JR東日本  キハ110形[リクライニングシート車]
 
  快速「南三陸」といえば長らくキハ58形をメインに運用されていました。東北本線の疾走や非冷房の増結車両などを思い出す方も多いでしょう。しかし老朽化には耐えられず、2007年度にキハ110系に置き換えられました。従来のセミクロスシート車に加えて、新たに岩手からリクライニングシート車も南三陸2・3号の指定席車を中心に充当されています。
リクライニングシート車はいわゆる初期車のグループに属し、プラグドアやパイプ形状のスカートなど外観にも些細な違いがみられます。最終増備車の陸羽線用も顔を出す小牛田地区はさしずめキハ110系のデパートとも言えるでしょう。
南三陸の自由席車や東北本線、石巻線、気仙沼線の間合い運用にも時折充当されます。
(取材・撮影 JR東北本線・小牛田)

 

 

 

 
小牛田に転属した車両はいずれも両運転台車だったので、車内全景はいずれも運転台が後ろに見えています。
普段近郊型車両として見ているキハ110形とは全く違う車内が展開しています。座席のみならず、床や天井も雰囲気が全く異なります。これをリクライニング車というステータスと言うべきか、それとも量産先行車ならではの試行錯誤というべきかは迷ってしまう部分でもあります。
2ドアリクライニングシート、デッキはありません。

 
ドアエンジンのカバーがやたら目立っている画像です。デッキの仕切り、デッキ、乗務員室への仕切りを見ています。左の画像は仙台方乗務員室、右の画像は小牛田方乗務員室になります。
仕切りはガラス張りの大きなもので、あまり乗り降りに支障をきたさない作りになっています。急行陸中で運用されていたころはそれこそステータスとして「なぜデッキがない?!」という話になっていたかもしれませんが(^^;;

デッキもカバーつきの蛍光灯が備わっており、デッキ特有の暗さはあまり感じません。


外からトイレです。量産車でもこのデッキから入るトイレが採用されていました。中は和式です。
時折快速「南三陸」では陸羽東線・陸羽西線仕様のキハ110形が増結されますが、そちらは洋式の大型トイレが使われています。和式に慣れていない方も一安心といったところでしょう。
外観上、トイレの窓が無い代わりに黒く塗られているのが0番台のささやかな萌えポイントになります。


天井です。先述の通り、キハ110形の量産車とは大きく違う部分になります。
カバーつきの蛍光灯もさることながら、冷房関係のダクトが天井中央に集約されていることから両脇が広々としています。吊革や冷房容量などの関係でセミクロスシートの量産車では用いられなかったのであろうと推測できるわけですが、初めて八高線でキハ110形に乗った時の「冷房がついてるし、広い〜」と喜んだ中学生の時のワタシ、きっとその時この天井に出会っていたら…気絶していたでしょうね(^^;;;

天井中央にもところどころに蛍光灯がついれいますが、そこまでやらなくても2列の照明で足りているような気がします。


床です。こちらも量産車ではみられないパターン柄を用いて、さりげなく優等列車な気分を後押ししています。

 
デッキ周りです。さすがにステップはありますが、従来のディーゼルカーよりも小さくなっています。プラグドアは半自動で、デッキの仕切りがあるため横幅があるにも関わらず引き締まった空間に仕上がっています。
反面、この車両では車椅子の利用は想定していない作りだなぁというのが客席、そしてデッキの取り回しを見て思うところです。急行陸中のころは片運転台車に車椅子スペースを作っていたはずですし、快速南三陸も自由席車になるセミクロスシート車に車椅子スペースがあるので問題は無いのですが、あとは車掌さんがそこまで誘導できるかどうかにかかっています。

 
汎用品のドアスイッチ、プラグドアでも変わりありません。そして静かな佇まいの「くずもの入れ」。このあたりのシンプルさ、近年の鉄道車両ではあまり見かけなくなってしまいました。


窓は固定窓。これはキハ110形すべてに共通していることです。
そして窓枠は平らになっているのでちょっとした小物なら置くことができます。

 
リクライニングシートです。2枚載せてみました。端の席にはテーブルの類が何もないあたりがこの車両のポジションを如実に表すわけですが…(^^;;
スタイルの良いリクライニングシートで、紫と黒を基本にしたモケットはバケット形状も相まって滑ることはありません。シートピッチも必要十分、ほとんど弱点がありません。
個人的には東北本線の高速走行時に感じた細かな振動や、気仙沼線に入ってからのトンネルに入るときの「ドン」という音が少しやかましいという印象が残ったのですが、日ごろから乗り慣れている方にはあまり気にならないと思いますし、近郊型で用いるのが前提の車両故、特急型並みの静かさを期待してはいけないようです。


最後に仕切りから一枚。南三陸1・4号では自由席になるこの車両。デザインセンスが統一されているイメージが強いJR東日本ですが、見事にセンスがバラバラです…

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