JR東日本  キハ110形200番台[陸羽東線・陸羽西線]
 
  これまで様々な路線に投入されてきたキハ110系。今回はその中から山形新幹線新庄開業と共に車両置き換えが行われた陸羽東線・陸羽西線の両運転台車、キハ110形200番台をご案内します。
これまで投入されてきた車両から若干マイナーチェンジが図られた陸羽東線・陸羽西線用。中でも回転クロスシートを備え「眺望車」として登場した車両が神出鬼没さもあって有名ですが、今回は地味なセミクロスシートの車内を取り上げます。
画像のような黄色い帯の両運転台車「キハ110形」が陸羽西線用、片運転台車の「キハ111形」「キハ112形」が陸羽東線用として登場しましたが、運用的には明確にわけられておらず、今回も陸羽西線用の車両を陸羽東線で取材しています(^^;;
(取材・撮影 JR陸羽東線・鳴子温泉〜古川)

 

 

 


車内全景です。青春18きっぷなどでJR東日本のディーゼル路線を乗っている方にとってはお馴染みの構成、お馴染みの雰囲気だと思いますが、何か物足りなさを感じませんか…?
それはさておき、2ドア、ドア周りはクロスシート、真ん中に片側1列・片側2列で固定クロスシートが配置されています。通路を広く取ったことでワンマン運転やラッシュ時の詰め込みにも対応でき、クロスシートのバリエーションを2種類に増やすことによって長距離客の様々な利用形態にも対応できる、実に良くできた構成になっています。

なお、陸羽東線・陸羽西線のキハ110系では片運転台車のキハ111形、キハ112形も含めて、床や座席の色を使い分けるような格好で車内のカラーパターンが数種類あるようです。今回は床、座席ともに赤系の車内を取り上げていきます。


両運転台車のため、車端部にはどちらも乗務員室がつきます。画像はトイレの無い余目方の車端部です。先頭車として運転される時は貫通扉の手前に運賃箱がででんと置かれます。中間車として運用される時は向かって右側、ドアの奥のスペースが事実上解放されてしまっており、車内が混んでくるとここにもお客さんが入ってくることがあります。
乗務員室は半室構造で、窓を介しての問い合わせが多かったのでしょうか、開閉可能だった乗務員室との仕切りの窓は固定窓に変更されています。


ちょっと遠目からトイレのある小牛田方の車端部です。車端部そのものの構成は余目方と全く変わりませんが、トイレがある分遠くから見るとちょっと雰囲気が異なるように感じます。トイレの扉の向かい側は車椅子スペースになっていることもあり、ドア開閉時における冬場の風の侵入はこちらの方が少ないかもしれません。


こちらが車椅子スペースになります。必要最低限ながら握り棒はしっかり設置されており、吊革もこの部分は長さを短く調節してあります。車椅子スペースの存在自体に異議は全くありませんが、果たしてこのスペースを必要としている方々は画像奥のステップをどう克服しているのでしょうか・・・。


逆サイドはトイレです。以前よりも扉の幅が広がり、中も洋式トイレとなり車椅子スペースでの利用が可能となりました。その関係で扉の位置も以前とは異なります。車椅子仕様のトイレというと従来の「おおよそ」長方形にはとらわれない斬新な形が印象的ですが、こちらは従来の形に収まっています。


天井です。フラットではなく、丸みを帯びたスタイルになっていますが、そのきっかけは左右両端に冷房のダクトを通したことによります。このスッキリ冷房は後にキハ40形の冷房改造車にも取り入れられています。
そして片側だけズラッと並んだ吊革も気になるところです。ロングシートだけでなく、2人一組のクロスシートの上にも吊革が設けられていることで、前述の通り「ラッシュ時の詰め込みにも強い」特徴をここでも前面に押し出しています。


床です。ブルー系の色もあるようですが、取材車はローズピンクとでも言うべきでしょうか、赤系一色の床でした。
このあたりの色の好き嫌いは人それぞれでしょう。ただ、いずれの色も持つ明るさが照明の数が少ないディーゼルカーの雰囲気作りに大きく役立っているはずです。


ドア周りです。ステップ付きの片開き扉で、半自動ドアのため開閉ボタンが設けられています。ドアそのものは無塗装の銀色で、外観の大きく塗られた緑とはかけ離れた雰囲気ですが、鴨居部は天井に合わせるかのように丸みを帯びており、きれいに一体的に仕上がっています。


