JR北海道  キハ40形[初期車]
 
  1977年に誕生し、今なお北海道の主力として活躍しているキハ40形。ある日、石北本線の無人駅で列車を待っているとやって来たのは例によっていつものキハ40形。またか…という声を抑えて乗ると、そこには…!!

1977年に増備された、いわゆる「初期車」の車内を取り上げます。外観の特徴は側窓。縦長の小さな窓が側窓群の間に割って入ることなく左右のドアに寄っています。他にも前面の凹凸が少なくスッキリしています。16両のみの存在で、私は旭川ローカルで初めて見ました。故に長距離列車ではお目にかからないかもしれませんが、宗谷本線を北上するときなどで登場することも考えられます。数多いキハ40形の「あたり」として捉えるのも悪くはありません。
(取材・撮影 JR石北本線・北日ノ出〜旭川)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。旧型客車で登場しそうな濃いめの味付け、キハ40の乗車経験が多ければ多いほどこのちょっと違う感覚がおわかり頂けることかと思います。紺色のモケットも哀愁をそそりますが、あまり出会わないこともあって懐かしさよりも新鮮さの方が先行してしまいました。
2ドアデッキつき、セミクロスシートの車内です。


トイレがついているデッキとの仕切りの様子です。旭川を中心にすると北見・稚内方の仕切りになります。
他のキハ40形同様、屋根上に水タンクがある関係で天井が若干下がっています。この感覚は初期車以外も一緒です。
その下には優先席も含めたロングシートが展開しています。モケットやステッカーなどでアピールしていますが、吊革の変更までは行っていません。この車両に限って言えばちょっとホッとしてしまいます。
そして、トイレボックスのすぐ手前の小窓が初期車の大きな特徴です。そこには一体…?!


反対側の仕切りです。こちらは逆に化粧板以外は見慣れた構成になります。縦長の小窓も定番のポジションにいます。
仕切りには窓がつき、客室からワンマン運転時の運賃表を見たり、デッキから立席チェックをしたりすることができます。尤も運賃表が見られるのは仕切りの隣に座ったお客さんくらいですが…(^^;; 前面展望はなかなか難しそうです。
画像右側、網棚の下に影ができています。これは網棚に梯子を載せているからできた影で、その部分は荷物は載せられません。網棚の下にはその説明書きが貼られています。何もそこまでしなくても、見ればわかるのに…(^^;;;

 
天井です。蛍光灯が所々に設置されています。取材時は化粧板の暗さが日中の旭川駅でも微かに暗い車内環境に影響している図が展開されていました。その真ん中には扇風機が並んでいます。普段なら壁に埋め込まれたスイッチを押して操作する扇風機だけの登場ですが、この初期車では配線が天井にくっついています。冷房車でもないのになかなか賑やかな天井です。


床は見事にグレー一色!

 
デッキ周りです。右の画像は奥にトイレの細い扉も見えます。いずれもマットを置いて足元についた雪や雨を落とすことができます。ステップのついたデッキで、ドアは自動扱いでした。無人駅は前乗前降なので後ろのデッキのドアは開きません。
ワンマン設備は運転席中央部分に集中しています。久々にオレンジ色の整理券発行機を見た気がします。

ちなみに、運転席とデッキの仕切り壁、色が若干違うと思います。右の画像の仕切り壁が前期車以外の車両で用いられているアイボリーの化粧板になります。この色の差…いかがですか?


ちなみに、トイレとの仕切りの壁も化粧板がツートンカラーになっています。その部分だけ貼り替えをしたようですが、なぜその部分だけ貼り替えたのでしょうか…?!


話が前後してしまいましたが、一応あまり使われていないドアの取っ手もどうぞー。


さらに話が前後してしまいますが、初期車の座席的な特徴がこの2人掛けロングシートです。初期車以外が3人掛けロングシートになっているこの区画、確かに2人掛けだと見た目かなり狭いですね…(^^;; ついつい1人で座ってしまいそうです。
この上には吊革がありますが、その数わずか3つ。いや、3つもぶら下がっているのが奇跡と言い切れそうな閉鎖的な空間に仕上がっています。

後年、JR北海道はキハ150形でついに「1人掛けロングシート」という離れ業をさりげなくやってしまいましたが(^^;; そちらは車椅子スペースの隣だったのでここまで閉鎖的ではありません。


トイレの向かいは優先席と通常モケットのコラボです。トイレの入口がデッキになるので視線は全く気になりません。このあたりの配慮はどっかの本州のJRに強くお願いしたいものですが…(^^;;;
ドアから一寸離れた場所に優先席を設けたのがなかなか面白いです。そういえば釧路のキハ40形も同じポジションなので、ドア際よりも少しでも暖かそうなところ…ということでチョイスしているのかもしれません。優先席は携帯電話の電源を切ることを考えると左も右も携帯電話に囲まれて…という環境も想定できるだけに、ここでいいのだ!とはなかなか言い難い物です。

 
トイレの無い車端部も6人掛けのロングシートです。片側は優先席、その向かい側は3人ずつ分かれていますがいずれも通常の紺モケットです。この紺モケットを今も大事に使っているのはJRでは北海道と東海くらいでしょうか、これだけのボリュームを一気に拝められる機会もその地域に住んでいないとなかなか無いものです。
暖房の吹き出し口が展開しています。クロスシートとは異なり、座面下になりますので足元への影響はありません。で、デッキに近い位置の座面下を見ると…やはり、吹き出し口はありませんでした。乗り降りしやすいポジションとはいえ、冬場はハズレムード全開です。


クロスシートです。4人1組のクロスシートが左右6組ずつ展開されています。
あの中途半端な2人分のみのクロスシートがありません!!キハ40形っぽくない配置です(^^;;; 故に、普段は2人分のみ片一方に向いたクロスシートが好きな方は車内に入った途端「あ、いつものあの場所が無い…!!」とガッカリするシステムになっています。逆に空いている時間帯はクロスシートを広々と使えるチャンスが増えるわけで、ガッカリする必要はありません。

 
クロスシートです。4人1組の座席と端の2人1組の座席です。座席自体は他のキハ40形同様のスタイルで、配管の関係で窓際の足元が狭いいつもの仕様です。初期車ということで配管が太いとか、シートピッチが滅茶苦茶狭いということはありません。へたり具合も特にはありません。113系などではシートピッチの差が手に取るようにわかるなど、2000番台と0番台では大きな違いがありますが、キハ40形に関してはあまり心配しなくても良いと思います。

窓の大きさが小さく、窓の桟が肘掛代わりになりにくい点、その窓の桟がテーブル代わりにもなりにくい点は二重窓を展開している時期に気になりやすいポイントですが、別に初期車だから気になるというわけではありません。


でも、初期車で一番わかりやすい特徴はその窓枠の周りにあります。


独立した扇風機スイッチ。これが初期車最大の特徴です。
え?!と思った方はぜひ乗り比べてみてください。この出っ張り、意外と気になります。
 
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