JR東日本  キハ40形[南東北地区・ロングシート車]
 
  近年はキハ110形の勢力に押されながらも、独特の地位を築いている小牛田運輸区に所属するキハ40形。ジョイフルトレインなどの華のある車両も多数在籍していますが、華の無い「地元の足」も、なかなか個性的な車両が揃っています。今回はその中から、オールロングシート車のキハ40形を取り上げます。
もともと左沢線向けに改造された経緯があるため、キハ48形などにロングシート化が進行しているわけではありません。左沢線にキハ100形が導入されたため、小牛田運輸区に移籍してきました。
現在は石巻線・気仙沼線を中心に活躍し、朝の一往復のみ陸羽東線にも乗り入れます。また、只見線でもその姿を見ることができますが…セミクロスシート車よりもあまり人気が無いようです(^^;
このページでは非冷房車のロングシート車を取り上げます。
(取材・撮影 JR陸羽東線・小牛田〜古川)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。2ドアデッキ無し、中央に立席スペースを作ってロングシートを展開する「通勤仕様」です。
トイレ部分も客室となり、ロングシートが展開しているのは距離が短い左沢線に投入された頃の名残で、取材時はトイレつきのキハ48形を1両組み込んだ4両編成の中間車として連結されていました。
セミクロスシートのキハ40形とは内壁や床の色、窓配置などで合致する点が多く、ジョイフルトレインのような「キハ40離れ」した改造までは至っていません。


小牛田方の乗務員室との仕切りになります。こちらはもともとデッキだったため、後ほどご紹介するトイレがあった車端部に比べると違和感はありません。
デッキがなくなり、袖仕切りと透明の仕切り板に置き換わりましたが前面の閉鎖的な環境は相変わらずで、前面展望はおろか果たして乗務員がちゃんと乗っているかどうかも気になってしまいます(^^;; このような仕切りからも想像できますが、ワンマン化改造はこの車両では行われていません。


こちらはトイレがあった車端部の模様です。トイレは撤去されましたが、屋根上のタンクを考慮した低い天井、そしてトイレを思い出すのに必要不可欠な細長い窓がそのまま残っています。非常通報機が細長い窓の脇という通常なかなか「いない」位置にいるのもその名残です。
古川・女川方車端部がこの格好で、見事に優先席に充てられているわけですが、外からのアピールが細長い窓に阻まれてなかなかできそうにない、もどかしい状況になってしまっています。

 
天井周りと扇風機です。この期に及んで非冷房車がちゃっかり登場するとは思ってもいませんでした。
今はすっかり懐かしいスペックとなった弧の天井、中央には手動操作ができる扇風機がぶら下がり、両脇には蛍光灯が間隔もまばらに並んでいます。
利用客側も、乗務する側も冷房化を要望したい気持ちはあるかと思います。現にロングシート車も冷房化された車両が存在しており、この日取材した古川発小牛田行きの列車も非冷房車は4両編成中この1両だけでした。
どんなペースで冷房化が進んでいるのか、気になります。


床です。登場時から変わらない灰色一色の床です。
画像はトイレが元々あった場所付近の様子ですが、特にトイレがあったと思うような跡はみられません。

 
ドア周りです。キハ40形ならではのゆっくり閉まる片開き扉で、こちらも数を減らしてきている「手で開け閉め」するタイプの取っ手が設けられています。ドアの前にはステップが設けられており、ゴミ箱や袖仕切りの周りの空間からもわかる通り、デッキがなくなってもあまりドア付近に乗客がたまらないようになっています。
ドアそのものは無塗装のステンレス製を用いています。


ドア周りは昔から変わらずの2段窓。窓配置はセミクロスシート時代から変化はありません。
扇風機のスイッチに混ざって「車内をきれいにしましょう。」というプレートが設置されています。

 
座席です。左の画像が小牛田方に設けられた14人掛け、右の画像が古川方、女川方に設けられた14人掛けの優先席つきのロングシートになります。中央と車端部で袖仕切りの形状が異なるほか、中間にもスタンディングポールが設けられています。
バケットシートのロングシートでは烏山線のキハ40形が先駆的ですが、烏山線の座席とは異なる形状、異なる仕組みになっています。こちらの方が座面がしっかりしている分座りやすい印象があります。
モケットは通常のモケットが薄茶色、優先席がいつもの座面が灰色、背もたれが赤のツートン柄になっています。

袖仕切り二種類をご覧頂きます。奥のデッキと座席を仕切り袖仕切りは417系でも見られた「化粧板+透明の板」という形状で、南東北地区では割とお馴染みだった袖仕切りと言えるでしょう。肘掛けとしての機能はありませんが、寒さをしのぐにはこれぐらいの装備でないと無理です。
スタンディングポールは棒タイプの肘掛けも兼ねており、今まで使っていた物の再利用だとしても、サービスとしてはなかなか良い線いっているのではないでしょうか。少なくても701系やE233系にはない「肘掛け」が、ここにはあるわけですから。


そして最後に車両中間にある立席スペースです。
なぜここにこのようなスペースがあるかは甚だ疑問で、車椅子スペースであれば中途半端すぎる不便な位置ですし、ここに立席スペースを設けるくらいならデッキを拡大しても良かったと思うのですが…きっとここに、2ドアでもラッシュを捌くアイデアがあったのでしょう(^^;;

…なんでも良いので、この部分に座席設置しませんか?(^^;;;

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