JR東日本  キハ40形500番台[福島・新潟地区ロングシート車]
 
  デッキ付き、寒冷地向きのキハ40形500番台は新潟地区にも配置され、JR後も継承されたわけですが…いつの間にかロングシート車が登場し、気が付けば何両か支社を跨いで郡山車両センターに転属になっているとは…全く知りませんでした。左沢線や烏山線のロングシート車ばかりに気を取られていた私、115系、485系とありとあらゆる改造を手掛けた新潟地区の存在に気付かず、ただただ反省です。
新潟地区に残っているロングシート車は磐越西線や羽越線を中心に、郡山に転属になったロングシート車は只見線や磐越西線を中心に、それぞれ活躍しています。画像も後ろの車両がセミクロスシート車ですが、外観で見分けるのは背もたれのチラリ以外はなかなか難しいところです。只見線、今も昔もロングあり…CMでこの車両の存在に気付いた、心の叫びです。
(取材・撮影 JR磐越西線 喜多方〜会津若松)

 

 

 


車内全景です。2ドアロングシートの車内です。紺のモケットは新潟地区ではお馴染みで、郡山では転属で初登場といった様子。張替が今後あるかどうかが気になりますが、この国鉄の趣漂う車内、なかなか美しいものを感じます。目玉焼きにはケチャップが欠かせないのと一緒で、この内装には紺モケット。ナイスチョイスです。ただ、この構成はJRになってから改造を行ったものになります。


左沢線や烏山線のロングシート車との決定的な違いがトイレの有無になります。磐越西線の新津方にはトイレが残っています。故に長距離路線にもビシバシ投入されるロングシート車…前に郡山にいたロングシート車よりも使い勝手は良さそうです。その反対側は車椅子スペースというわけではないですが、座席が撤去されてゴミ箱がのっかっています。ドア周りの詰め込みを優先した思惑を感じますが、配管の関係もあって足元はあまり広がっていない印象です。
優先席はトイレの周り、つまり磐越西線の新津方に設置されています。


車椅子スペースは磐越西線の会津若松方に設置されています。折り畳みの椅子が設置されている区画で、この椅子こそ新潟のキハ40形の特徴にもなります。セミクロスシート車にもついている車が多いものの、ステップがあるキハ40形、ちゃんと車椅子のお客様をスペースまで案内できるのでしょうか…?
元々デッキがあり壁や仕切り扉があった区画ですが、風除けを兼ねてちょっと左右を残して壁や仕切り扉を撤去し、アイボリーの壁がどよーんと広がっている区画になっています。片開き扉の車両であればちょっとハイカラな路線図でも貼りそうですが、こちらは小さなピクトグラムが点在するだけ…うーん、殺風景。

 
トイレとその反対側の立客スペースです。昔ながらの和式トイレですが、ドアのパネルは張り替えているようです。また、ごみ箱がある区画は配管…というよりもこれそのまま座席が置けそうな感じですが…ほほうこうなっているんですねぇ…と興味関心をそそる光景が広がっています。JR九州のキハ40系列の中にも座席撤去車がいますが、もうちょっとスリムな配管に切り替えられていたことを考えると…仕切り壁とゴミ箱を利用した見事な改造と褒め称えずにはいられません。さすが新潟(上沼垂と言えないところがもどかしい)です。


車椅子スペースです。一応座席番号として19ABが振られています。折り畳みの座席も国鉄を彷彿とさせる紺のモケットになるとまぁ素敵、昔からあるスペースのように見えてしまいます(^^;;
ヒーターは座席と同じものを用いて、非常通報機も低い位置に備えていますが、座席を折りたたむとちょっと厚みが出て使いにくそうな予感がします。欲を言えば仕切り壁にも水平の握り棒が欲しいところです。


天井周りは冷房化改造が行われたものの、極めて自然な造形で左右に分かれて設置されているため、見た目の違和感は全くありません。また、窓上の網棚は張り替えが行われていて、若干カジュアルな装いになっています。扇風機の跡や吊革の支持方法に往年の非冷房・セミクロスシート時代の面影を感じますが、普段使っている方は多分気にならないと思います…。


灰色の床です。ただ、ロングシート化の時に張り替えたようで、国鉄時代の灰色よりもほんの少し明るいような感じで、どんよりした感じはしません…。


ドア周りです。無塗装のドアそのままですが、ドアには半自動のスイッチがついたので昔のように重たいドアをガラガラと開け閉めしなくなったのは素直に嬉しいです。ステップ付きですが、握り棒がやや上についていたり、そのせいもあって半自動ドアの位置が高めに設定されているのがいかにも国鉄形らしいクオリティです。ドアコックも普段とはちょっと違う位置にいますが、赤い縁が一応わかりやすく塗られています。
 
取っ手や半自動ドアのボタンになります。一時期はベストセラーのようにこの種類ばかりだったのですが…近年のボタンと比べると地味な感じが否めません。心なしか「ドア」の表示も暗く見えてしまいます。このボタンにレトロな感覚を求めるにはまだ早いですが、押すとプシューっと派手な音がして一定の速度でズルズル開く様はレトロな感覚そのものです。くれぐれも、ドアに手を挟まぬよう。


窓周りです。ロングシートになっても窓周りはそのまま。座席番号もそのまま。ABCD席、通路側窓側しっかり分かれています。通路側はきっと空気椅子なのでしょう(殴
また、一部の窓と窓の間には扇風機のスイッチ…があったであろうカバーがあります。

 
長〜いロングシートです。車椅子スペースの折り畳みは2人掛け、そこから3人掛け、6人掛け、6人掛け、5人掛けで最後は3人掛けのロングシート、故に23人掛けのロングシートが展開しています。紺のモケットは華奢な足が特徴で、この空間なら所々にある暖房機から出る空気もまんべんなく行き届きそうです。
国鉄時代にも、国鉄の紺モケットを受け継いだJR北海道や東海でも見たことが無い光景がこの車両でまさかの実現です。えぇ、私的には宝塚の大階段を見ているような気分です。

反対側は仕切り壁からトイレの壁までロングシートがギッシリと展開しています。どうですかこのボリューム!!この手の車両にありがちな配管問題も華麗にクリアしてこの長さ。いやはや、気づくのが遅くなりました。
ただ…ただですね、実際のところこれだけ長すぎると座りにくいのも事実で、ところどころひじ掛けが、せめてスタンションポールが欲しくなるのも事実です。


また、柔らかい座面は明らかにあの手この手でリサイクルをしているのがバレバレな長さで、2人1組の座面がスタンバイしています。ロングシートなのにクロスシート並みのタイトな横幅を要求されます。何かとちょっと混んでいてもゆったり座ることが多いこの手のロングロングシート、意気揚々と分かれ目に飛び込んだ日にはもう色々と泣けてきます。また、華奢な脚も2人1組の座面の部分は床に接する面がガッチリ補強されています。掃除も何かと泣けてくる仕様、それでも堂々と改造する魂はドキュメントにしても良いのではないかと思うくらいです。
ということで…旅行中、只見線で当たっても…この車両なら少しは感動できますよね?ね!
 
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