JR東日本  キハ101形[左沢線]
 
  1993年、山形県の山形と左沢を結ぶ左沢線に新型車両が投入されました。キハ101形です。
ベースはキハ100形で、見た目こそキハ100形そのままなのですが、左沢線専用ということで塗装もJR東日本のディーゼルカーにしては珍しくロゴも入った専用塗装を採用しています。また、所要時間が短いので車内設備なども左沢線専用として設計されており、JRの左沢線に対する力の入れようがひしひしと感じられます。

全車16m車の両運転台車で、朝ラッシュ時の最大6両編成からデータイムの1両ワンマン運転まで需要に応じた細かい運用に対応しています。
(取材・撮影 JR左沢線・寒河江)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。さすが左沢線専用設計、沿線の名産品「さくらんぼ」をモチーフにした赤やピンクで車内を彩っています。2ドアデッキなし、オールロングシートの車内は他のキハ110系、キハ100系では見られません。トイレや短い車体長から「地方の第3セクターの車両をJR東日本が作ってみました」と言わんばかりの様相です。

 
車端部の様子です。左の画像は左沢方運転台の仕切り、右の画像は山形方運転台の仕切りになります。
仕切りの手前に広がる景色が若干異なり、山形方には車椅子スペースが、左沢方には優先席が設けられています。仕切りそのものはキハ100系シリーズでお馴染みの物を両者とも使用しています。なお、運賃箱や優先席部分の吊革は交換を行っています。

右の画像をご覧頂くと運賃箱が中央に出ていますが、その右隣の柵が左の画像と比べて伸びているのがわかるかと思います。先頭側は運転席の周りに立ち入らないよう柵と運賃箱で締め切っています。そのため、ワンマンディーゼルカーにありがちな「運転士さんよりも前に立って前面展望」はこの系列ではできなくなっています。


なお、一部車両は電光の運賃表示器の代わりに紙で運賃表を掲げています。駅数も限定され、定期券の利用者も多いでしょうからこれでも全く不自由ありません。ちょっと紙に年季が入っています(^^;;


山形方乗務員室の斜め後ろにある車椅子スペースです。キハ100系シリーズ共通のスペースで、例によって車椅子の固定ベルトなどはありません。また、立席に配慮してかなり高い位置にも握り棒が設置されています。

普段のキハ100系ではこの隣がトイレになるため、眺望が塞がれた気分になってしまいますが、この系列は隣が扉になっているため、ドアの開く向きによってはアクセスしやすいだけでなく、眺望についてもある程度確保されています。


天井周りです。冷房装置のダクトが目立たないながらも左右に展開しているため、丸みを帯びた天井になっています。
剥き出しの蛍光灯がちょっと物足りないように見えますが、周りもフレッシュホワイトで固められているので照度不足に悩むことは無さそうです。


一方、床はピンク色に染まっています。キハ110形でも赤系統の床がありますが、それよりも淡い色を用いています。
その床に黒い線が引かれています。着席時に足を投げ出さないように!というフットラインで、後から引いたのでしょう、凸凹が足の裏で感じ取れます。マナー向上の一環だと思いますが、ここまで明確に引いてあるケース、実はそう多くないと思います。もっと普及しても良いと思うのですが…。
ちなみにこの点線、座席のバケットとの連動はしていません。

 
ドア周りです。ワンマン運転も行っているため乗務員室のすぐ後ろにドアがくるよう片開き扉を採用しています。
左右でドアの位置が異なっていますが、ドアそのものは白い化粧板の半自動ドアです。戸袋部分もしっかり確保されており、プラグドアは採用していません。

 
半自動ドアのボタンです。左の画像が車内のボタン、右の画像が車外のボタンになります。
どちらもこの頃かなりの数が出回っていたベストセラー品になります。一番左のようにドアの部分が赤くなるとボタンを使った開け閉めが可能になります。外からは「開」のみになります。
そこそこわかりやすいボタンだと思いますが、テプラで補足説明を加えています。


測窓です。固定窓が続き、横引きカーテン共々キハ100形そのままの設備になります。


ロングシートです。まずは下り進行方向右側の非常に長いロングシートで、クッションの区分としては画像手前から3人、3人、5人、5人、4人、4(1+優先席3)人の組み合わせです。モケット自体のピンク色に濃淡をつけているだけでなく、着席位置に縫い込みもあり、明確な着席体制を整えています。画像をご覧の通り左沢方3人分の座席が優先席に充てられていますが、山形方の座席も一部「おもいやりの席」として優先席と同じ役割を持たせています。


ピンクが大雑把な描写かつピンクも順光で鮮やかに映った進行方向左側のロングシートです。奥に見える排気管までは5人、5人、5人、3人の組み合わせです。
手前の袖仕切りは車椅子スペースの関係で窓枠のすぐ下に設けなければならなくなってしまったため、他よりも肘掛けっぽい作りになっています。座り心地自体はスプリングが程よく効きバケットがあまり強調されていない感じです。うーん、座面がもう一寸深いともう少ししっかり座れると思います。そしてこの手の長〜い座席こそスタンディングポールが欲しいところです。


下り進行方向左側の左沢方2人分は優先席になっています。仕様は通常の座席のモケット変更版といった様相です。
周りを袖仕切りと排気管に囲まれている分、他の座席では味わえない独立した雰囲気に浸れます。
ある意味私のような独り者が座り、隣の席がいたずらに空いていた日には…要らぬ勘違いで頬をさくらんぼのように赤く染めてしまいそうです(^^;;;

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