JR北海道  キハ150形100番台
 
  キハ110形をベースにJR北海道がリリースしたディーゼルカーです。次世代を担うべき存在…というほど正直あまり見かけないのですが、0番台と同時に登場した100番台は室蘭、苫小牧、小樽…とそれなりに見かける機会があるのではないでしょうか。
0番台は大きな固定窓が特徴だったのですが、100番台は小さい2段窓が特徴…2両並ぶと車体の大きさは一緒なので、窓の小ささが一層際立つ、ちょっと残念な車両です。正面は北海道の車両らしく4灯点灯で大変格好良く見えます。一方、テールライトは扉の上に並んで2つ…これも、あまり見かけないフォーメーションですね。カクカクしたデザインが90年代前半を彷彿とさせますが、走りも90年代前半のディーゼルカーらしく、格好良い唸りを期待できます。
(取材・撮影 JR室蘭本線・東室蘭〜苫小牧 他)

 

 

 


車内全景です。北海道の車両らしさをあまり感じないのは0番台同様ですが、小さい窓に広々とした天井周りはこの番台独特のものがあります。新造される通勤電車は派手なモケットが多いのですが、近郊型ディーゼルカーにこのような渋い内装が多いのは飽きさせない秘策でしょうか。ん〜、ダンディ。
1両編成での運転が可能で室蘭方にトイレも備わっています。が、2両編成で走っている場面を見かけることも多く、キハ40系列と併結された姿を見るとその車内の明るさについつい驚いてしまいます。


乗務員室は半室構造で、ワンマン機器も設置されていますが…最後尾の時はワンマン機器は乗務員室との仕切りに用いて、通路になりそうな部分は棒で仕切るスタイルを取っています。助手席側には容易に入れないようになっています。
デッキに壁が無いのがこの車両の特徴ですが、大きな袖仕切りで冷たい風をシャットアウト!…できているような、いないような…。エアカーテンはついていません。
 
室蘭方にはトイレ・車椅子スペースがついています。トイレの向かいはロングシートが続いており、この形式の特徴にもなります。ドアは助手席側になるのでトイレのお客さんとのご対面はありませんが、デッキが無いので、ロングシートに座っている人にとってはある程度の推測ができてしまいます…。
優先席は進行方向両側に設定されています。これも北海道のディーゼルカーならではですが、通勤電車とは違い、床にまでPRはしていません。


車椅子スペースです。つり革は無いものの高い位置に握り棒が設置されています。窓の下にも握り棒がありますが、床の凸凹がある関係で若干握り難そうな気がします。トイレ側には非常通報機や温度計、クールファンのスイッチなど、やたら細かい物が色々とくっついています。
隣に1人掛けの座席が備わっていますが、暖房はこの座席からということでしょうか。スペースの取り回しや1重窓の寒さなど、何かと気になる点がありますが…このスペース自体がJR北海道の近郊形ディーゼルカー陣ではそれなりに珍しい今日この頃です。


天井周りです。クールファンがついたことにより、広々とした天井になりました。片側には灰色の吊革もあり、その時のトレンドをふんだんに取り入れているようにも見えますが、形の整ったキハ40形…の天井に見えてしまうのは多分私だけだと思います(^^;;
蛍光灯は間隔をあけて設置されていますが、明るさを周りの内装でフォローする図が展開されています。


床はベージュの柄物です。ドア周りはマットを敷いています。

 
ドア周り、そして半自動ドアのスイッチです。撮影したのは平成24年ですが、その後半自動ドア装置の撤去が進み、平成29年現在多くの車両で半自動ドアスイッチがあったところに銀の蓋がされています。ドアエンジンの更新があったかどうかはわかりませんが、車内保温の切り札を使わない理由がわかりません。
ドア自体は白色のオーソドックスな片開き扉で、JR九州なら派手な色に塗りそうなところですが…北海道はそこまではしません。


座席です。トイレの脇と逆サイド運転席の後ろは優先席も含めた8人掛けのロングシートが展開されています。定員着席は縫い付けで表現し、座面・背もたれとも柔らかい、座りやすい座席です。袖仕切りの出っ張り具合や座面下のヒーターカバーが落ち着いた色で塗られた点も要注目です。
モケットは紫を優先席に、緑のボーダーを通常のモケットに据えていますが…このモケットがこすれ具合や劣化によって色合いがだいぶ異なって見える点が弱点です。
 
同条件で撮影した反対側の8人掛けロングシートです。緑…というよりも、灰色と言った方が良い感じのモケットですが、先ほどと同じ物です。そして、この形式独特の1人掛けロングシートは0番台同様健在です。わざわざオリジナルの袖仕切りを設けて…今冷静に思えば、暖房の配置の関係でこうなったのかなぁと思うのですが、私のようなぼっちには大変嬉しい設備ですありがとうございます。
尤も、空いていたらクロスシートの方を選んじゃうかなぁー。

 
クロスシートは左右4組ずつ、4人1組と2人1組のものが備わっています。函館本線走行時は2人1組のクロスシートが海側になりますが、正直余市から長万部までを乗り残しているので(殴)どのような景色が展開するかはまさに未知の世界です。
東室蘭から苫小牧にかけては…正直、当たり障りのない景色です(殴)。
 
どこかで見たことがあるクロスシートです。キハ110形はもとより他の第3セクターでもよく見かける汎用品のフレームに、先ほどの渋いモケットを組み合わせて見た格好です。同じような色でまとめられているので、あまり座席にメリハリを感じないのが最大の特徴です。窓側にひじ掛けが無いのですが、足元の空間がスッキリしているので狭い印象はあまり感じません。こちらも座面が柔らかめで、腰回りの食いつきもまずまずです。切り立っているのは固定クロスシートなので仕方が無いぶぶんでもありますが、限られたスペースの中で寛げる良作だと思います。


さて、車内ではちょっと身近な素材をいくつか見つけました。さすがJR北海道、苗穂の実力フル回転でコストダウンに挑んだ事でしょう。こちらのスイッチは電気ではありません、クールファンの稼働スイッチです。ここに刻まれたNationalのロゴは果たしていつまで残るのでしょうか…?

 
そして、内側に折れる窓の開け閉めにはこの金具…家庭用の窓と同じ形状。このわかりやすさに脱帽!ですが…この形式以外で見たことはありません…。
 
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