半自動ドアの開閉ボタンです。左の画像が車内のボタン、右の画像が車外のボタンになります。
画像の時のように「ドア」と書かれた赤い表示がでると開閉できるようになります。姿、しくみ共にすっかりお馴染みのシステムですが、この車両は開け閉めするたびに「ピンポンピンポン」と効果音をつけてくれます(^^;;
開ける時と閉める時は違う音にするとか、ただ単にならすだけではないもう一工夫があれば単純に「やかましい!」とは思わなくなるかもしれません・・・。


窓周りです。ここに陸羽東線、陸羽西線のキハ110における「大きな変化」があります。
これまでキハ110系にはあったカーテンが省略され、着色ガラスになってしまったのです。見た目的にも豪華で、光を遮り、極力クリアな景色を見て貰おうと横引きカーテンがあったところもキハ110系の魅力の一つだったわけですが・・・。

キハ110、おまえもか!!と吠えたい気分です(^。^;;;


ロングシートから座席へと参ります。まずはトイレ向かいの5人掛けから。車椅子スペースに備えて握り棒の役割を果たす、ちょっと謎の形の袖仕切りを使っています。
バケット状の座席で、今回取材した車両ではローズピンクのチェック柄のモケットになります。床同様座席にも青系のモケットがあり、どちらも落ち着いた色になっています。

 
余目方のロングシートは両側とも8人掛け。どちらもバケット状の座席を用いています。座席下のヒーターが余目方進行方向右側が1つなのに対して左側が2つになっていますが、何か大きな意味はあるのでしょうか(^^;;;
こちらは扉に近いこともあって袖仕切りの上をアクリル板で覆っています。そのため、袖仕切りに近い席はやや窮屈な印象が拭えません。とはいえ座り心地はバケットとは思えないほど適度に座面も沈んでくれて、なかなか良かったです。正直この形式の座席は好きです(^^)。


トイレとクロスシートの間にも小粒な雰囲気で3人掛けの座席があります。こちらは優先席にも指定されていますが、トイレも含めて周り三方がものの見事に携帯電話電源ONゾーンに指定されています(^^;; これで窓の外にも携帯電話で話し中の方がいようものならまさに四面楚歌の状態となってしまいます。また、意外とドアからはいると目立たない位置かな・・・という雰囲気も少しあります。そういう意味ではこの向かい側の5人掛けロングシートの方が優先席向けの場所だったかもしれません。

 
続いてクロスシートです。余目方向かって右側に2人1組のクロスシート、左側に4人1組のクロスシートがそれぞれ5組ずつ備わっています。どちらもローズピンクのチェックのモケットを用いたバケットシートになっており、通路側には大きな取っ手が備わっています。
個人的にはディーゼルカーにありがちな「背面の板に灰皿の跡」がないのが良いなぁ…と思いますが(^^;;この車両が登場した頃には既にほぼ全ての普通列車の中で煙草が吸えなかったわけで、当然と言われればそれまでです(^^;;;

 
2人1組のクロスシートをじっくり眺めていきます。大きさ的には4人1組のクロスシートをばっさり半分に切ったような具合で、奥に背もたれがないのとキリリとしたフォルムが軽快さを表しているように見えます。
座り心地もしっかりした背もたれと座面の程よい沈み込みで、正直良いなぁと思います。ちょっと他のキハ110系列よりも座面の硬さがほんの僅か気になるかな・・・と思うのですが、きっと気のせいでしょう(^^;;;

この椅子が他のJR東日本の車両にも採用されなかったのが惜しいくらいです。

 
こちらは4人1組のクロスシートになります。やや背もたれのバケットが強調されているかな・・・と思います。キハ40系など従来のディーゼルカーにあった窓下の太い配管もなくなり、窓側の足元も広く取れるようになりました。これでバケットを採用しても「窮屈だ!」という感覚はあまり感じられなくなったと思います。ただ、クロスシート部分において一番端で通路側の席は座面下が空洞になっており、他の席よりも足元の寒さを感じるかもしれません。


最後にワンマン機器から整理券発行機と運賃箱です。
運賃箱を使う時は曲線レールに沿って90度回転させますが、格納時も乗務員室などとの仕切りの一部分を果たす役目もあります。そして整理券発行機の設置場所もユニークですが…画像向かって左から入ってきた時、ちょっと取りにくくないですか…?

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