JR北海道  H100形
 
    DECMOなる愛称が定着するかどうかはさておき、ロゴの配色から想像するのは踏切… JR東日本のGV-E400形ディーゼルカーと基本設計を共通化したJR北海道の新車、H100形です。
JR北海道では1両編成・両運転台車のみの増備でキハ40形の置き換えを目的としています。デッキつき、非冷房、国鉄の薫り漂うキハ40形の雰囲気から一転、特に冷房車という点は喜ばれそうですが…デッキの無い車内に対して冬の寒さを心配するのは…時代遅れですか…?
外観はGV-E400形から形状の変化は見られないものの、塗装は独特のものを採用。今までのJR北海道ではなかなか見られない、尖ったデザインはいかにも速そうです。
2020年のダイヤ改正で函館本線の長万部〜小樽間でデビュー。以後、室蘭本線の長万部〜苫小牧間、宗谷本線旭川〜名寄間など、徐々に活躍の範囲を広げています。
(取材・撮影 JR函館本線・長万部〜小樽)

 

 

 


車内全景です。2ドアでデッキはありません。ドア周りをロングシート、中央部分にクロスシートを片側2人1組、もう片側を4人1組として3組ずつ配置しています。
キハ40形の車内をイメージすると明るくなった車内にうっとりする方も多いのでは、と思います。ただ一方でデッドスペースの多さ、クロスシートの少なさに焦りを隠せない旅行客が目立ったのも事実です。数字だけ見ても仕方が無いのですが、キハ40形のクロスシートは44席、ロングシートは22席ありますが、H100形はクロスシート18席、ロングシート18席… 車椅子スペースの新設などサービス上座席数が減る要因があることは理解できますが、焦るのも無理はありません。そうそう、何気ない平日の快速「なよろ」とか、時間によってはキハ40形の座席がしっかり埋まっていた列車もあったので…地元で新車が歓迎されていれば良いのですが、ちょっと心配です…。


車端部の乗務員室との仕切り、まずは長万部方です。中央の引き戸はワンマン運転時には開けっ放しとして、運賃箱を助手席側から引き出します。次駅案内などは運賃表示機に託しています。
JR北海道では珍しい仕切りも、JR東日本GV-E400形譲りと聞けば納得の構成です。乗務員席背後の黄色いステッカーには「話しかけは停車してからお願いします」と表記されています。
あまり密になって欲しくない区画ですが、吊革はしっかり仕切りの少し手前(^^;;;まで伸びています。


小樽方には車椅子スペース、トイレが設置されています。トイレと機器スペースがひとまとめになっているようで、クロスシートの後ろには点検蓋が設置されていますが…クロスシートの後ろの蓋、どうやって開けるのでしょうか(^^;;
少しズレているとはいえ、トイレのドアとロングシートが相対する配置が近年多く見られるようになりました。JR北海道でもこの形式で解禁となります。

 
そのトイレ周りの仕切り、そして車椅子スペースです。トイレは洋式で、中は広めのスペースを確保しています。その反対側、車椅子スペースは上下2段の手すり、ヒーター、非常通報機を備えています。ステップ部分にも柵が設置されている点はGV-E400形にも共通するところですが、床に大きな車椅子マークは描かれていません。床にピクトグラムはJR北海道の十八番だったと記憶しているのですが…(^^;;
窓割を一切無視した袖仕切りの設置もなかなか思い切っていますが、ここもGV-E400形と共通、何なら袖仕切りも同じ形状の色違い。キハ150形0番台とキハ110形以上に見分けがつきません(^^;


天井です。冷房が設置され、スッキリした見た目に落ち着きました。LEDの細い照明もCoolです。
クールファンが頑張っていたキハ40形の置き換えということで、冷房の設置は喜ばれるのではと思います。733系のようなドア周りのエアカーテンの設置が無いのはさすがに気にしすぎでしょうか…。半自動ドアはしっかり設置されています。


