JR東日本  京浜東北線サハ208[6ドア車]
 
  209系の6ドア車といえば「あ〜京浜東北線のアレかぁ」なんて容易に思い浮かべられそうですが、サハ208と言われると「んん?!」という気分になるかもしれません。今日はこのサハ208です。
6ドア車そのものについては山手線、横浜線に次ぐ3線目の導入で、今回はちょうど10両中真ん中辺りになるように6号車に組み込まれました。もう乗客も慣れたのか、それとも諦めたのか、導入に際しての激しい批判などは聞かれませんでした。
また、山手線の205系6ドア車で導入された鴨居部の液晶ディスプレイは設けられませんでした。しかし…しかし…?!
尚、京浜東北線系統の全ての車両に6ドア車がついているわけではありません。0番台の量産車のみの連結になっています。とはいえ、それが圧倒的多数なんですけどね(^^;;
(撮影・取材 JR京浜東北線・蒲田/東京)

 

 

 


車内全景をいきなり見て「あれ?」と感じた方、正解です。頭上にはでかでかと液晶ディスプレイが吊り広告の代わりに設けられていますが、今回のサハ208は19番編成、すなわち京浜東北線で日本テレコムやジェイアール東日本企画などが主体となって試験を行っている「デジタルモニターを用いた無線による車内情報サービス実証実験」の対象車両だったのです。

その試験車両が当たる確率は83分の2。一体全体こんなところで運を使い果たしてしまっていいのでしょうか(^^;;;

システムのことは後々ぐだぐだ語るということにして、スタンディングポールも目立つ車内は209系ならではの「暗め」の装い。心地良い暗さだったらまだしも、側壁の色などから「ちょっと安っぽい雰囲気だなぁ…」という暗さを感じるのが残念です。また、グレーの色合いが天井と壁では微妙に違っていたり、何ともいえない灰色(^^;;;になっている部分もあるなど、ちょっと疲労の色が見え隠れしている事も否めません。
6ドアで全て折りたたみロングシートです。


やっぱり視界に飛び込む液晶ディスプレイが気になりますが、車端部の様子です。
ドアと妻面の間は広告1枚分ほどしかなく、窓が一切ありません。そして蛍光灯の配置も妻面までしっかり行き届いているわけではないので、トンネルの中や混雑している夕方から夜にかけては、他の部分よりも多少薄暗く見えるかもしれません。自分はこの薄暗さはちょっと不安になる気がしてあまり好きではないです。
ただ、逆に言うと従来の通勤電車よりもさっぱりした妻面になっており、詰め込み重視という見方ができそうな気がします。

 
天井の様子です。液晶ディスプレイが設けられた代わりに車端部を除いて吊り広告の金具が撤去されているのですが、その跡が見当たりませんでした。液晶ディスプレイは3箇所のみの設置なので吊り広告が撤去された後、何も設けられていない部分があると思うのですが・・・。
冷房機器は所々設けられているラインデリアと、右の画像に写っている鴨居部上の吹き出し口が担っています。
鴨居部上の吹き出し口は6ドア車のみの設置で、ドア数が多く車内の温度が外気に影響されやすいことからつけられている、いわばデパートの入り口を入ってすぐ上を見るとある吹き出し口のようなものです。

しかしながら・・・ずらっと並んだ吊革と見事なまでのグレーはもはやお見事のヒトコトに尽きます。


ということで床もグレー一色。別に事務机の引き出しを写したわけではありません(^^;;
妻面の下のほうに怪しげな蓋が写っていますが、これは清掃業務用のコンセントになります。掃除機を使用するためのもので、あくまでも業務用です。


ドア周りです。ドアそのものは4ドア車の209系と同じもので、側扉窓の大きさも支持方法も同一です。
ちょっと真ん中の黒ゴムと黒ゴムの間にうっすらと見える隙間が恐いといえば恐いです。
戸袋窓は無く広告スペースに。そして鴨居部にはLED表示機と路線図などをいれる長めの枠、ドアコックの組み合わせになります。全体的に、ちょっと遠めに見るとスマートですし、無塗装の銀が違和感無く受け入れられるのは209系の持ち味ではないでしょうか。

あ、この画像モノクロ画像ではありませんよ(^^;;;;

 
そしてこちらが鴨居部にあるLED表示機です。ドアの開閉の際の「♪ピンポーン×3」もこの表示機から。
LEDに流れる情報は至ってシンプルで、駅に停車中は画像のように漢字のみの表示で駅名が点滅、走行中は次の駅名が「次は」などの単語とともに漢字やカタカナ、ローマ字で代わる代わる表示されます。
この車両が登場した時にはすでに営団などが細かい情報のLED表示を始めていたので、どうしても見劣りする感じがしてしまいました。宣伝はいらないのでドアの開閉方向や乗り換え案内も表示して欲しかったなぁというのが正直なところ。ROMの交換だけでできるのであれば、ぜひともやって欲しいです。

