JR北海道  731系
 
  年々混雑が激しくなってきた札幌都市圏のJR線。寒冷地という事情もあり、これまで通勤形電車が投入できなかっただけに、この車両の登場は北海道の鉄道車両史に大きく刻まれる事でしょう。3ドアロングシート、731系です。
外観は高運転台に貫通扉がつき、その上に小さな種別幕がのっかっています。この独特な表情、個人的には音楽の授業で習った「頬の骨を上げて〜」という動作にそっくりだなぁと思いますが(^^; ごく一般的な通勤電車のような切妻ではなく、ちょっぴり早そうにも見えます。
現在は先述の通り札幌都市圏を中心に活躍しています。中にはディーゼルカーと連結して走る運用もあり、なんでも日本唯一だとか。いつかは乗ってみたいものです。
(取材・撮影 JR千歳線/函館本線・南千歳/岩見沢)
■画像提供(全て):若さま

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。画像は中間車の様子です。3ドアデッキ無しのロングシート、非常に広々とした車内です。これまでのデッキに代わって大きくして透明板までつけた袖仕切りとドア上のエアカーテンで寒さを防ごう!という作戦のようです。確かに暖房性能は上がっていますが…(^^;; ほのかに暗い、寒色系の配色も文字通り「寒い!」印象を増加させそうな気がします。
先に優先席の位置をチェック。車内中央部、左右千鳥配置で設けられています。


乗務員室との仕切りです。このツルンとしたグレーの化粧板が重々しく感じます。ただ、非常に丸みを帯びた車体断面が確認でき、車内幅をとにかくギリギリまでいっぱいいっぱいとった様子が伺えます。
乗務員室の様子、前面展望は貫通扉の窓越しのみで、閉鎖的な空間になってしまっています。前面が高運転台に合わせた窓の高さになってしまっているとはいえ、窓が左右に設けられなかったのは残念です。
消化器はともかく、ゴミ箱設置まで考えて窪みを設けてあるのがちょっとだけ珍しいです。


トイレのある車端部です。片側の先頭車についていますが、なんと車端部はどの車両も窓がないため、ホームでは隣にある車椅子スペースの表示が頼りになりそうです。その窓の無い車椅子スペース、側窓がありそうな部分には広告枠が… 構造上仕方が無いのかもしれませんが、景色が魅力の北海道にしてそれではちょっと魅力が…(^^;

 
そしてこれが中間車などトイレのない車両の車端部になります。非常に融通の利かない、もったいないスペースになっており、取材して下さった若さまも「貫通扉周りの狭さ」が気になられたようです。耐寒・耐雪設備としては仕方が無いデッドスペースなのかもしれませんが、せめて手すりやJR北海道の得意な寄りかかりクッションをつけたり、何よりも天井にスポットライトをつければ居住性が少しは良くなるのではないかと思うのですが…通勤電車だからこその割り切りなのでしょうか。

右の画像は備えつきのゴミ箱です。大きさも場所もちょっと遠慮がちな場所にあります。


天井はすっきりフラットな形状。大まかに見ると近年の通勤形電車ではよく見られる仕上げです。左右少し見切れてしまっていますが、横長の銀色がこの形式特有のエアカーテンになります。

 
片開きドアと半自動ドアのスイッチになります。黄色いドアは遠くから見ても非常にわかりやすく、片開き扉ということもあって非常に存在感があります。右の画像はそれとは裏腹にちょっと存在感が無さそうに見えるドアスイッチになります。側面についていたり、仕切りについていたり、押す場所がまちまちになっています。そのせいでしょうか、取材された若さまも指摘していますがかなり不要に思えるドアスイッチ説明ステッカーが上下二箇所に貼られています。こういうところの表示はあの「モジャモジャキャラクター」は登場しないようで、図も簡潔明瞭にまとめられています。だからこそ、わざわざ二箇所貼らなくても良いと思うのですが…(^^;;

 
LED表示器があるドアと無いドアに大別できるようで、無いドアについては鴨居部に路線図が貼られています。LED表示器のドアも、路線図の文字も小さめに感じそうです。座席から座ってみると袖仕切りの大きさもあって見難そうな気がしますが、実際のところどうなのでしょうか。せめてLED表示器はもう少し大きな文字だと良いんだけどなぁ…。


座席周りです。片側11人掛けのロングシートで、バケットシートを採用しています。全ての席が青ツートンのモケットの区画と、画像のように3席分優先席に充当されている区画があります。シート下のヒーターがしっかりついているのは寒冷地を走る車両の必須アイテムです。スタンディングポールもあり、座り心地も若さま曰く「長く乗っていても苦痛にならない。」という「まぁまぁ」の評価なので、乗りやすさ、座りやすさを考えた末のロングシートなのかなぁと思います。


優先席です。座席よりも床に目がいってしまいます。床にべたっと「優先席」の案内。これ、意外と目立つ気がします。ただ汚れが目立ってしまう欠点もあるため、どこまでメンテナンスできるかが鍵になってきます。
優先席のモケットは濃いめのブルーグレー。違和感なく、かつ目立つ色合いです。近年のやたら目立つ優先席に見慣れている人には、かえって新鮮に映ります。

 
車端部に近いドア付近には混雑対策として2人掛けの折り畳み座席があります。立ち客が多い時には収納して、閑散時は座面を引いて使う事が出来ます。若さまの画像撮影を見る限りでは、復帰力はあまり強く無さそうに思えます。
しかし、この座席の設定はかなり疑問に感じます。真冬にこの席に座る人は相当の寒さ対策をしておかないと、座面は薄いし、ドアが開いたら風が直撃して寒いし、もう凍えるしかありません。中途半端な座席はいらないので、通常のロングシートを1席でも多く伸ばして欲しかったと強く思うところです。
座席そのものは本来車椅子スペースや6ドア車で見られるものです。


最後にこの車両の真骨頂。着色ガラスが残念ですが、この広々とした側窓の開放感、たまりません。

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