この形式で一番かわいいなぁ…と思ったのが実は床です。灰色をベースに淡い桃色、淡い水色などの水玉を散りばめたデザインは色和えが実に見事です。汚れを目立ちにくくさせるような工夫とみていますが、優しさを感じます。


一方、ドアのストレートな黄緑色にファミリーマートの入口で流れるチャイムを思わず口ずさんだのは多分私だけだと思います(^^;
後ろに写る733系を見て、JR北海道といえばドアにビビットな色を使うのがお馴染みだったことを思い出しました…
鴨居部にはドア開閉を点滅で知らせるライトが入っています。また、ドアチャイムも鳴ります。ステップは低めのものを1段備えていますが、駅によってはステップとホームの間にも段差が生じます。小ぶりなゴミ箱は報道公開時の「飲み物・その他」で分けられるタイプのものとは異なるものがスタンバイしていましたが、車両によって異なるものでしょうか…?


半自動ドアのボタンです。左から車内、ドア開閉可能の時の状態、そして車外です。
車外は735系と同じですが、車内側はバリエーションが増えました(^^; わかりやすいステッカーでのフォローはJR北海道ならではだと思います。


側窓です。固定窓と2段窓が配置されていて、後者は内側に折れるタイプを採用しています。ガラスはいわゆる「ペアガラス」で、GV-E400形とは異なり、寒冷地仕様になっています。クロスシートだから固定窓…ということではなく、4人1組のクロスシートでは3組中2組が開閉可能の窓になります。そして…座席番号が付番されない代わりなのか?窓の両脇には数字が振られています。これは一体…?


座席です。小樽方、トイレの向かいは5人掛けロングシートです。何かと人が行き交うワンマン列車だけに、姿勢を正すとちょうどいいロングシートの真価を発揮するポジションです(^^;; クロスシートとロングシートの間に若干の余裕がありますが、反対側はアクリル板つきの袖仕切りが狭さを感じさせます。その袖仕切りが下まで伸びて、足元の空気をある程度遮断しているのもポイントです。

 
長万部方の座席は片側8人掛け、もう片側が5人掛けで優先席になります。エメラルドグリーンのモケットはなかなか鮮やかで、優先席のオレンジ色のモケット共々733系に色を合わせてきた格好です。スタンションポールは優先席と通常仕様の間、8人掛けは4人ずつ区分できるように設定されています。そのうち、後者は2人・3人・3人に分けて握れる機会を多くした方が良いのでは…と思ったのですが、このスタンションポールの配置も…ええ、そのまんまです(^^;;
GV-E400形で感じた「あれ、少し硬いかも…」と思った座り心地までそのまんまです。厚着をしているとバケット形状がかえって狭く感じるものですが、733系で定着したことを考えれば、すんなり定着することかと思います。
えぇ、言いたい事を既に7割くらいに抑えています(^^;

 
固定クロスシートです。片側は2人1組、もう片側は4人1組です。なお、諸般の事情によりこの2枚だけ若干の加工を施しています。
こちらもお馴染みの形状です。目新しいのはモケットくらいでしょうか。オクタニサーモスさんがこちらでも頑張っています。
厚着で…という話をロングシートでもしましたが、窓周りに余裕が無いので、特に4人1組の方は並んで座ると大変窮屈に感じます。窓の桟に食い込む様は他系列でもお馴染みですが、こちらの車両はエッヂが直角で、食い込み具合もなかなかハードです(^^;
加えてレザー張りのヘッドレストは冬場は冷たく感じる部分で、せめてモケット張りにした方が良かったのでは…と思ってしまいます。なかなか融通を利かせるのが難しい座席なのでしょうか…。

意外に困ったのが上着や帽子の置き場で、帽子掛けに引っ掛けることができなくなってしまいました…。
新しい空間、爽やかな空間で、慣れるまでは新たな過ごし方を模索することになりそうです。

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