 
座席になります。優先席は無いので全てこのモケットの座席になります。
209系4ドア車と構成を合わせた感じで、短い肘掛はFRPのものになりモケットも紺と青紫のツートンになりました。ただ、バケット形状はこちらの方がきつくない感じに仕上がっています。
それでも座り心地はちょっと閉口してしまいます。背もたれに少し傾斜がついたものの、座面の薄っぺらさがちょっとイマイチかな、という気がします。尤も右の画像のように折り畳みの座席なので豪勢な厚さを要求するのは無理かもしれませんが。
山手線よりも30分早い9時30分までは座席の使用ができません。そして、一応ステッカーには「ランプがついているときには使用できます」と書いてはあるものの…消えてますよ、ランプ・・・(^^;;;


さて、お待たせしました液晶ディスプレイの登場です。
1箇所当たりに左右1面ずつついていて、反対側にもあるので都合4台あることになります。それが1両辺り3箇所に設置されているので全部で12面の液晶ディスプレイが頑張っていることになります。太っ腹!(^^;; 209系のカラーコードにあった色のディスプレイを使っているのはちょっぴりお洒落ですね。

で、この液晶ディスプレイを使ってどのような実験を行っているかというと・・・

車内にはこのような説明を兼ねた広告が貼られていますが、これを簡単にまとめると「無線LANなどを使って駅から情報をキャッチしてそれを電車内に流そう!」という実験のようです。正直こんな実験をやっているなんて知らなかった・・・。時代の流れは速いっす。
列車がキャッチした情報は液晶ディスプレイで放映されるほか、聞くこともできます。また、インターネットにつなげるシステムもあるようで、まさにオフィスを通勤電車の中に持ってきたような感じでしょうか。機器の説明など、詳しいしくみはよくわからないので(^^;;興味のある方はぜひ関連リンクをご参照ください。

あ、言い忘れてました。液晶ディスプレイには名前があります。"WVIT(ウィット)"といいます。"Wireless Visual-Info Terminal"の省略形だそうです。白井ヴィンセントの省略形ではないようです(殴


そのWVITを下から眺めてみました。いやぁ6ドア車ってやっぱり吊革が多いですね。着席している状態でこのモニターを眺めるとこんな具合になるのですが、ちょっと吊革が視界を妨げてしまっています。
ケースそのものはこれでもか!というくらい肉ぬき加工が施されています。これで209系がより軽く、より速くなるわけではなく、放熱などを考慮した形になっているものではないかと思います。
それにしても・・・この大きさを見てしまうと、電子ペーパーの薄さはやはり驚異的ですし、逆に山手線E231系の液晶ディスプレイのように薄く収まらなかったのはなぜだろう・・・という疑問を沸いてきます。

 
ちなみに4ドア車にもこのWVITが設置されています。台数は6ドア車と同じ3箇所。ただ吊革の数がさほど多くないため、特に立客が眺める分には全然支障無いと思います。ただ、逆にゴツい感じもしますよね。

今はまだ試験放送の段階なのでプログラムの数に限りがあり、2006年4月現在、自然の風景を流す番組や日テレニュース24のヘッドライン画面などが数分ごとに流れています。列車情報とは一切無縁なのでJR西日本の321系とは違い、あくまでも列車情報はLED表示機とアナウンスで、というスタンスをとっています。

これがやがて普及していき、ゆくゆくは通勤電車でテレビやネットが楽しめるような時代がくるのかなぁ…と思うと、すごくワクワクしてきます。え、電車内でテレビは先に京阪がやっているって?そ、それは・・・(弱


先ほど音声が聞けると書きましたが、FMラジオを持っている人でこの車内に当たった方、ぜひ周波数を合わせてみてください。駅構内では雑音が混じることもありましたが、外の区間であればあまりストレス無く楽しめます。
画像の周波数は一例で、いくつかの周波数を使って実験しているようです。そして、各WVITに対応する周波数が時々表示されるのでそれに合わせて聞くことになります。できれば「このディスプレイはこの周波数!」というのを書いておいてくれると、乗ってすぐに音声が楽しめるので聞き逃した!ということはなくなると思うのですが、いかがでしょうか。

試験期間は2006年7月中旬くらいまでの予定。皆さんもぜひ「一歩前」を体感しませんか?

・・・このコンテンツ、気がつけば液晶ディスプレイの話がメインになってる気がするのは…気のせい?(^^;;;
 
ひとつ前に戻る関連リンクWVIT関連のプレスリリース ・ジェイアール東日本企画 ・日本テレコム
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