JR東日本  烏山線キハ40 1000番台
 
  栃木県では数少ない非電化路線として知られる烏山線。
そこの主力車輌として8両在籍しているのがキハ40です。ご覧頂いている通り、ごくごくフツーのキハのようです。緑の帯が宇都宮で乗り継げられる東北新幹線を意識しているかなぁ・・・と思わせるくらいで。
ただ、キハ40の中で1000番台を名乗る車輌が在籍しているのは宮城県の小牛田(「ふるさと」の1両)と烏山線だけです。ある意味車輌も「数少ない」存在です。ヘッドマークには七福神が描かれています。駅や車輌の至る所に七福神な方々が描かれていて、思わず乗っているこちらもにんまりしてしまいます(^^; 沿線もまったりにんまり田園風景。ただ、3月に行くと…画像の通り涙なみだの紅葉が楽しめます。ぎゃぴー。

(取材・撮影 JR烏山線/宝積寺・滝〜烏山)

 

 

 


車内に入る前に、この車輌のトイレの窓から・・・ぉぉっと!なんと吊革が見えるじゃないですか!!!
いやーいったいこの車輌のトイレはどうなっているのでしょうか。
尚、この車輌は後述する理由によりこのようなことをしても迷惑防止条例で逮捕される事は無いと思いますが、他のキハ40でこのような事をやると場合によっては・・・(中略)・・・かもしれません、ご注意下さい(^^;;


気を取り直して車内全景を見ていきましょう。泣く子もだまるロ〜ングシートはここにも健在でした。2ドア、ノーデッキの車内で、外観からは想像がつかないもののしっかり冷房も備わっています。
元々はセミクロスシートの車内でした。ただ、1991年と比較的早い段階でワンマン運転を始めていた烏山線、その際このような車内に改造されました。


そして車端部。整理券発行機が見えるほか、その右側にはちらっと運賃箱の姿が。
思ったよりも閉鎖的な、そしてごちゃごちゃした雰囲気ですね。もう前面展望云々どころの話ではありません。
そして、電光の運賃表示機が見当たりません。改造年月日が早かったからでしょうか、代わりに細かい文字の運賃表や時刻表が画像右側にしっかり貼られています。


もう片方の車端部。こちらが宝積寺寄りになります。そして、先ほどの「トイレの窓から吊革〜」の解答編でもあります。
そうなんです、この車輌、どんな粋なトイレが・・・の前にトイレそのものがないんです(^^;;
ワンマン化の際に「乗車時間が短い」などが理由とされ、撤去されました。
トイレの部分もしっかり座席が延びています。双方の袖仕切りの形状が違うあたりからもそのような事情が伺えます。
こうなるとかつて水タンクが上に詰まれていた部分の、ちょっぴり低い屋根の存在がまずます気になるのですが…今日も「あれ、何かあったかしら?!」といった素振りで改造前と変わらない姿を披露しています。


別の角度から「元トイレ」です。よーく見ると床の色がかすかに異なります。もう改造されてから相当年月が経つのに・・・。
そして、元トイレ区画には天井の蛍光灯が設けられていません。従って窓ガラスの小ささと共に夕方〜夜にかけては結構暗いスペースになってしまいます。ケチケチしないで蛍光灯くらいつければいいのに・・・。

ただ、このスペース、結構人気があります。上り列車では運賃箱が目の前に来たり、主要駅の大金では改札への通路に一番近くなったりする利点があります。そして下り列車は宝積寺駅の階段に一番近いということもあって、文字通り・・・今も昔もくだりは超特級。お粗末さまでした。


さきほどからちらちらと意識して見ている床ですが、この画像よりも若干濃い目の灰色一色が展開。
床と座席だけを切り取ると同じ栃木県内を走る107系に似たカラーコーディネートですね。


天井を見上げてみました。丸みを帯びた天井にドカンと鎮座した冷房装置。もう見るからに効きそうな大きさですよね。したがって冷房装置のある部分の網棚は使用不可能になってしまっています。
気動車ではあまりお目にかからない、端から端までずっと吊革!を眺められるのも特徴で、ロングシートの同車ならでは。


そしてこの車輌は扇風機も健在。関東では実は年々レアなアイテムになりつつあるのですが、客室からボタン一つで操作できるというシステムも実は関東では珍しい「光景」であります。
赤と白のボタン、他の地域で「見たよ!」という方も多いのではないでしょうか。
それにしても・・・色褪せ始めている「JR」のマークにはどこか哀愁さえ感じさせます。


続いてドア周りです。ノーデッキなのにも関わらずドアの存在がひっそり切り離されたような感覚がします。
片開き扉で、その右側が戸袋になります。どちらも広告枠などは設けられていません。
画像ではわかりにくいですが、この車輌に乗るにはステップを上らないといけません。つまり、2段ほど階段を昇り降りする感覚なのですが、時折乗り入れる東北本線の岡本・宇都宮駅ではステップが逆に「窪み」の役割を果たしてしまいます。
そんなに乗り入れ本数は多くないとはいえ、そろそろ何とか窪みを埋めて欲しいなぁなんて思いました。
あ、タミヤセメント使ってみますか?!


