細かい仕様変更が見られるキハ54形、トイレがついた根室、網走方のデッキとの仕切り付近には近年車いすスペースが備わった車両が増えてきました。左の画像が車いすスペースがある状態、右の画像は無い状態でトイレの向かい側までロングシートがズラッと並んでいます。屋根上の水タンクの関係で若干低くなった天井、その真下に車いすスペースが来る格好です。車いすスペース自体は大きな荷物のお客さんにも嬉しい反面、その仕切り扉…車いす通れるのかどうかが気になります。

車いすスペースです。大型の袖仕切りで区切られていてわかりにくいですが、横方向の握り棒と非常通報機が備わっています。また、床面には配管もチラリ…車いすスペースの床が他の部分と継ぎ目なく整備されている点はお見事です。
座席で言えば2人分が撤去されたことになりますが、このスペースで車いすの取り回しが余裕を以てできるかどうかはちょっと疑問で、車いすよりもベビーカーの用途で使う事を念頭に置いたスペースなのかもしれません。
自転車乗りとしてはあと1席分あると余裕で輪行袋に入れた自転車が置けるんですが…あ、それは贅沢な考えですね。


デッキからアプローチするトイレと客室との仕切りです。匂いや出入りが客室から感知されないような動線は見事ですが…冬は寒いデッキを介しての出入り…暖かい客室との温度差に、出るものも思わず…(殴


天井周りです。非冷房なので扇風機が活躍します。扇風機についてはまた後程取り上げます。クールファンへの更新はまだ行われていません。蛍光灯は必要最低限の本数で、明るい化粧板に助けられているような配置です。


床はパターンが多いようで、画像のようなアイボリー?と思しき色から、前景画像などで出てくる薄緑と思しき色まで、結構マメに張り替えられている印象です。北国だけに傷みやすいのでしょうか?札幌圏の通勤電車とは違い、床に優先席表記をベタッと貼られていることもありません。

 
デッキ周り、そしてトイレへの扉です。こちらには水分が拭き取れるようなマットを用意しています。半室構造の運転台との仕切りは国鉄末期によく見られた形状で、上に梁を通したような印象です。その梁と蛍光灯のカバーで乗務員室には極力明かりが入らないように工夫されています。
ドアは無塗装の銀色、その周りには謎の機器箱が置かれていますが、ちょっとスペースとしては勿体ない使い方のようにも見えます。


二重窓です。窓枠には小さいものであれば置くことができますが…冬場はその窓枠さえ寒いです。また、窓枠と座席位置は一致しません。窓と窓の間の桟が太いので、どこに座るかは結構重要なポイントになってきそうです。
その窓と窓の間の桟には背もたれが転換できますよ…との説明書きが貼られています(^^;; 丁寧ですね。

 
座席です。まずは根室・網走方のロングシートからご案内です。根室行き進行方向左側、車いすスペースの脇が5人掛け、右側トイレの隣が4人掛けになります。優先席はラベンダー柄、そして通常仕様のモケットは道東の観光資源を散りばめた愉快な柄になっています。この明るくポップな柄が観光客としてはテンションが上がりますが、地元の方にはどう映るのでしょうか…。尤もどの車両のモケットを見てもくたびれた感じはしなかったので、気持ち良く座れる座席ではあります。


車いすスペースが無い車両はこのように8人掛けロングシートがお出迎えです。ひじ掛けや座面下のヒーターカバーの色など、細かい所に違いが色々と… カバーはこげ茶のほうが引き締まって見えますね。

さて、座り心地ですが横方向のバケット形状が極端に強く、降りるときに座席のバネが全く体を押してくれない、悪い言い方をすれば駅のセパレートタイプの青いベンチに若干の詰め物をしてみましたといった具合の物です…。体がジャストフィットすれば居心地良いかもしれませんが、私には横方向のバケット形状が体に合わず、降りる時に無駄に腰に力が入るのが好きになれません。

 
釧路方ロングシートはどちらも5人掛けで、釧路行き進行方向右側の2席が優先席に充てられています。地味な方が優先席です。派手な方が通常のモケットです(^^;;
先ほどのひじ掛けはデッドスペースの余剰活用の一環だったようで、登場時からこの区画のロングシートはひじ掛けなしだったようです。そう、壁には灰皿の跡がうっすらと…。

 
転換クロスシートは左右各9列ずつ展開し、背もたれが固定された座席はありません。元々50系客車、さらに0系新幹線で使われていた座席で、派手なモケットになっても薄く残っている縫い付けに往年のモケットの構成を、ひじ掛け周りにも面影が強く残っています。テーブルは取材した3両では基本的に出せませんでした。固定する方向で加工されたかもしれません。
こちらもくたびれた様子がなく、背もたれのボリューム不足以外は満足できる座り心地でした。柔らかすぎてヘタレ加減が見え隠れしている釧網本線向けリクライニングシート車よりも座り心地は良いかもしれません。欲を言えば、窓側にもひじ掛けが欲しいところです。

 
さて、今回気になったのが扇風機…またコアで誰も拾ってくれないネタを拾ってしまったわけですが、同じキハ54形の車内、二つの扇風機の違い、わかりますか…?

 
かなり見難いですが…JNRのロゴが違う扇風機が一台混ざっていました…。
私的には初めて見るJNRのロゴ、扇風機の製造年は他のものと一緒なのですが、これは一体…?!
テレビに強い人にはわかってもらえるこの例え、未来都市のオープニングのABCのロゴと、坂本龍一オープニングのABCのロゴが違うけど、誰も触れないもどかしい…あの感じです(^^;;
他にも見た!この扇風機はもしや…?!などの情報をお持ちの方、当探偵事務所までこそっと教えてください(殴)。

(先日、JR九州のキハ140形の一部車両でも画像右の扇風機が残っているとの情報を当探偵事務所(殴)までお寄せいただきました。仮に右の画像のロゴが古いものを示すものであるとするならば、何かの事情で古い扇風機をつけていることになり、その出元を辿ると面白い結果が待っているかもしれません。ファミリーヒストリーとか、鉄道ピクトリアルとかで辿ってもらえませんでしょうか…(^^;; )
 
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