JR東日本 久留里線キハ30形 | ||
長らく楽しい仲間がいなかった通勤型ディーゼルカーというポジションを最初に確立したのがキハ35系。キハ38形や関東鉄道キハ2100形など同じ目的の車両が増えるのとは裏腹に、JR化後は急速に姿を消しており、現在はJR久留里線に両運転台のキハ30形が3両在籍するだけになってしまいました。 久留里線で活躍する3両は主に平日の増結車両として活躍しており、3両ともエンジンの換装など手を加えられた状態で活躍を続けています。塗装は近年懐かしい国鉄色に塗り替えられています。個人的には早く小湊鉄道のディーゼルカーやいすみ鉄道のディーゼルカーと国鉄色の共演を見たいものです。 (取材・撮影 JR久留里線・木更津〜上総亀山) |
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車内は両開き3ドア、トイレはありません。左の画像が木更津方、右の画像が上総亀山方になります。 広々とした車内は更新工事の際に化粧板や床の色をガラッと変えたこともあってなかなかキレイです。ただ、3両それぞれ内装には些細な差があるそうなので、乗車時のささやかな楽しみにもなりそうな予感がします。今回取り合げる車内は「キハ30 98」という車両の車内になります。 このような車内なので、特に混雑する時間帯に乗ってしまうとなかなか旅情を感じることが難しくなってしまいます。木更津駅には美味しい駅弁が売っているのでつい車内で食べたくなってしまうものですが… 立客に囲まれて食べるシチュエーションは正直厳しいです。 左の画像が上総亀山方の乗務員室との仕切りです。右の画像は木更津方の乗務員室との仕切りです。 化粧板こそついていますが、懐かしいスタイル!と喜ぶ方も多数おられるでしょう。半室構造の乗務員室も今ではあまり見なくなりました。連結時の様子がまさに右の画像で、仕切り壁が取り払われ、半室は客室の一部として開放されます。 このディーゼルカーと同じ時期に登場した101系以降通勤電車では採用例が無いものの、113系などの近郊型電車、そしてキハ20形などのディーゼルカーでは頻繁にみられました。 この形式では乗務員室との仕切り側の袖仕切りが排煙管と同じ位置にくるため省略されており、乗務員室の仕切りを展開しているときはあまり違和感が無いようになっています。 連結時はこのように、右側の仕切りを乗務員室と外をつなぐドア側に寄せて、真ん中の仕切りを乗務員室側に寄せて乗務員室に立ち入ったり乗務員が使う機器に手が届かないよう考えられた形で客室になります。 難点を言えば掴みどころが少ない点ですが、これはスペース的に仕方がないところ。むしろ足元のさりげないでっぱりに気を付けたいところです。 それにしてもこの展開、全国であとどれくらい見られるのでしょうか? 天井です。非冷房のためキハ37形のように冷房装置が天井左右両脇についていたり、キハ38形のようにまっすぐフラットな天井ではありません。故に夏休みなど暑い時期は冷房車に駆け込みたくなってしまいます(^^;; さっそく純白の天井を見上げると蛍光灯がポツポツと。真ん中にはベンチレーターと直結している丸いフタの通風孔があります。これはキハ30形オリジナルではないでしょうか? 車内には扇風機もスタンバイしています。JR東日本のロゴの貼り方で2パターンありますが、どちらも剥がせばおそらく「JNR」のロゴがそのまま残っていると思います。そちらの方が塗装に合致しそうですが、あくまでもJR東日本で統一しています。 車内にはスイッチが左右1ヶ所ずつあり、スイッチを押すと1つおきに扇風機が動くようになっています。凝っています。 床は更新車だからこそというべきでしょう、茶色で統一されています。 灰色の薄暗いイメージは完全になくなっています。 外吊りドアです。ドアの開閉動作がなかなか面白く、ついつい見入ってしまいます。 外吊りドアなのでドアそのもの、あるいはドアの周りも普段よりも「厚み」を感じます。ユニークなのはドアそのものに手をかけないようにするためでしょうか、ステップがあってなかなか手が届かない鴨居部分に横の握り棒が設置されています。 ステップの方を見てみると、ドアにレールガイドのような意匠が施されています。特に外からは見えませんが、バタツキ防止に何かガイドがあるかもしれません。 半自動ドアのスイッチです。そうです、この外吊りドアがなんとボタン一つで動くのです!!もう興奮してしまいそうです(^^;; 新潟地区、あるいは八高線向けに国鉄時代に設置されたものなので、だいぶ年季が入っていますし、スイッチも存在感も小さな小さな半自動ドアです。 現在はおそらく使用していないと思いますが、車内側のボタンの位置が高いので、降りる時に「しめる」ボタンを押しながら外に出るのはなかなか至難の業になってしまいます。そう、腕を伸ばしてボタンを押すと、すぐに勢いよく…(^^;; ステップです。私の記憶ではかつてここに足元を照らす白熱灯があったと思うのですが…気のせいでしょうか? 関東鉄道のキハ30形はこの部分が埋められているので、このステップは久留里線でしか味わえなくなってしまいました。 側窓です。外吊り扉のため、戸袋窓はありません。故にドアのすぐ脇の窓も開くようになっています。 昔の記憶をたどると「窓から手を出さぬよう」という注意書きが記されたプレートがあったような気がするのですが、このキハ30-98においてはそのプレートはありませんでした。きっと手をだしにくくするよう下の窓の手前に手すりを設けて「その代わり」にしたのでしょう。キハ30ならではのプレートだったので、ちょっと寂しいです。 座席です。ドア〜ドア間ビッチリ入ったロングシートです。 モケットこそ明るい青いモケットに変わったものの、モケット以外は当時のままで、袖仕切りのつけ方などキハ30形独特の部分もそのまま残っています。 周りの雰囲気に合致した座席にときめくわけですが、座り心地はちょっと座面が高いかなぁと思う程度で、心配していた乗り心地も余計にバウンドすることなく、割と快適に過ごせました。まぁそんなに速度が出ていないということもありますが…(^^; 乗務員室側の座席も基本的には同じロングシートになります。木更津方のみ優先席ということで、モケットが優先席柄になっています。E217系で大変お馴染みのモケットも、キハ30形では相変わらず浮いているようにも見えます。 お気づきかもしれませんが、座席の長さが同じでも、周りの設備によって少し居住性に差が出ているように思えます。特に、右の画像のように排煙管が無いの分単なるスペースが仕切り壁との間にできている区画は空間の余裕ができており、肘掛こそ無いものの狭さを感じさせない、自然な姿勢で座ることができます。裏を返せば椅子取りゲームの時にはみ出る可能性も少し含んでいるわけで…(^^;;; さて、珍しく運転台を撮影してみました。 コンパクトですが、ディーゼルカーらしく青い丸がキレイに並んでいます。 |
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