整理券発行機、そして自動放送用のスピーカー。整理券発行機の方はかなり年季が入っています。打ち出される文字もワードプロセッサ全盛期の頃の趣。


そしてドア周りには半自動用のスイッチが。左側が車外用、右側が車内用になります。
準備中につき〜のテプラが貼られている通り、設置するだけしたといった具合で全駅ともドアの開閉は自動で行っていました。機器自体はちょっぴり新しそうなのですが、まさかボタンだけ取り付け・・・ということはないですよね?来年の冬の活躍に期待しています。ちなみに車外用のスイッチ、テプラが剥がれてしまっています(^^;;


さて座席の方に入っていきましょう。傍らには消火器も見えますが、何の変哲の無いロングシートがお出迎えです。
ドアからドアまでずっっとロングシートというわけではなく、排煙管を境に2分割されています。画像は短い方で、宝積寺寄りの8人掛けのものです。そうです・・・あの元トイレの区画も含まれています。
元々クロスシートが鎮座していた部分なので、必死に折り曲げてみましたという感じが強い独特の袖仕切りが印象的です。ただ、そこまでナナメにしてしまうと肘掛けとしての機能が…(^^;;


そして宝積寺側のロングシートになります。左端には排煙管も見えますが、それにしてもなが〜〜〜〜〜いですね(^^;;
ざっと20人は座れます。
バケットシートですが、まだ座面や背もたれにカーブがつけられたわけではなく、日光線の107系や宇都宮線でかつて走っていた115系のロングシートでみられたタイプと同じ、縦にラインを入れて座面の詰め物をスカスカにしたバケットシートになっています。故に座り心地は烏山線の乗車時間だから許せる・・・ような状態です。
ただ、自分のような車内好きにはバケットシートの歴史の傍らに立てる、貴重な車輌と言っても過言では無いと思います。ぜひ、宇都宮線の211系、E231系と併せてその歴史をご堪能下さい。


ちなみにこの車輌の暖房装置はバス用のものです(^^;;
近頃地元のノンステップバスの座席背面に「座席下のヒーターは熱くなるから触るな」といった主旨のステッカーが貼られています。勿論この車輌にもあてはまるわけで…冬場はご注意下さい。
この種の暖房はそんなに広い範囲を暖められるような気がしないのですが… 冬場乗っていないのでなんとも言えませんが、やはり物足りなさを感じてしまいます。


優先席は烏山よりの5席が充てられています。蘇芳色のモケットよりも目立ちます!
座り心地は目立って違うわけではなく、他の席と同じですが・・・。

袖仕切りが先ほどの「ナナメ」タイプとは異なります。この形状の袖仕切りはキハ40に初めからついていたもので、肘掛けの機能も兼ね備えたものになっています。ナナメタイプの斬新さはないものの、安心感はありますね。


最後に排煙管周りをチェックです。消火器の他にもこのようにゴミ箱が置かれているのですが・・・「ごみ箱」のフォントが実に良い仕事をしています。そして右側には扇風機のスイッチも。

さて、ここで注目したいのが、ゴミ箱の上です。

白いカゴの中には、花が添えられています。造花とはいえ、場の無機質な造りに華やかさをプラスしています。無論、あるのと無いのとでは大違い。残念な事にちょっと色褪せたような気もするのですが、定期的に入れ替えていけば車内の明るい話題のタネにもなるかと思います。

個人的にはこのような気配り、大好きです。


車輌によってはカゴの色や花が違うようで、取材した3月にはちょっと珍しい向日葵がわんさか溢れるくらいに入っている車輌もいました。車輌によって異なるようなので、毎日烏山線を使う方は乗り降りの際にチラッと見てみるのはいかがでしょうか。
車外の「七福神チェック!」と共に、ちょっぴり毎日の通勤通学が潤いますよ。


<おまけ>
データイムはほぼ毎時1本の運転。大金で上下列車が入れ替わる形で、線内には2本の列車が行ったり来たり…という格好です。データイムに関しては1本は2両編成、もう1本は単行の運転になります。通勤通学時間帯は最大3両編成まで膨らむそうですが…単行でゆっくり進む烏山線の旅は絶品。今度は涙の紅葉を外した時期に行きたいです・・・。
 
ひとつ前に戻る関連リンク→からせん縁起駅舎の旅(mt_crowさん運営)烏山線の沿線情報が楽しめます!
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