JR北海道  キハ40形[700番台]
 
  1977年より全国各地で導入されたキハ40形。
北海道には耐寒構造に徹した100番台が投入され、瞬く間に全道各路線でそのタラコ色の存在が確認できるほど、急行列車や廃止された路線の「さよなら列車」も含めて活躍していきます。
釧路地区もその例外ではなく、キハ54形が台頭する現在も根室本線の滝川から東釧路まで運用をこなしています。
今回取り上げる700番台は従来の100番台にワンマン化改造を行った車両ですが、それ以外の部分も併せて改造を行ったケースもみられます。また、近年は延命化を図った更新を行った1700番台へと再改番するケースも増えており、画像に写っている「777」番に余計な数字が混ざってしまう事も近い将来起こり得るのではないでしょうか。
(取材・撮影 JR根室本線・白糠〜釧路)

 

 

 


極めてオーソドックスな車内全景です。2ドアデッキつき、中央にクロスシート、端にロングシートとトイレを設けた姿は色的、設備的な観点から「限りなく国鉄時代に一番近いキハ40系」と言っても過言ではありません。アイボリーの化粧板に紺色のモケットで哀愁を誘うわけですから、時代の流れも早いものです(^^;;;

1700番台では交換されている扇風機も700番台では健在です。シーズンオフなら思わずガッツポーズしたくなります。


池田方デッキとの仕切りの様子です。デッキの奥に乗務員室があるため、ワンマン化と車内保温には非常に好都合な構成になっています。ただ、その関係で運賃表示器は全く見えません。また、乗務員室から車内の様子をうかがい知ることが難しくなってしまっています。そのため、一部車両では防犯カメラの設置も行っています。
車端部は両方とも左右どちらかが優先席の指定を受けており、ステッカーの掲出とモケットの変更が行われています。そこが国鉄時代との数少ない相違点になります。


釧路方デッキとの仕切りです。右側の仕切り壁の出っ張りはトイレの仕切り壁で、トイレへはデッキから出入りする形になります。この動線、冬はデッキが寒いのでつい我慢したくなってしまう心情も理解できてしまうのですが、デッキにドアを設けたことによってその反対側のロングシートがデッキ仕切りギリギリまで延長でき、座席数の確保に貢献しています。
水タンクの関係でトイレ付近は天井が一段低くなっています。そのため、先ほどは仕切り扉上にあった広告枠がトイレの仕切りについています。こちらの方が広告枠としては見やすそうですね(^^;;

 
天井周りです。非冷房なので扇風機もベンチレーターと直結の通気孔も健在。右の画像の通り扇風機には「JNR」とロゴまでしっかり国鉄仕様。JR東海の車両も「JNR」ロゴは確認できるものの冷房化改造を行っているため、原形を留めている希有なケース、それも1700番台への改造で少しずつ見られなくなっていくであろう天井になりつつあります。賞味期限が来る前に、ぜひ見て頂きたいところです。

故に、蛍光灯の少なさも国鉄仕様そのまま。夜は化粧板で隠せないくらい暗くなります。


床です。灰色一色以外の選択肢はありません。
道内でキハ40形が走り始めた頃は客車、気動車問わずローカル車両は「床=木」が主流でした。その流れを変えた功績は711系、50系客車共々大きいのではないでしょうか。

 
デッキから側扉を眺めています。左の画像が釧路方デッキで、画像手前にはゴミ箱が、奥にはトイレに通ずる開き戸も見られます。右の画像が滝川方デッキになります。
デッキによって車内保温性が保たれているということで、ドアは単なる自動扉を採用しています。ただ、床には靴の裏についた雪や雨が客室に侵入しないよう玄関マットのような物を敷いています。
ドアそのものは自動扉で、デッキの扉共々銀色でまとめています。ドアがゆっくり、均一の速度で閉まるのを見ると、つい「キハ40っぽさ」を感じてついボーっと眺めてしまいます。


ワンマン運転時、後部乗務員室は誰もいなくなります。かつては仕切り扉があったものの、今は下半分が運賃箱によって切り取られているため、針金を「立入禁止」のプレートとともに張って乗務員室への侵入を防いでいます(^^;
その上の運賃表示器。50番まで表示されるところが長距離ランナーの誇りでもあります。


窓枠です。狭い縦長の窓が側面に2箇所入りますが、その場所の違いによって初期車か否か見分けられるそうです。窓そのものは1段上昇窓で、冬場は2重窓にもなります。キハ22形のケースもそうなのですが、このスッキリさがキハ40っぽくなくて、本州の2段窓が目障りな身からは羨ましささえ感じます。


ここからは怒濤の座席豚丼。まずはトイレ脇のロングシートからです。デッキの関係で見切れてしまっていますが、実質7人掛けくらいでしょうか、紺色のもはや「懐かしい!」と声を挙げそうなモケットが出迎えてくれます。
北海道仕様なので暖房が強力そうな気がしますが、座席で見るとあくまでも本州と同じ構えになっています。支え棒と暖房吹き出し口との間の隙間が気になりますが、冬場はそこに通学鞄などを入れると大変ホットな事になってしまいます(^^;;;


優先席は釧路方、滝川方双方に設けられていますが、釧路方はトイレとクロスシートの間の3人掛けが充当されています。壁に完全に囲まれた区画で、冬場はあまり冷たい風を受けそうにない、ある意味優先席にはもってこい!な場所です。
優先席の柄が銀色だったらレトロな意味で完璧だったのですが、ラベンダーを思い起こさせる灰色がかった紫色を採用しています。

 
滝川方、クロスシートとデッキの間のロングシートになります。滝川方も一方の3人掛けが優先席に充当されています。ドアに近いデッキ側ではなく、クロスシート側に設けられているのが大きな特徴です。
先ほどと同じ細い足元ですが、座ってみると意外な奥行きの深さが堪能できます。空席がロングシートしかないといってガクッと肩を落とすことは無いのではないでしょうか。

 
クロスシートです。4人1組のクロスシートが左右各5組ずつ、2人1組の小さな縦の窓にある区画も左右1組ずつあります。こちらも窓側に暖房のパイプを通し、通路側には細い脚が並ぶ固定クロスシートになります。出で立ちは完全に国鉄時代の趣ですが、灰皿が撤去されている点が異なります。ささやかな時代の波を感じることができます。
その灰皿があった背面の化粧板は側面の壁と同じクリーム色でまとめています。

 
座席単体を見てみます。左の画像が背面が壁になっている2人掛けの座席、右の画像が4人1組の座席になります。
座面と背もたれが分離したタイプはモケット共々昔から全く変化がありません。近郊形ということもあって窓側に肘掛けがなかったり、肘掛けそのものも触ると冷たいプラスチック製なのですが、これも変化はありません。
でも、このフレームならこの形態の座席が一番座り心地が良いというのは各地の「余計に」改造した座席を座った末の、私自身の感想です。北海道では「余計に」改造した座席をまだ見たことがありませんが、このプレーンな仕様が良いんです。

今更ながら窓側の足元の狭さが気になったり、座面が時々ずれる事があります。更新工事でぜひとも改良を加えて頂きたいところです。

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